骨折の回復中に熱が出たとき
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨折(骨が折れた状態)をしたあとに熱が出ることがあります。骨折の回復中は体の中で炎症が起こるため、わずかな熱っぽさはある程度ふつうのことです。しかし、熱が高い場合や長く続く場合は、骨折した部分に細菌が入って感染している可能性があります。この記事では、骨折と発熱の関係、受診の目安、治療や予防についてわかりやすく説明します。
重要な事実
- 骨折後の熱がすべて異常とは限りませんが、高熱が続くときは注意が必要です。
- 骨折した部分の感染(骨髄炎など)は、手術後や開放骨折(骨が皮膚から出ていた傷)で起こりやすくなります。
- 発熱に加えて痛みや赤み、腫れがひどくなったら、早めに医療機関を受診してください。
- 骨折後の感染は、早期に治療すれば治る可能性が高い病気です。
骨折の後に発熱をともなうことはあまり多くありません。手術をした方や、開放骨折だった方では、感染のリスクが少し高まります。
骨折をしたすべての年齢の方に起こる可能性がありますが、手術した方、糖尿病や免疫力が低下している方、喫煙している方では、感染のリスクが高くなります。
症状
- 高熱とともに、意識がもうろうとする、または呼びかけに反応しない
- 息苦しい、胸が痛い
- 骨折した部分から大量の出血があり、止血できない
- けいれんが止まらない
- ⚠骨折した部分の痛み、赤み、腫れ、熱感がひどくなる
- ⚠38度以上の熱が24時間以上続く
- ⚠傷口や手術した部分から膿が出ている、または異臭がある
- ⚠手足のしびれや、指や足の指が青白くなる
一般的な症状
- 38度以上の発熱
- 骨折した部分の痛みがどんどん強くなる
- 赤み、腫れがひどくなる、または周囲が熱を持つ
- 傷口や手術した部分から膿(うみ)が出る
- 悪寒(さむけ)やふるえ
- 全身がだるい、体が重い
子供の症状
- ぐずる、いつもと機嫌が違う
- 骨折した手足を動かさず、さわられるのを嫌がる
- 食欲がない、水分をあまりとらない
- 原因がはっきりしない高熱
高齢者の症状
- 熱があまり高くなくても、ぼんやりする、うつらうつらする
- 今までできていたことが急にできなくなる
- 痛みの場所がはっきりせず、微妙な変化になりやすい
- 転んだり、骨折したことをあまり覚えていないこともある
原因
主な原因
- 骨折した部分に細菌が入り、感染を起こす(骨髄炎ということもあります)
- 骨折の手術後、手術の傷口が感染する
- 手術後に血流が悪くなり、血栓(血のかたまり)ができる
- 骨折後、動かないことで肺の炎症など別の感染症を起こす
リスク要因
- 開放骨折(皮膚を破って骨が見えていた傷)
- 手術による骨の固定
- 糖尿病や、免疫力が低下する病気
- 高齢であること、または栄養状態が良くないこと
- ステロイド薬を長期に使っている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱が続く、または悪化する
- 骨折した部分の痛みがひどくなり、鎮痛薬を飲んでも効かない
- 赤みや腫れが広がってきた
- 傷口から膿が出る、またはにおいがする
- 手足の指の感覚がおかしい、または動きが悪い
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い熱(37度台)が2〜3日続くが、ほかの症状はない
- 骨折した部分の痛みが少しずつ和らいでいる
- 熱の原因がほかの病気(風邪など)にはっきりある
診断
医師があなたの症状や経過を聞き、骨折した部分を診察します。発熱の原因が骨折によるものか、ほかの病気によるものかを調べるために、いくつかの検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 血液検査:炎症や感染の数値(白血球数、CRPなど)をチェックします
- 画像検査:X線(レントゲン)で骨折の状態を確認します。感染が疑われる場合はMRIやCT検査を行うこともあります
- 皮膚や膿の培養検査:細菌の種類を調べます
- 骨の生検:細い針で骨の一部をとって調べることがあります
診察で予想されること
診察では、発熱がいつからあるのか、痛みや赤み、腫れがどう変化したかを聞かれます。検査の結果が出るまで数日かかることがありますが、状態によってはその日のうちに治療が始まります。不安なことは遠慮なく医師に伝えましょう。
治療
治療の目的は、感染などの原因を取り除き、骨折の回復を進めることです。原因が感染症なら、抗生物質(抗菌薬)を使って治療します。感染が骨の深くまで及んでいる場合は、手術で感染した組織をきれいにする必要が出ることもあります。
自宅でのセルフケア
- 医師に指示された範囲で、骨折した部分を安静に保つ
- 痛みや腫れがある部分は、冷たいタオルなどで冷やす
- 水分を十分にとる
- 栄養のバランスのよい食事を心がける
- 市販の解熱薬を自己判断で使わず、医師に相談してから使う
医療治療
感染が疑われる場合は、抗生物質を点滴や経口(飲み薬)で使います。抗生物質は細菌の種類によって選ばれるため、医師の指示を守って最後まで飲むことが大切です。また、骨折の固定が不十分なら、副木やギプスを調整したり、手術で金属プレートやネジなどを用いて固定し直すこともあります。
手術が検討される場合
骨の中に感染が広がっている場合(骨髄炎)や、感染した組織を取り除く必要がある場合は、手術を行います。手術後は再度抗生物質で治療を続けることがあります。
この病気と共に生きる
骨折の回復中は、医師の指示にしたがって過ごすことが大切です。熱が下がっても無理をせず、十分に休みましょう。痛みが続く間は、つえや歩行器を使うなどして骨折した部分に負担をかけないようにしてください。
生活習慣のアドバイス
- 喫煙している場合は、医師に相談して禁煙をめざす
- 傷口を清潔に保ち、包帯やガーゼが汚れたら交換してもらう
- 熱を測って記録し、変化をメモしておく
- 医師の許可が出るまでは、入浴やシャワーで傷口を濡らさない
食事と運動
骨を丈夫にするために、カルシウムやビタミンDを多く含む食品(牛乳、小魚、豆腐、きのこ類など)を意識してとりましょう。たんぱく質も回復に重要です。運動は、医師の許可が出たら、骨折していない部分の筋肉を動かすなどの軽い体操から始めるのが安全です。
精神的健康と心の健康
骨折後の痛みや発熱が続くと、心配になったり、気分が落ち込んだりすることがあります。それは自然な反応です。そんなときは、自分の気持ちを家族や友人に話したり、医師や看護師に相談してください。必要なときは、心のケアの専門家を紹介してもらうこともできます。
予防
骨折後の発熱を完全に防ぐことはできませんが、感染のリスクを減らすことはできます。手術後や開放骨折の場合は、医師が処方した薬をきちんと使う、傷口を清潔に保つ、全身の栄養状態を整える、糖尿病などの持病をコントロールすることが大切です。
ワクチン
骨折と直接関係するワクチンはありませんが、高齢の方は肺炎球菌などのワクチンについて、かかりつけ医に相談するとよいでしょう。
検診プログラム
骨折後の感染を早期に見つける特別な検診はありません。しかし、発熱や痛みの変化に気づいたら早めに受診することが大切です。
合併症
治療しない場合
- 感染が骨の深くまで広がり、骨髄炎(骨の感染症)になる
- 感染が血液中に入り、敗血症(全身感染症)という重い状態になる
- 骨折の治りが遅れる、またはくっつかない(偽関節)
- 再手術が必要になったり、長期間の抗生物質治療が必要になる
- 歩く・動く機能障害が残ることがある
長期的な見通し
骨折後の発熱は、原因をきちんと調べて早めに治療を始めれば、多くの場合は改善します。骨の感染症でも、最近は良い治療薬と手術の組み合わせで治る可能性は高いです。回復には時間がかかることもありますが、根気よく治療を続けることが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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