関節の痛み・腫れと発熱
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
関節(骨と骨のつなぎ目)に痛みや腫れがあり、体の熱がある状態をまとめて「関節と発熱」と呼びます。これは、関節の中に細菌が入って起こる感染症(かんせんしょう)や、体の免疫(めんえき、体を守る仕組み)が関節を攻めてしまう炎症(えんしょう、赤く腫れて熱を持つこと)など、さまざまな原因で起こります。発熱をともなう関節の症状は、早めの受診が必要なサインのこともあります。
重要な事実
- 関節の痛み・腫れと発熱が同時にある場合は、緊急の受診が必要になることがあります。
- 原因には細菌感染や炎症性の関節の病気、痛風(つうふう、尿酸の結晶が関節にたまる病気)などがあります。
- 早く治療を始めるほど、関節を傷めずに済む可能性が高くなります。
頻度はそれほど高くありませんが、決して珍しい組み合わせではありません。特に注意が必要なのは、高熱とともに関節が急に腫れて激しく痛む場合で、これは救急対応が必要なこともあります。
年齢を問わず誰にでも起こり得ますが、関節リウマチなど持病がある人、糖尿病(とうにょうびょう、血糖値が高くなる病気)の人、免疫力が弱っている人、高齢者ではリスクが高くなります。
症状
- 高熱とともに関節が急に腫れ、激しい痛みがある
- 意識がぼんやりする、呼びかけに反応しない
- 呼吸が苦しい、胸が痛い
- 全身に赤い発疹(ほっしん)が広がる
- 立っていられない、動けないほどの痛みがある
- ⚠関節が熱を持って腫れ、痛みが続く
- ⚠発熱が続き、関節の痛みが悪化している
- ⚠関節をまったく動かせない
- ⚠けがをした後に関節が腫れて熱がある
- ⚠糖尿病や免疫力が低下する病気の治療中に関節の症状が出た
一般的な症状
- 関節の痛み(動かすと強くなる)
- 関節の腫れ、赤み、触ると熱い
- 関節を動かしにくい、こわばる
- 発熱(38度以上のこともあれば、微熱のこともある)
- だるさ、疲れやすさ、食欲がない
子供の症状
- 機嫌が悪く、泣き続ける
- 触られるのを嫌がる
- 片足をかばって歩かない、ハイハイをしない
- 関節を動かしたがらない
- 熱が高く、ぐったりしている
高齢者の症状
- 痛みを感じにくく、発熱が高くないこともある
- 急に歩けなくなる、動きがにぶくなる
- 関節の腫れや赤みが目立たないこともある
- ぼんやりする、意識がもうろうとする
- 食欲が落ち、元気がなくなる
原因
主な原因
- 細菌やウイルスが関節に入り込む感染症(化膿性関節炎、かのうせいかんせつえんとも呼ばれます)
- 関節リウマチなどの炎症性の関節の病気
- 痛風(尿酸の結晶が関節にたまり炎症を起こす)
- けがや手術の後に細菌が入る
- 結核(けっかく)などの慢性の感染症
リスク要因
- 免疫力が低下している(病気や薬の影響など)
- 糖尿病などを患っている
- 高齢である
- 関節の手術を受けたり、人工関節が入っている
- 静脈注射や薬物の使用(針から細菌が入りやすい)
- 痛風の既往歴がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱とともに関節の腫れや痛みが突然現れたら、すぐに救急外来(きゅうきゅうがいらい)を受診してください。
- 関節が急に動かせなくなったり、強い痛みで歩けない場合も緊急です。
- 糖尿病患者さんや免疫力が弱っている方は、症状が軽くても早めの受診が必要です。
定期受診を予約すべき場合:
- 関節の痛みや腫れが数日続く
- 微熱が続いている
- 朝に関節がこわばる
- 痛みのために日常生活に支障が出る
診断
医師が問診(症状の経過や持病の確認)と診察を行い、必要に応じて検査をして原因を調べます。関節の腫れや熱感、動かせる範囲を確認し、血液検査や画像で炎症の程度を評価します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症の値や白血球の数、細菌の有無を調べます)
- 関節の超音波(エコー)検査(関節の中の水や炎症を確認します)
- 関節液の検査(関節に針を刺して液を採取し、細菌や結晶の有無を調べます)
- X線(レントゲン)検査
- MRI検査(関節の内部の状態を詳しく見る検査です)
診察で予想されること
診察では痛みのある関節を触ったり、動かしたりします。感染が疑われる場合、関節液を採取する検査が行われることがあります。針を刺すときに痛みを感じますが、原因を特定する上でとても大切な検査です。検査結果が出るまで数日かかることもあります。
治療
治療は原因によって異なります。細菌感染が疑われる場合は、できるだけ早く抗菌薬(こうきんやく、細菌を退治する薬)の投与が始まります。炎症性の病気や痛風が原因なら、炎症を抑える薬や尿酸値をコントロールする薬などが使われます。治療の基本は安静と適切な薬物治療です。
自宅でのセルフケア
- 痛みのある関節を無理に動かさず、安静にする
- 腫れや熱感があるときは、冷たいタオルなどで患部を冷やす
- 十分な水分をとる
- 体を温めすぎないようにし、部屋を快適な温度にする
- 医師に相談せずに自己判断で薬を使わない
医療治療
薬による治療は原因に応じて行われます。感染症には抗菌薬が、炎症性の関節疾患には炎症を抑える薬や免疫の働きを調整する薬が使われます。塗り薬、飲み薬、注射、点滴など、症状や重症度に合わせて医師が選びます。治療薬の種類や使用期間は必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
関節の中に膿(うみ)がたまっている場合や、感染が関節の奥まで広がっている場合には、針で膿を抜く処置や、関節を切開して洗浄する手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
治療中は、まず安静が第一です。関節をかばいながらも、医師の許可が出た範囲で少しずつ動かすことで、関節のこわばりを防げます。通院やリハビリの計画を守り、無理をしない生活を心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する(たばこは血流を悪くし、炎症を悪化させることがあります)
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをため込まない
- 定期的に通院し、症状の変化を医師に伝える
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、特にカルシウムやたんぱく質など骨や関節を支える栄養を積極的にとりましょう。運動は、発熱が落ち着いてから、関節に負担の少ないもの(歩く、水中運動など)を医師や理学療法士(りがくりょうほうし、運動の専門家)の指導のもとで始めるのがおすすめです。
精神的健康と心の健康
痛みや発熱が続くと、不安や気分の落ち込みを感じることがあります。これは自然な反応です。一人で抱え込まず、家族や友人、医師に気持ちを話しましょう。必要に応じてカウンセリングなどの支援もあることを知っておいてください。
予防
すべての原因を完全に予防することはできませんが、感染予防や生活習慣の改善でリスクを減らせる場合があります。けがをしたときは早めに処置し、関節の違和感を放置しないことが大切です。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌(はいえんきゅうきん、肺炎を起こす細菌)などのワクチンは、感染症をきっかけにする関節炎の予防に役立つことがあります。日本では定期接種の対象となる年齢もあるため、かかりつけ医に相談してみましょう。
検診プログラム
特に決まった健診はありませんが、関節の痛みや腫れ、発熱が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。持病がある人は、その管理をきちんと続けることが予防につながります。
合併症
治療しない場合
- 関節の軟骨や骨が壊され、関節の変形や機能障害が残る
- 細菌が血液に入り、敗血症(はいけつしょう、全身に感染が広がる重い状態)になる
- 人工関節がある場合、感染が周りに広がり、再手術が必要になる
- 炎症が長引くことで、体の他の臓器にも影響が出る
長期的な見通し
早期に適切な治療を始めれば、多くの場合、関節の機能を保つことができます。原因や重症度によって治療期間は異なりますが、医師と一緒に治療を続け、リハビリにも取り組むことで、回復への希望は十分にあります。たとえ関節に傷みが残っても、痛みを和らげる方法や生活の工夫があります。一人で悩まずに医療者に相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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