横になると強まる骨折の痛み:その理解と対処法
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨折(骨が折れるけが)が治っていく間に、横になると痛みが強くなることがあります。これは特定の病気というより、治っている過程で起こりうる症状のひとつです。骨折の状態や固定の方法、寝るときの姿勢などによって、横になったときに痛みを感じることがあります。多くの場合は心配のいらないものですが、なかには治療が必要な合併症が原因のこともあるため、気になる痛みが続くときは医師に相談してください。
重要な事実
- 骨折の治りかけの時期に、横になると痛みを感じることがあります。
- 寝具や寝る姿勢を変えるだけで楽になることが多いです。
- 痛みが強い、腫れや赤みがある、息苦しさがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
骨折後の経過中に横になると痛みを感じる方は少なくありません。特に背骨やあばら骨、足の骨の骨折で起こりやすいです。ただし、すべての方に起こるわけではありません。
骨折をしたすべての方に起こり得ます。特に、骨折した部位が体幹に近い場合や、ギプスや装具をしている場合に、横になったときに痛みを感じることがあります。高齢の方や、骨が弱くなる病気がある方にも多く見られます。
症状
- 突然の息苦しさや胸の痛み
- 急に片方の脚が腫れて激しく痛む
- 意識がもうろうとする
- 骨折した部分から異臭とともに大量の膿のようなものが出る
- ⚠痛みがだんだん強くなり、痛み止めや安静にしても改善しない
- ⚠骨折部分の腫れや赤みが増えて熱を感じる
- ⚠骨折している部分が動く感じがして、不安定に感じる
- ⚠38度以上の発熱がある
一般的な症状
- 仰向けや横向きに寝ると骨折した場所が痛む
- 寝返りを打つときや起き上がるときに痛む
- 夜中に痛みで目が覚める
- 横になるとしびれや違和感が強くなる
子供の症状
- 夜になって痛みを訴える、泣いてしまう
- 寝るときに特定の姿勢を嫌がる
- ぐっすり眠れず、ぐずることがある
高齢者の症状
- 横になると痛みが出るため、夜間の睡眠が不足しやすい
- 寝ている間の痛みで、日中も疲れが取れない
- ベッド硬さや体圧の影響で痛みを感じやすい
原因
主な原因
- 骨折そのものがまだ治っていないため、体勢を変えると骨のずれや力がかかって痛む
- ギプスや装具の内部での圧迫があって、横になると悪化する
- 骨折部分をかばって筋肉が緊張し、睡眠中の姿勢が不自然になる
- 寝るときのマットレスが硬すぎたり柔らかすぎたりして、骨折部に圧力がかかる
- まれに、骨の治りが遅いものや感染症が隠れていることがある
リスク要因
- たばこを吸う
- 糖尿病、骨粗しょう症など基礎疾患がある
- 栄養状態がよくない
- 骨折の部位が体重のかかりやすい場所である
- 仕事や生活で長時間同じ姿勢を続ける
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 横になると痛むだけでなく、片足全体が急に腫れて熱を持つ
- 胸の痛みや呼吸困難が突然現れた
- 痛みで夜まったく眠れず、市販の冷やし方や体勢の工夫でも改善しない
定期受診を予約すべき場合:
- 横になると痛む症状が数日続いている
- 骨折後、一度は痛みが治まったのに再び夜間痛が出現した
- 痛みの場所や種類が変わってきた
- かかりつけ医や治療中の医師に相談し、経過を見て欲しいとき
診断
医師の診察では、まず痛みの場所、程度、どんなときに強くなるのかを詳しく聞かれます。そのうえで、骨折した部位の診察と、必要に応じて画像検査が行われます。
行われる可能性のある検査
- X線(レントゲン)検査:骨の形や治り具合を確認
- 血液検査:炎症の有無や感染の可能性を調べる
- CT(コンピューター断層撮影)検査:骨の細かい状態を確認
- MRI(磁気共鳴画像)検査:骨や周りの軟部組織の状態を確認
- 超音波(エコー)検査:脚の血管に血の固まりができないかを調べる際に用いることがある
診察で予想されること
診察室では、痛みの変化や気になる症状をメモして話すとスムーズです。問診と簡単な検査で原因の多くがわかります。必要に応じて、専門の整形外科や専門医を紹介される場合もあります。
治療
治療の基本は、骨折の治りを促進し、痛みを取り除き、日常生活を快適にすることです。横になると悪化する場合の治療は、原因によって異なります。多くの場合、体勢を工夫して骨折部への圧迫を減らし、炎症や痛みを穏やかに抑えながら経過を見ます。
自宅でのセルフケア
- 寝るときは、骨折した部分への重みがかからないよう、クッションや丸めたタオルで支える
- 腰痛や脚の骨折の場合は、仰向けで膝の下に枕を入れると楽になることがある
- 硬すぎるマットレスやベッドの沈みすぎに注意し、必要に応じてすき間を埋める
- 寝る前にカフェインやアルコールを取りすぎない
- 痛む場所を氷のうなどで冷やす(腫れがある場合)――ただし、患部を強く押さえたり冷やしすぎたりしない
- 朝起きたときには、ゆっくりと体を動かし、急な起き上がりを避ける
医療治療
医師は、炎症や痛みを和らげる一般的な薬(非ステロイド性抗炎症薬など)を、症状に合わせて処方することがあります。また、骨折部を固定するギプスや装具の調整が行われることもあります。原因が治癒の遅れや感染症にある場合は、抗菌薬の投与や患部の洗浄、骨を安定させる手術などが検討されます。治療の内容はきちんと医師に確認してください。
手術が検討される場合
骨がずれたまま治りそうな場合、治りが悪い場合(偽関節)、または感染や神経の圧迫が疑われる場合には、手術が必要になることがあります。ただし、手術になった場合の時期や方法は、骨折の状態によって異なります。
この病気と共に生きる
骨折の回復には時間がかかります。横になるときの痛みがある間は、睡眠を十分に取るための工夫をしましょう。枕やクッションを上手に使い、体勢をこまめに変えます。また、日中に過ごす姿勢にも気をつけて、骨折部に無理な力がかからないようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- たばこは骨の治りを遅くするため、禁煙がすすめられます
- アルコールは控えめにし、バランスのよい食事を心がける
- 医師から許可が出たら、骨折部分を動かさない範囲で適度に体を動かす
- 夜間の十分な睡眠のため、日中は適度な活動と休息を交互に取り入れる
食事と運動
骨の形成には、たんぱく質、カルシウム、ビタミンDが大切です。乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜をとりやすい食事を心がけましょう。そのうえで、医師や理学療法士の指導に沿って、骨折部の安静を保ちつつ、筋肉や骨に適した負荷を少しずつかける運動がすすめられます。
精神的健康と心の健康
長時間の痛みや睡眠の妨げは、気分の低下や不安につながることがあります。無理に我慢せず、家族や友人に話しましょう。夜間の痛みで眠れない日が続く場合も、医師に相談して対処法を聞いてください。
予防
骨折そのものを完全に防ぐことはできませんが、横になるときの痛みを予防・軽減できます。適切な固定法を守り、睡眠時の姿勢を工夫することで、骨折部へかかる不要な圧力を避けられます。また、骨を丈夫にする生活習慣を続けることが、再発予防にもつながります。
ワクチン
切り捨てる
検診プログラム
骨の状態を知るために、医師の判断で骨密度検査が行われることがあります。特に骨折リスクの高い方は、定期的に検査を受けることが有益な場合があります。
合併症
治療しない場合
- 骨の治りが遅れる、またはつながらない可能性がある
- 感染症や深部静脈血栓症(脚の血管に血の固まりができること)のリスクが高まる
- 慢性的な痛みや睡眠不足が続き、生活の質が低下する
- 骨折部のずれが進み、後で手術が必要になることもある
長期的な見通し
骨折後の痛みは、多くの場合、適切なケアと時間によって改善します。横になると痛む症状があっても、原因をきちんと調べて適切な対処をすれば、大半は快適に眠れるようになります。痛みをがまんせずに早めに相談することが、回復への第一歩です。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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