腎臓結石と吐き気
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎臓結石とは、尿の中のミネラルなどが固まって、腎臓(腰のあたりにある臓器)の中で石のように硬い塊(かたまり)ができる病気です。この石が尿管(腎臓と膀胱をつなぐ管)を移動するときに、強い痛みが走り、その痛みから吐き気や嘔吐(おうと)を伴うことがあります。
重要な事実
- カルシウムやシュウ酸という成分が結晶化して石ができます。
- 石の大きさは砂粒程度から数センチまでさまざまです。
- 多くの場合、石は自然に尿と一緒に出ていきますが、痛みや吐き気がひどい時は治療が必要です。
はい、とてもよく見られる病気です。日本人の約7~11%が一度は腎臓結石を経験すると言われています。特に男性に多いですが、女性でも増えています。
30~50歳代の働き盛りの男性に多く見られますが、女性や子ども、高齢者でも起こることがあります。また、家族に結石の人がいるとリスクが高まります。
症状
- 痛みと同時に38℃以上の発熱がある(腎臓の感染症の可能性があります)
- 悪寒(おかん)や震えが止まらない
- 強い吐き気で水分も取れず、ぐったりしている
- ⚠痛みがとても強く、じっとしていられない
- ⚠吐き気が続いて水分を受けつけない
- ⚠1日以上尿が出ない、または尿の量が極端に少ない
一般的な症状
- わき腹や背中、下腹部に突然起こる強い痛み(疝痛(せんつう)とも呼ばれます)
- 吐き気や嘔吐
- 尿に血が混じる(血尿)
- 尿の回数が多い、または尿が少ない
- 排尿するときに痛みがある
子供の症状
- 幼い子どもは痛みをうまく伝えられないため、ぐずったり、ぐったりすることがあります。
- 原因不明の嘔吐を繰り返すことがあります。
- おねしょ(夜尿)が急に増えることがあります。
高齢者の症状
- 痛みがはっきりせず、ぼんやりした腹部の不快感を訴えることがあります。
- 吐き気や食欲低下が主な症状になることがあります。
- せん妄(意識がもうろうとする状態)を起こすこともあります。
原因
主な原因
- 尿の中のカルシウムやシュウ酸、尿酸などが濃くなりすぎて固まること
- 水分が不足して尿が濃くなること
- 尿路感染症(膀胱炎など)が原因となることもあります
リスク要因
- 水分をあまりとらない
- 塩分の多い食事
- 糖尿病や高血圧
- 痛風(高尿酸血症)
- 家族に結石の人がいる
- 特定の薬の服用(かかりつけ医に相談してください)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 痛みが非常に強く、冷や汗が出る、または立っていられない
- 発熱や悪寒を伴う
- 吐き気がひどく、何も食べたり飲んだりできない
定期受診を予約すべき場合:
- 何度も腎臓結石を繰り返す
- 結石の疑いがあるが症状は軽い
- 尿検査や画像検査で石が見つかったが痛みがない
診断
医師が問診(症状の聞き取り)と身体診察を行い、その後画像検査で結石の有無や大きさ、位置を調べます。
行われる可能性のある検査
- CT検査(コンピューター断層撮影):最新のCTは放射線量が少なく、小さな石も発見できます。
- 超音波(エコー)検査:おなかの上から石を探します。妊娠中でも安全です。
- 尿検査:血尿や感染の有無を調べます。
- 血液検査:腎臓の働きや原因となる病気がないか調べます。
診察で予想されること
診察室では、痛みの場所や程度、吐き気の有無を詳しく聞かれます。画像検査は服を着たまま行えることが多く、痛みはありません。結果はその場で医師から説明されることが多いです。痛みが強い場合は、先に痛み止めの処置をしてから検査をすることもあります。
治療
治療の目標は、痛みや吐き気を和らげることと、石を体外に出すことです。石の大きさや場所、症状の強さによって治療法が異なります。
自宅でのセルフケア
- 水分を十分に飲む(1日2~3リットルを目安に、尿の色が薄くなるくらい)
- 痛みがあるときは無理に動かず安静にする
- 吐き気があるときは少量ずつ水分をとる
- 温かいタオルをお腹や腰にあてると痛みが和らぐことがあります
医療治療
医師は痛みや吐き気を抑える薬を処方することがあります。また、尿管を広げて石が出やすくする薬(アルファ遮断薬)が使われることもあります。これらの薬は医師の指示に従って使用してください。石が大きくても、薬で痛みをコントロールしながら石が自然に出るのを待つこともあります。
手術が検討される場合
次のような場合には手術が検討されます。①石が1センチ以上と大きい、②強い痛みが続く、③腎臓に水がたまる(水腎症)、④感染症を繰り返す。手術には体外衝撃波で石を砕く方法や、内視鏡を使って石を取り出す方法があります。どの方法が適しているかは、担当医が詳しく説明してくれます。
この病気と共に生きる
腎臓結石の痛みは突然起こり、数時間続くことがありますが、ほとんどの場合、石が排出されれば症状は治まります。再発しやすい病気なので、予防を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日1.5~2リットル以上の水を飲む習慣をつける
- 塩分を控える(1日7g未満が目標)
- 動物性たんぱく質(肉・魚・卵)のとりすぎに注意する
- シュウ酸の多い食品(ほうれん草、ナッツ、チョコレートなど)を大量に食べない
- カルシウムは適度にとる(カルシウム不足は逆に結石リスクを高めます)
食事と運動
バランスの良い食事と適度な運動が再発予防に役立ちます。特に水分補給は最も重要で、汗をかいた後や就寝前にもコップ1杯の水を飲むとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
急な激しい痛みはとても不安で怖いものです。吐き気も伴うと「またあの痛みが来るのでは」と心配になることがあります。そうした気持ちは自然なことです。必要なら医師や看護師に相談してください。
予防
はい、十分な水分摂取と食生活の見直しで、約半数の人は結石を予防できると言われています。厚生労働省も「健康のため水を飲もう」と推奨しています。
検診プログラム
定期的な健康診断の尿検査や超音波検査で、小さな石やその兆候が見つかることがあります。結石を経験した人は、年に一度は泌尿器科で検査を受けると安心です。
合併症
治療しない場合
- 腎臓に水がたまる(水腎症)
- 腎臓の働きが低下する
- 尿路感染症を起こして敗血症(全身の重い感染症)になることがある
- 結石が大きくなって尿管を完全にふさぐ
長期的な見通し
適切な治療と予防策をとれば、ほとんどの方は健康な生活を送ることができます。腎臓結石は再発しやすいですが、食生活や水分摂取の習慣を見直すことで再発リスクを大きく減らせます。痛みや吐き気はつらいですが、多くの場合は数日から数週間でおさまります。医療の進歩により、石の治療法も安全で効果的なものが増えています。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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