長引く耳の症状(慢性の耳の病気)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
長引く耳の症状のうち、もっとも多いのが「慢性中耳炎」です。中耳(鼓膜の内側の空間)に炎症が長く続く病気で、耳だれや難聴、耳のつまり感が続きます。この記事では、長引く耳の症状について、原因や治療、自分でできるケアをわかりやすく説明します。
重要な事実
- 慢性中耳炎は、急性中耳炎を繰り返すことで起こりやすい
- 放置すると聴力に影響することがある
- 治療は薬や手術など、進行具合や年齢に合わせて選ばれる
日本では、耳鼻咽喉科を受診する人のなかでも、長引く耳の症状は珍しくありません。特に子どもでは中耳炎が繰り返されることも多く、大人では加齢や感染がきっかけになることもあります。
子どもから大人まで幅広い年代で見られますが、とくに小さな子ども(耳管が短く太いため)や、風邪や副鼻腔炎を繰り返す人、アレルギー性鼻炎のある人に多く見られます。
症状
- 突然強い耳の痛みやめまい、吐き気がある
- 耳の周りが赤く腫れて激しい痛みがある。顔が動かしにくい
- 耳から血やうみが大量に出る
- ⚠耳の症状が数日で悪化している
- ⚠発熱を伴う耳の痛み
- ⚠聞こえにくさが急に進行した
一般的な症状
- 耳のつまり感・違和感が続く
- 耳だれ(うみ)が出ることがある
- 聞こえにくい・耳鳴りがする
- 耳の痛みがぶり返す
子供の症状
- 言葉の発達が遅れているように感じる(聞こえにくさが原因)
- テレビの音を大きくする
- 呼んでも振り向かない
- 機嫌が悪い・耳を触る
高齢者の症状
- 聞こえにくさが目立つ(特に静かな場所での会話)
- 耳の中が詰まった感じが長く続く
- めまいやふらつきを伴うことがある
- 耳だれやかさぶたが繰り返す
原因
主な原因
- 急性中耳炎が完全に治らないまま繰り返す
- 風邪や副鼻腔炎によって耳管(鼻と中耳を結ぶ管)の働きが悪くなる
- 鼓膜に穴があいたまま治らない(真珠腫性中耳炎など)
- 免疫力が低下したときの感染
リスク要因
- 乳幼児(耳管が短い)
- タバコの煙を吸う環境(受動喫煙)
- 慢性のアレルギー性鼻炎・副鼻腔炎
- 水泳や高圧環境での耳への影響
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に耳の痛みが強くなった
- 耳だれが止まらない、悪臭がある
- 耳の周りや首の腫れがある
- 急性のめまいがする
定期受診を予約すべき場合:
- 耳のつまりや聞こえにくさが2週間以上続く
- 耳だれやかゆみがときどきある
- 子どもの反応が鈍いと感じる
診断
医療機関では、まず耳の診察(耳鏡や内視鏡)で外耳道や鼓膜の様子を調べます。必要に応じて聴力検査や鼓膜の動きの検査も行います。
行われる可能性のある検査
- 聴力検査(オージオグラム)
- 鼓膜の動きを調べる検査(ティンパノメトリ)
- 画像検査(CTなど)で中耳の状態を見る
診察で予想されること
診察は痛みを伴うことはほとんどありません。鼓膜の奥の状態を確認するために、空気圧をかける検査では「耳がツンとする」感じがある程度です。検査結果はその日のうちに大まかに説明されることが多いです。
治療
長引く耳の症状の治療は、炎症を抑え、感染をコントロールし、聞こえを守ることを目的に行います。急性期の悪化を繰り返さないよう、医師の指示に従うことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 耳掃除をやりすぎない(耳かきの使用は控えめに)
- 鼻づまりがある場合は、鼻をかみすぎないようにして蒸気を吸うなどの方法で楽にする
- 水泳やシャワーで耳に水が入りすぎないよう気をつける
- 十分な睡眠と栄養で体調を整える
医療治療
医療機関では、炎症を抑える薬(抗炎症薬や抗菌薬)が処方されることがあります。ただし、薬の種類や使用期間は症状や年齢によって異なるため、医師の指示を守ってください。点耳薬や、鼻の炎症を和らげる薬が使われることもあります。長期間改善しない場合は、手術が検討されることもあります。
手術が検討される場合
鼓膜の穴や中耳の病変が残っている場合、手術(鼓膜形成術など)を行うことがあります。難聴が続く場合は、必要に応じて補聴器の検討もあります。
この病気と共に生きる
日常で気をつけるのは、耳を乾燥した清潔な状態に保つことです。耳だれが気になるときは、清潔なガーゼで拭き取る程度にしましょう。聞こえにくさがある場合は、ストレスをためずに、聞き返すことや補聴器の検討も視野に入れてください。
生活習慣のアドバイス
- 喫煙を避ける(家庭内の禁煙も)
- 風邪やインフルエンザなど感染症を予防する(手洗い・うがい)
- 寝るときに患側を下にしない工夫をする
- 定期的に耳鼻咽喉科を受診して状態を確認する
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスのよい食事を心がけ、適度な運動で免疫力を保ちましょう。ただし、めまいがある場合は運動を控え、医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
長引く耳の症状は、睡眠や集中力に影響し、気分が落ち込むこともあります。聞こえにくさによるコミュニケーションの困難さは、孤立感につながることもあります。そんなときは、一人で抱え込まず、医師や家族、地域の相談窓口を頼ってください。
予防
すべての長引く耳の症状を予防することは難しいですが、急性中耳炎をきちんと治療することや、風邪やインフルエンザ、肺炎球菌による感染を予防することが、慢性化を防ぐ上で大切です。
ワクチン
日本では、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンなどが、中耳炎の原因となる感染症の予防に役立つことがあります。予防接種については、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
特に子どもでは、定期的な健診で聴力の確認が行われます。気になる聞こえにくさがあれば、早期に耳鼻咽喉科で評価を受けることが勧められます。
合併症
治療しない場合
- 難聴(聞こえの低下)が進行する
- 内耳に炎症が広がり、めまいや耳鳴りが起こる
- 感染が頭蓋骨内に広がる(まれに髄膜炎など、重い合併症)
- 鼓膜の穴が残り、水が入ると感染を繰り返す
長期的な見通し
長引く耳の症状は、適切な治療を受けずにいると進行することがありますが、多くの場合、薬や手術、生活上の工夫で症状は改善します。特に子どもでは早期の対応が発達にとって大切です。つらい症状を我慢せずに、医療機関に相談することが何よりの近道です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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