帯状疱疹(たじょうほうしん)—「片側にだけ出るインフルエンザ」のような病気
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
「片側にだけインフルエンザのような症状が出る」という表現を聞くことがありますが、これは実際のインフルエンザではなく、帯状疱疹(たじょうほうしん)というウイルスによる病気です。帯状疱疹は、体の片側の神経にそって、痛みをともなう赤い発疹や水ぶくれが現れます。発熱や頭痛、だるさといった、かぜやインフルエンザに似た全身症状をともなうこともあるため、「かぜが片側にだけ来た」ように感じることがあるのです。
重要な事実
- 帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスが原因で起こります。
- 発疹や痛みは、体の左右どちらか一方だけに現れることが特徴です。
- 発疹が出てから早めに治療を始めると、痛みが長引くのを防ぎやすくなります。
はい、決して珍しい病気ではありません。帯状疱疹は、これまでに水ぼうそうにかかったことのある人なら誰でも発症する可能性があり、特に高齢者に多く見られます。
水ぼうそうにかかったことのある人なら誰でもかかる可能性があります。加齢やストレス、病気などで免疫の力(抵抗力)が低下しているときに発症しやすくなります。高齢者や、持病があって免疫を抑える薬を使っている人は、より注意が必要です。
症状
- 発疹が目の中や目の周りにあり、視力に異常がある
- 意識がぼんやりする、または混乱している
- 呼吸が苦しい、胸が痛い
- 高熱とともに強い頭痛がある
- 発疹が全身に急速に広がる
- ⚠発疹や痛みが新しく出てきている
- ⚠痛みが強く、夜も眠れない
- ⚠水ぶくれが化膿し、赤く腫れてきた
- ⚠顔や頭に発疹が出ている
一般的な症状
- 片側の体に現れるヒリヒリ・ズキズキする痛み
- 痛みが出たあとに現れる赤い発疹と水ぶくれ
- 発熱や頭痛、全身のだるさ
- 皮膚が敏感になり、触れるだけで痛む
- かゆみやしびれ
子供の症状
- 痛みの前に軽い発疹や熱が出ることがあります。
- 大人よりも症状が軽いことが多いですが、それでも強い痛みを訴える子どももいます。
- 水ぼうそうの予防接種を受けている子どもは、発症しても症状が軽くなることが多いです。
高齢者の症状
- 痛みが強く、発疹が治ったあとも長く続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。
- 発疹が大きくなり、水ぶくれが治りにくいことがあります。
- 体力が落ちていると、細菌感染や他の合併症を起こすリスクが高くなります。
原因
主な原因
- 子どものころに水ぼうそうにかかったとき、ウイルスが体の中の神経に静かに残ります。
- 年齢やストレス、病気などで免疫の力が落ちると、そのウイルスが再び活動を始めます。
- 再び活動したウイルスは、神経にそって皮膚に広がり、片側の痛みと発疹を引き起こします。
リスク要因
- 50歳以上であること
- 強いストレスや疲労が続いていること
- がん治療や臓器移植などで免疫が弱っていること
- HIVなどの病気で免疫が低下していること
- 免疫を抑える薬を使っていること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発疹が目、鼻、額など顔の真ん中にできたとき
- 強い痛みがあるとき
- 高熱や頭痛があり、体の片側に変化があるとき
- 免疫が弱っている人(治療中や持病がある人)で発疹が出たとき
定期受診を予約すべき場合:
- 片側に痛みやかゆみをともなう発疹に気づいたら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
- 水ぼうそうにかかったことがあるかどうかわからない場合も、受診の際に相談しましょう。
診断
医師が発疹の場所や形、痛みの様子を診て診断します。帯状疱疹は片側だけに症状が出るという特徴があるため、診察だけでわかることが多いです。
行われる可能性のある検査
- 皮膚の水ぶくれから液体を少量取って調べる検査
- 血液検査(ウイルスへの抗体やウイルスの存在を調べる検査)
- 必要に応じて、脳や神経への影響を調べる画像検査(まれに実施)
診察で予想されること
診察では、いつから痛みが出たか、どこに症状があるか、持病や服用中の薬について聞かれます。水ぶくれに触れたり、液体を取る検査もありますが、それほど時間はかかりません。
治療
帯状疱疹の治療は、ウイルスの増殖を抑える薬と、痛みを和らげる治療が中心です。発疹が出てからできるだけ早く治療を始めることが大切です。また、水ぶくれを清潔に保ち、細菌から皮膚を守ることも重要です。
自宅でのセルフケア
- 発疹や水ぶくれを清潔に保ち、乾燥させすぎないようにする
- 冷たいタオルや、タオルで包んだ保冷剤で、痛む部分を冷やす
- かかないようにして、爪は短く切っておく
- ゆっくり休み、体力を回復させる
- 発疹が水ぶくれの間は、妊娠中の女性や水ぼうそうにかかったことのない人と接触しない
医療治療
医師は、抗ウイルス薬や痛みを和らげる薬を処方することがあります。症状や体の状態に合わせて、塗り薬や神経の痛みに作用する治療を行うこともあります。薬にはそれぞれ効果と注意点があるため、必ず医師の指示に従って使用してください。市販の痛み止めを使う場合は、薬剤師に相談して、自分に合ったものを選びましょう。
この病気と共に生きる
帯状疱疹の間は、体を休めることがいちばん大切です。痛みや発疹があっても、多くの場合は数週間で良くなります。発疹がかさぶたになるまでは、皮膚を清潔に保ち、ガーゼなどで保護すると衣服のこすれが減って楽になります。無理のない範囲で、普段の生活を続けて大丈夫です。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをためないように、趣味や軽い運動でリラックスする
- アルコールは控えめにし、水分をしっかりとる
- 発疹がある間は、激しい運動や長い入浴を避け、シャワーですすぐ程度にする
食事と運動
免疫の力を保つために、バランスのよい食事を心がけましょう。特に、たんぱく質やビタミン類を取り入れると回復を助けてくれます。運動は、症状がつらくない範囲で、軽いストレッチや散歩などから始めてください。体力が戻ってきたら、少しずつ活動を増やしていきましょう。
精神的健康と心の健康
痛みや見た目の変化で気分が落ち込むこともあります。そうした気持ちになるのは自然なことです。つらいときは、一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話してみましょう。
予防
はい、帯状疱疹はワクチンで予防することができます。特に50歳以上の方や、免疫が弱っている方は、予防接種を検討することがすすめられています。
ワクチン
帯状疱疹のワクチンには、数回の接種が必要なものがあります。予防接種を受けるかどうかは、かかりつけ医と相談して決めましょう。
合併症
治療しない場合
- 発疹が治っても痛みが長く続く「帯状疱疹後神経痛」が残ることがあります。
- 水ぶくれが細菌感染を起こし、皮膚が化膿することがあります。
- 発疹が目に近い場所にあると、角膜炎や結膜炎などを起こし、視力に影響することがあります。
- まれに脳や神経に影響を及ぼし、髄膜炎や脳炎などを起こす可能性があります。
長期的な見通し
帯状疱疹は、多くの人が数週間で治ります。たとえ痛みが残った場合でも、現在はさまざまな治療法があり、症状をうまくコントロールすることが可能です。早期に治療を始めれば、回復も早く、合併症のリスクも低くなります。あきらめずに、医療者と一緒に治療を続けていきましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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