腎臓結石と発熱:感染のサインかも
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎臓結石(腎臓の中にできる石のようなもの)があるときに発熱(体温が上がること)があると、石が原因で尿の通り道がふさがれ、そこに細菌が入って感染を起こしている可能性があります。これは緊急の治療が必要な状態です。
重要な事実
- 腎臓結石は尿の中のミネラルが固まってできる石です。
- 結石があると尿の流れが悪くなり、細菌が増えやすくなります。
- 発熱は感染の兆候で、早めの対応が大切です。
- 腎臓結石に発熱が伴う場合は、入院治療が必要なこともあります。
腎臓結石は日本人の約10人に1人が経験するといわれる身近な病気です。ただし、結石に発熱を伴うケースは全体の数%と多くはありませんが、緊急性が高いため注意が必要です。
成人男性に多く見られますが、女性や子ども、高齢者でも起こります。特に、過去に腎臓結石になったことのある人、水分を十分に取らない人、肥満傾向の人などはリスクが高まります。
症状
- 発熱(38度以上)と同時に腰やわき腹の激しい痛みがある
- 寒気がひどく体が震える
- 意識がもうろうとしている、または呼びかけに反応が悪い
- 呼吸が苦しそう
- ショック状態(顔色が青白い、手足が冷たいなど)
- ⚠37度台の発熱が続く、かつ腰やわき腹の痛みがある
- ⚠尿に血が混じっている、または尿の出が悪い
- ⚠吐き気がひどく水分が取れない
- ⚠痛み止めを使っても痛みが治まらない
一般的な症状
- 腰やわき腹の強い痛み(突然始まることが多い)
- 痛みが波のようにやってくる(疝痛)
- 38度以上の発熱
- 寒気や震え
- 吐き気や嘔吐
- 尿の色が濁る、または血が混じる
- 排尿時の痛みや違和感
- 尿の回数が増える、または減る
子供の症状
- 子どもは痛みをうまく伝えられないことがあるため、いつもよりぐずる、泣き止まない、食欲がないなどの変化に注意
- 熱が高く、ぐったりしている
- おなかが痛いと言う、または腰を触らせない
高齢者の症状
- 高齢者は痛みを感じにくいことがあり、発熱や意識のぼんやりだけが症状の場合もある
- いつもと違う言動(混乱、眠気)が見られたら要注意
- 尿の回数や量の変化が見られにくい
原因
主な原因
- 腎臓結石が尿の通り道(尿管)をふさぎ、尿がたまることで細菌が繁殖する
- もともと尿路に感染がある人が結石を持つと悪化しやすい
- 結石そのものに細菌が付着して感染の原因になる
リスク要因
- 水分摂取が少ない(特に夏場や運動後)
- 過去に腎臓結石や尿路感染症を起こしたことがある
- 肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病がある
- 家族に腎臓結石の人がいる
- 動物性たんぱく質や塩分の多い食事を好む
- 尿路の形に異常がある(先天的なものなど)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱と同時に腰やわき腹の強い痛みがある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください
- 痛みがなくても、38度以上の熱と尿の異常(血尿、濁り)がある場合は、当日中に医療機関を受診
定期受診を予約すべき場合:
- 腎臓結石と診断されているが、今は痛みも熱もない場合でも、定期的に検査を受ける
- 尿検査や画像検査で経過を見るため、かかりつけ医や泌尿器科に相談
診断
医師が症状を聞き、身体の診察と検査を組み合わせて診断します。発熱と結石の関係を確かめることが重要です。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(尿中の細菌や血液の有無を調べる)
- 血液検査(炎症の程度や腎臓の機能を確認)
- 腹部超音波(エコー)検査(結石の位置や大きさ、水腎症の有無を調べる)
- CT検査(結石の詳細な位置や尿管の詰まり具合を確認)
診察で予想されること
診察室ではまず症状について詳しく聞かれます。痛みの場所、熱の経過、尿の状態などを伝えてください。超音波やCTなどの検査は痛みを伴いません。必要に応じて尿検査や血液検査のために採尿・採血があります。結果によってはすぐに入院や治療が始まることがあります。
治療
腎臓結石に発熱を伴う場合は、感染症の治療を最優先します。まずは抗生物質の投与(点滴や内服)で感染を抑え、同時に結石による尿の詰まりを解除する処置を行います。
自宅でのセルフケア
- 絶対に自己判断で痛み止めや解熱剤を飲まないでください(症状を隠してしまい、危険を見逃す可能性があります)
- 医師から水分を取るよう指示があれば、こまめに水分補給をする
- 安静を保ち、体を休める
- 処方された薬は指示通りに服用する
医療治療
治療の基本は、点滴による抗生物質の投与と、十分な水分補給です。尿の詰まりが強い場合は、膀胱鏡(ぼうこうきょう)という細いカメラを使って、尿管にステント(細い管)を入れて尿の流れを確保する処置を行います。また、結石が大きい場合は、体外衝撃波や内視鏡を使って石を砕く治療が行われることもあります。具体的な治療法は結石の大きさや位置、感染の程度によって異なりますので、医師とよく相談してください。
手術が検討される場合
緊急の手術が必要になることはまれですが、感染が重く薬が効かない場合や、結石が大きく完全に詰まっている場合には、手術(経皮的腎瘻造設術など)で直接尿を体外に排出することがあります。
この病気と共に生きる
腎臓結石の治療後は、再発を防ぐために生活習慣の見直しが大切です。特に水分をしっかり取ることと、食事のバランスに気をつけましょう。定期的な通院と検査を忘れずに。
生活習慣のアドバイス
- 1日2リットル以上の水分を目安に、こまめに飲む
- 塩分の多い食品(漬物、インスタント食品など)を控える
- 動物性たんぱく質(肉、魚、卵)の取り過ぎに注意
- 結石の種類によっては、ほうれん草やナッツなどのシュウ酸が多い食品を控えることもある(医師の指導に従う)
- 適度な運動を心がけ、肥満を予防する
食事と運動
結石の再発予防には、水分を多く取ることが何より効果的です。食事はバランスよく、特にカルシウムを適度に取ることが逆に結石予防に役立つという報告もあります(骨粗しょう症予防のためにも)。激しい運動で汗をかいた後は、しっかり水分補給をしましょう。
精神的健康と心の健康
急な痛みや発熱はとても不安になるものです。また、再発の心配や食事制限でストレスを感じることもあります。そうした気持ちは自然なことです。一人で抱え込まず、家族や医療スタッフに相談してください。もし気分の落ち込みや強い不安が続くようなら、心のケアも大切です。地域の相談窓口やカウンセリングを利用することも考えましょう。
予防
腎臓結石そのものを完全に予防するのは難しいですが、再発リスクを下げることは可能です。特に十分な水分摂取と塩分・動物性たんぱく質の制限が有効です。結石の成分が分かれば、より具体的な食事療法を医師や管理栄養士と相談できます。
ワクチン
該当なし
検診プログラム
結石を一度経験した人は、定期的に尿検査や画像検査(超音波など)を受けることで、再発の早期発見につながります。特に症状がなくても、年に1回程度の検査をおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 感染が腎臓から血液中に広がる(敗血症)
- 腎臓の機能が低下する(腎障害・腎不全)
- 尿管が完全に詰まって腎臓が腫れる(水腎症)
- 長期間放置すると腎臓に膿(うみ)がたまる(膿腎症)
- 重症化すると命に関わることもある
長期的な見通し
腎臓結石に発熱を伴う感染症は緊急を要しますが、早期に適切な治療を受ければ、ほとんどの方は後遺症なく回復します。再発のリスクはありますが、生活習慣の改善と定期的なフォローアップでうまくコントロールできます。医療の進歩により、治療の選択肢も広がっています。あわてず、しっかり医療機関と連携してください。
サポートを探す
地域の団体
- 一般社団法人 日本泌尿器科学会 ↗ · 日本
- 厚生労働省 腎臓病に関する情報 ↗ · 日本
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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