骨折治癒中に感じる吐き気について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨折をしたあと、骨がくっつくまでの期間に、吐き気を感じることがあります。吐き気の原因は、けがの痛み、ストレス、薬の影響、体を動かさないことによる血流の変化など、さまざまです。多くの場合は一時的なもので、適切にケアすれば落ち着きます。ただし、まれに深刻な合併症が原因のこともあるため、注意が必要です。
重要な事実
- 骨折後の吐き気は、痛みやストレスによるものが最も多いです。
- 薬を飲み始めてから吐き気が強くなった場合は、薬の影響かもしれません。
- 吐き気がひどくて水分や食事がとれないときは、医療機関に相談してください。
- 骨折後の激しい吐き気とともに、意識がもうろうとするなどの症状があれば、緊急の対応が必要です。
- 骨の治りには時間がかかりますが、吐き気は多くの場合、原因に合わせた対処で改善します。
骨折をしたすべての人に吐き気が起こるわけではありませんが、痛みが強かったり、安静が長く続いたりすると、吐き気や食欲低下を感じる人は少なくありません。比較的よく見られる症状と言えます。
骨折をした子どもから高齢者まで、どの年代でも起こりえます。特に、長く入院が必要になる人、強い痛みで鎮痛薬を多く使う人、もともと胃腸が弱い人に起こりやすい傾向があります。
症状
- 吐き気とともに、呼吸が苦しい、胸の痛みがある
- 突然、意識がもうろうとしたり、呼びかけに反応しなくなったりする
- 骨折した部分が急に強く腫れて、指や足の指の色が青白い、またはしびれる
- 激しい頭痛とともに吐く
- 尿や便に血が混じる
- 発熱に加えて、けいれんや強い頭痛がある
- ⚠吐き気が強く、水も飲めない状態が続く
- ⚠吐いた後に腹痛が治まらない
- ⚠骨折した部分の痛みが、時間がたっても強くなる
- ⚠手足の指の感覚が鈍い、または動かしにくい
- ⚠発熱が続く
- ⚠めまいがひどく立っていられない
一般的な症状
- 骨折した部分の痛み、はれ、赤み
- 吐き気やむかつき
- 食欲がない
- めまい、立ちくらみ
- だるさ、疲れやすさ
- 軽い発熱
子供の症状
- 子どもは吐きやすい傾向があり、痛みをうまく言葉で伝えられません。
- ぐったりして元気がない、吐き続ける、水分がとれないなどが見られたら注意が必要です。
- 乳幼児では、おなかを壊したような症状に見えることもありますが、骨折の痛みが強ければ、いつもより機嫌が悪くなったり、食欲がなくなったりします。
高齢者の症状
- 高齢者は脱水を起こしやすいため、吐き気で水分がとれないと、めまいやふらつきが強くなります。
- 普段の血圧が低い人は、吐き気に伴う血圧の変化で転倒しやすくなります。
- 骨の治りが遅くなることがあるため、栄養不足を防ぐ工夫が大切です。
原因
主な原因
- 骨折による強い痛みが、自律神経を刺激して吐き気を引き起こすことがあります。
- けがをした時のストレスや不安、恐怖感が胃腸の働きに影響することがあります。
- 骨折の治療に使われる痛み止めや抗生物質などの薬が、吐き気の副作用を持つことがあります。
- 手術や全身麻酔の直後は、麻酔の影響で吐き気が起こることがあります。
- 足や腰の骨折で動けない間、血流が滞って消化が弱まり、吐き気を感じることがあります。
- まれに、骨折に伴う脂肪塞栓症やコンパートメント症候群などの合併症で吐き気が起こることがあります。
リスク要因
- 痛みが強く、鎮痛薬を長期間使っている
- 骨折前から胃が弱い、または乗り物酔いをしやすい
- 長期の安静で体を動かす時間が極端に減っている
- 高齢で脱水を起こしやすい
- もともと片頭痛やめまいがある
- 骨折と同時に頭を打っていた
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 吐き気が続いて、水やお茶も飲めない
- 吐いた物に血が混じる
- 吐き気とともに、強い腹痛や胸痛がある
- 骨折した部分がどんどん腫れて、指の色や感覚がおかしい
- 発熱があり、かつ意識がもうろうとする、または強い頭痛がある
定期受診を予約すべき場合:
- 吐き気が1週間以上続く
- 吐き気で体重が減ってきた
- 骨折の回復が遅いと感じる
- 痛み止めの使い方について相談したい
- 気分が落ち込んで眠れない日が続く
診断
骨折の治癒経過と吐き気の原因を調べるために、医師が問診と診察を行います。最近のけがの状況、痛みの程度、薬の使用状況、そのほかの症状(頭痛、腹痛、発熱など)について詳しく聞かれます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(感染や炎症がないか、脱水や栄養状態を確認)
- X線検査(骨折の状態や骨のくっつき具合を確認)
- 超音波検査(血栓(血の固まり)がないかなどを確認)
- CTスキャン(骨以外の内臓や脳に異常がないかを詳しく調べる場合)
- 心電図(循環器に異常がないかを調べる場合)
診察で予想されること
吐き気の原因に合わせて、必要な検査が行われます。多くは、安静にして水分を取るなどの基本的なケアから始まり、症状が続くなら薬の見直しや追加の検査があります。検査自体は痛みを伴いませんが、骨折の部位によっては、撮影のときに体の向きを調整してもらえます。
治療
骨折の治療では、まず骨を正しい位置に保ち、しっかり固定して治すことが優先されます。吐き気は、その治療の過程で起きる症状として、原因に合わせて対応します。吐き気が薬の副作用の場合は、別の薬に変えたり、服用方法を工夫したりすることで、改善できることがあります。
自宅でのセルフケア
- 水分を少しずつ、こまめに飲む(冷たい炭酸水、経口補水液など飲みやすいものを)
- 食事は少量ずつ、数回に分けてとる
- においの強い食べ物や、脂っこいものは避ける
- ベッドやソファに横になって、体を楽にする
- 部屋の空気を入れ替えて、圧迫感を減らす
- 酒、たばこ、過度なカフェインは控える
- 無理に食べようとせず、食欲が出るのを待つ
医療治療
吐き気に対しては、医師が吐き気を抑える薬を処方することがあります。骨折の痛みについては、痛みを和らげる薬(鎮痛薬)を安全な範囲で使います。薬を使う際は、医師や薬剤師の指示に従い、自己判断で量を変えたり、他の薬と一緒に飲んだりしないでください。吐き気が強い場合は、病院で点滴による水分補給を受けながら、吐き気の原因を調べることもあります。
手術が検討される場合
骨折によっては手術が必要な場合があります。手術後は麻酔の影響で吐き気が起こりやすいですが、麻酔科医が吐き気を軽くする方法を選択したり、術後すぐに内服を使わない方法をとることもあります。吐き気が強いときは、医師に遠慮なく伝えてください。
この病気と共に生きる
骨折の治療中は、無理をせず、体を休めることが最優先です。吐き気があるときは、横になる、安静にする、また、読書や音楽など気を紛らわせることをしてみましょう。どうしてもつらいときは、医師に相談して症状を和らげてもらいながら、無理のない範囲で生活を続けてください。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起床・就寝する
- 日中はカーテンを開けて、光を浴びる
- アルコールは控える
- たばこを吸わない
- 飲みすぎに注意し、水分を十分にとる
- 睡眠を十分にとり、疲れをためない
食事と運動
骨の治りを助けるために、カルシウム(乳製品、小魚、緑黄色野菜)、ビタミンD(魚、きのこ、日光)、タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品)を意識した食事が勧められます。ただし、吐き気があるときは無理せず、食べられるもの、飲めるものから始めましょう。運動は、医師の許可が出るまでは骨折した部分を動かさず、許可が出たらリハビリを根気強く続けてください。
精神的健康と心の健康
骨折の治療中は、動けないもどかしさ、仕事や家事への不安、痛みの続く不安などで、気分が落ち込みやすくなります。吐き気も、そのような心理的な緊張から起こることがあります。つらい感情をため込まず、家族や友人、医療スタッフに気持ちを話すようにしてください。気分の落ち込みが続く場合は、心理の専門家に相談するのも一つの方法です。
予防
骨折そのものを完全に防ぐことはできませんが、骨を丈夫にしておくことで骨折のリスクを下げられます。また、骨折治療中の吐き気は、原因が分かれば予防や軽減が可能です。日頃から骨を強くする食事を意識し、バランスの良い生活を心がけましょう。
合併症
治療しない場合
- 吐き気を放置すると、水分や栄養が十分に摂れず、脱水や体力低下を招くことがあります。
- 骨折の回復に必要な栄養が不足し、骨の治りが遅くなる可能性があります。
- 原因が重大な合併症(感染や血管の詰まりなど)の場合、治療が遅れると命に関わることがあります。
- 吐き気が続くと、転倒などを招くめまいやふらつきが強くなることがあります。
長期的な見通し
骨折の治りには数週間から数ヶ月かかりますが、適切な治療とケアで、ほとんどの人は元の生活に戻ることができます。吐き気は、原因を一つずつ確認しながら対処することで改善に向かうことが期待できます。つらい症状があっても、一人で抱え込まずに医療者に相談することが、回復への近道です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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