高血糖と疲れ~血糖値が高いときに感じるだるさについて~
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
高血糖(こうけっとう)とは、血液の中の糖(ブドウ糖)が多すぎる状態のことです。糖は体や脳を動かすエネルギーですが、多すぎると血管を傷つけたり、エネルギーをうまく使えずに疲れやだるさを感じることがあります。これは、ホルモンの働きや代謝(体のエネルギー調整)が乱れることで起こります。
重要な事実
- 高血糖が続くと、疲れやすくなるだけでなく、血管や神経に悪い影響をあたえることがあります。
- 疲れの原因は高血糖だけとは限らず、甲状腺(のどぼとけの下にある臓器)やストレスなど、ほかのホルモンの問題でも起こります。
- 早期に気づいて、生活習慣や治療を見直すことで、体への負担をへらせます。
はい。血糖値が高くなる人は、日本では増えていて、特に働き盛りの世代や高齢者によく見られます。ただし、高血糖があっても自覚症状がない人も多く、健康診断で初めて気づくことも少なくありません。
中年以降の人、家族に糖尿病の人がいる人、運動不足や肥満(特に内臓脂肪が多い人)、甘い飲み物や糖質の多い食事をよくとる人に多いとされています。男性にも女性にも起こりえます。
症状
- 呼びかけに反応しない・意識がもうろうとしている
- けいれんを起こしている
- 呼吸がふかくなったり、苦しそうに息をする
- めまいがして立っていられない、倒れる
- ⚠強いのどの渇きとともに、何度もトイレに行く
- ⚠吐き気やおう吐がとまらない
- ⚠血糖値が自分で測れる人は、300mg/dL以上ある
- ⚠せきや発熱など感染症のサインとともに、血糖値が高い
一般的な症状
- 疲れやだるさが続く
- 体が重く感じる
- のどが渇きやすくなる
- トイレ(尿)が近い、量が多い
- 食事をしているのに体重が減る
- 視界がぼやける
- 手足のしびれ
- 傷が治りにくい
原因
主な原因
- インスリンというホルモンの働きが悪くなる(または足りなくなる)ことで、糖が血の中にあふれる
- 食べすぎや甘い飲み物のとりすぎで、一度にたくさんの糖が血に入る
- 運動不足によって、筋肉が糖をうまく使えなくなる
- ストレスや睡眠不足で、血糖を上げるホルモンが多くなる
- 甲状腺や副腎(ふくじん)などのホルモンの病気によって、血糖値が上がる
リスク要因
- 家族に糖尿病やメタボリックシンドロームの人がいる
- ふだんの食事に糖質(炭水化物や甘いもの)が多い
- 運動する習慣がない
- 肥満・メタボリックシンドロームと診断されている
- 年齢を重ねている(加齢でインスリンの働きが落ちる)
- ストレスや睡眠不足が続いている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 意識がおかしい、けいれんがある(すぐに119番)
- 強い吐き気やおう吐があり、水分をとれない
- 血糖値が非常に高く、体調が急に悪くなった
定期受診を予約すべき場合:
- のどの渇きやだるさが何日も続く
- 健康診断で血糖値が高いと言われた
- 尿に糖が出ていると言われた
- 疲れやすく、家事や仕事に支障がある
診断
医療機関では、血液検査をして血糖値を調べます。また、尿検査や、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という過去1~2か月の平均の血糖状態を表す検査も行うことがあります。問診で疲れの様子や生活習慣を詳しく聞かれます。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖値(8時間以上何も食べずに測る)
- 随時血糖値(いつ測ってもよい)
- HbA1c(過去の平均的な血糖値)
- 尿糖・尿ケトン体検査
- 甲状腺ホルモン検査(必要に応じて)
診察で予想されること
検査は血液を少量とるだけで、特別な準備はほとんどいりません。結果によって、医師が「糖尿病」「境界型」などの状態を説明し、生活習慣の改善や受診のペースを一緒に考えてくれます。不安なことは遠慮なく質問してください。
治療
治療の基本は、食事・運動・生活リズムを整えることです。それでも血糖値が下がらない場合は、医師の指導のもとで薬を使うこともあります。治療はあなたの生活に合わせて、無理なく続けられるように組み立てられます。
自宅でのセルフケア
- 甘い飲み物や清涼飲料水をひかえ、水やお茶を飲む
- 炭水化物(ごはん・パン・めん類)をとりすぎないようにする
- 野菜やたんぱく質を先に食べるなど、バランスのよい食事を心がける
- 食後に軽いウォーキングなど、10分程度の運動をする
- 睡眠をしっかりとり、ストレスをためない
- 体重を測り、増えすぎないようにする
医療治療
薬が必要な場合は、血糖値を下げる作用のある薬が使われることがあります。薬にはさまざまな種類があり、体質や生活に合わせて医師が選択します。インスリン注射が必要になる場合もありますが、それは医師が必要と判断したときです。市販薬や自己判断での服用は絶対にしないでください。
手術が検討される場合
高血糖と疲れだけで、そのまま手術が必要になることはほとんどありません。ただし、ほかの病気(たとえば甲状腺の腫瘍など)が原因で血糖値が高くなっている場合に、原因の病気の治療として手術を検討することがあります。
この病気と共に生きる
毎日、決まった時間に食事をすること、そして急に血糖値を上げないことが大切です。疲れを感じたときは無理をせず、休息をとることも治療の一部だと考えましょう。血糖自己測定をすすめられた場合は、その記録を医師に見せることで、より自分に合った対応ができます。
生活習慣のアドバイス
- 朝日を浴びて、体内時計を整える
- 毎日同じ時間に起きて、寝る時間もなるべく一定にする
- ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動を継続する
- 禁煙をする(たばこは血糖値を上げやすくします)
- 飲酒は医師と相談し、適量をこえない
食事と運動
食事は1日3食、野菜をたっぷり、糖質は主食としてほどほどに。食べる順番は、野菜→たんぱく質→炭水化物がおすすめです。運動は、食後30分くらいに歩くと血糖値の上昇をおさえやすくなります。1日10分でも続けましょう。
精神的健康と心の健康
疲れやだるさが続くと、気分が落ち込んだり、不安を感じたりすることがあります。それは決してあなたが弱いからではありません。高血糖は心にも影響することがあります。つらいときは医師や家族に気持ちを話すことも大切です。
予防
生活習慣(食事・運動・睡眠・ストレス管理)を整えることで、高血糖の多くは予防したり改善したりできます。特に、体重を減らすことと歩く習慣が効果的です。家族歴がある人は、早めに健康診断を受けましょう。
ワクチン
高血糖の予防に直接関係するワクチンはありませんが、糖尿病の人は感染症にかかると重症化しやすいため、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチンについて、医師に相談するとよいでしょう。
検診プログラム
日本では特定健康診査(メタボ健診)が40歳以上を対象に行われています。血糖値やHbA1cの検査があるので、必ず受けましょう。すでに糖尿病と診断された人も、定期的な血液検査と眼底検査(目の網膜のチェック)で合併症の予防につながります。
合併症
治療しない場合
- 糖尿病性網膜症(めの血管が傷み、視力が低下する)
- 糖尿病性腎症(じん臓の働きが落ち、透析が必要になることがある)
- 糖尿病性神経障害(手足のしびれや感覚の低下)
- 心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化による病気
- 感染症にかかりやすくなる
- 疲労感が続き、生活の質が低下する
長期的な見通し
高血糖とそれにともなう疲れは、正しく向き合えばしっかり改善できます。生活習慣を整え、必要に応じて早く治療を始めるほど、合併症を防ぎ、元気に毎日を過ごせるようになります。あきらめずに、一歩ずつできることから始めましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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