横になると高くなる血糖値 ― 食後の気になる高血糖の話
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
血糖値(血の中の糖の量)は、食事のあとに自然に上がります。しかし、横になっていると、起きているときよりも血糖値が高くなりやすいことがあります。これは、筋肉が動いていると糖をエネルギーとして使いますが、横になって動かないと、糖が体に取り込まれにくくなり、血液の中にとどまりやすいためです。これはひとつの病気の名前ではなく、血糖値の上がり方のパターンです。糖尿病やその前段階(予備群)の人によく見られます。
重要な事実
- 食後に横になると、筋肉がブドウ糖(糖)を消費しにくくなるため、血糖値が高くなりやすい。
- 横になった姿勢では、胃から腸への食べ物の運びがゆっくりになり、糖の吸収が長引くことがある。
- 食後に軽く体を動かすことで、血糖値の上昇をやわらげられる。
はい。糖尿病やその予備群と診断される人々の間では「食事のあとにうたた寝や横になって休む」という経験がある方は少なくありません。特に炭水化物の多い食事や昼寝のあとに気づく方が多いです。
特に、2型糖尿病やその予備群の方、日ごろの活動量が少ない方、高齢の方、インスリン抵抗性がある方に多く見られます。妊娠中に起こる妊娠糖尿病でも同じようなことがあります。
症状
- 呼吸が速くなる、または深く大きくなる
- 口からアセトンのような甘酸っぱいにおいがする
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- 激しい吐き気や腹痛があり、水分もとれない
- 尿が猛烈に増える、体重が急に減る
- ⚠自宅で測った血糖値が非常に高く、どのように対応すれば良いかわからない
- ⚠何度も吐いて、水分を補給できない
- ⚠胸の痛みや息切れが続く
- ⚠いつもより症状が強く、長く続いている
一般的な症状
- 食後に横になると血糖値が高くなる
- 疲れやすさ、眠気を感じやすい
- のどが渇く
- トイレが近くなる(尿の回数や量が増える)
- 寝苦しさや体がだるい感じがする
子供の症状
- 夜中に血糖値が高くなると、おねしょをすることがある
- 日中の眠気や疲れやすさが見られる
- いつもより甘い物を欲しがることがある
高齢者の症状
- 高齢者は症状がはっきりしないことが多い
- 「なんとなく疲れる」「ぼーっとする」といったぼんやりした症状だけのこともある
- 血糖値を測らないとわからないため、自己測定をこまめに行うことが大切
原因
主な原因
- 横になると筋肉が動かないため、血糖を筋肉が取り込みにくくなる
- 横になった姿勢では胃の出口が圧迫され、食べ物が長く胃にとどまり、糖の吸収が後からゆっくり進む
- ストレスや睡眠不足などの影響で、血糖を上げるホルモンが増えることがある
- 糖尿病の治療がまだ十分に整っていない、または食事の量が多すぎた
リスク要因
- 糖尿病または糖尿病予備群である
- 肥満ぎみである
- 日ごろの運動量が少ない
- 炭水化物を多くとる食事やおやつが多い
- 高齢である
- 妊娠中である
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血糖値が高く、吐き気や嘔吐が続く
- 呼吸が速い、または意識がもうろうとする
- 胸の痛みや息切れがある
定期受診を予約すべき場合:
- 食後に横になるときに血糖値が高くなることが何度もあり、自分の目標値をこえることが繰り返す
- 糖尿病の治療中で、自分での管理に自信がない
- 食後の血糖値が気になり始めた、また糖尿病と診断されたばかりで不安がある
診断
医師が問診を行い、血糖を調べる血液検査をします。必要に応じて、家庭でも血糖値を測って記録をとってもらうことがあります。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖検査(8時間以上食事をしないで測る血糖値)
- HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)検査(約2か月の平均的な血糖の値)
- 経口ブドウ糖負荷試験(糖の入った水を飲んで、数時間の血糖の変化を見る検査)
- 自己血糖測定(指先の血液を少量とって血糖値を測る方法)
診察で予想されること
結果がすぐにわかるものと数日かかるものがあります。医師が結果について説明し、今後の食事や運動のアドバイス、場合によっては治療の話を行います。検査に特別な痛みはありません。
治療
治療の基本は「食事・運動・薬」のバランスです。横になると血糖値が高くなる方は、食後の過ごし方を工夫することがとても効果的です。まずは生活習慣の見直しから始めるのが一般的です。
自宅でのセルフケア
- 食後すぐに横にならないで、30分ほどは軽い家事や散歩をする
- 野菜を先に食べる、白ごはんに玄米や雑穀を混ぜるなど、食事の内容を工夫する
- 寝る前の大きな食事や糖質の多いアルコールを避ける
- 血糖値をこまめに測り、自分の体の変化を記録する
医療治療
医師が必要と判断した場合、血糖値を下げるお薬やインスリン注射などの治療が検討されます。種類や量は、検査結果や生活の状況にあわせて医師が調整します。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
この症状自体に手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
血糖値の変化を気にしすぎず、決まった時間に食事と休息をとり、規則正しい生活を心がけましょう。横になるときは背中を少し高くした姿勢で休むこともひとつの工夫です。
生活習慣のアドバイス
- 朝はしっかり起きて光を浴びる
- 寝る前はスマートフォンやパソコンを控え、睡眠をしっかりとる
- ストレスをためないための方法を見つける(呼吸、散歩、趣味など)
- 週に150分程度の歩行や水中運動などを目安に、無理なく体を動かす
食事と運動
主食・主菜・副菜をそろえたバランスの良い食事を心がけましょう。糖質を多く含む飲み物やお菓子は控えめに。食後10分ほどの軽いウォーキングは食後高血糖をやわらげるのに役立ちます。激しい運動ではなく、日常の中でこまめに体を動かすことが大切です。
精神的健康と心の健康
血糖値が上がると「悪いことをした」と自分を責めてしまうこともあります。でもそうした気持ちが続くとストレスになり、かえって血糖コントロールが難しくなります。できたことを小さく認めながら、長く一緒に付き合っていく気持ちが大切です。
予防
糖尿病になる前の「予備群」のうちに、食後の適度な運動と食事の見直しを行うと、糖尿病の発症を防げる可能性があります。すでに糖尿病がある方も、同じ習慣で症状を抑えやすくなります。
ワクチン
糖尿病の方は感染症にかかると重症化しやすいため、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチンが勧められることがあります。詳しくは医師や薬剤師に相談してください。
検診プログラム
健康診断で血糖値やHbA1cを調べることができます。年に1回は検査を受け、自分の変化を確認しましょう。
合併症
治療しない場合
- 目の網膜(まく)に障害が起こり、視力が低下することがある
- 腎臓の機能が低下することがある
- 神経の障害で手足のしびれや感覚の異常が現れることがある
- 心筋梗塞や脳卒中などの血管の病気のリスクが高まる
- 感染症が治りにくくなることがある
長期的な見通し
高血糖を長く続けないための対策ができれば、合併症を減らして元気に過ごすことは十分可能です。特別なことをする必要はありません。食後に少し歩く、横になる前にトイレを済ませる、など簡単なことの積み重ねが未来の健康を作ります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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