腎炎と吐き気について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎炎(じんえん)とは、腎臓(じんぞう)に炎症(えんしょう)が起きる病気です。腎臓は血液をろ過して不要なものや余分な水分を尿として体の外に出すはたらきをしています。炎症が起きるとこのはたらきが悪くなり、体に老廃物(ろうはいぶつ)がたまって吐き気(はきけ)やむかつきが起こることがあります。
重要な事実
- 腎炎は腎臓の小さなフィルター(糸球体(しきゅうたい))が炎症を起こす病気です。
- 吐き気は腎臓の機能が低下したサインであることがあります。
- 早期に発見して治療すれば、腎臓の機能を保てることが多いです。
- 急性(きゅうせい)と慢性(まんせい)の2つのタイプがあります。
腎炎は決して珍しい病気ではありません。特にIgA腎症(アイジーエーじんしょう)というタイプの腎炎は、日本人に多いことが知られています。吐き気をともなう場合は、病気が進行している可能性もあるので注意が必要です。
腎炎は子どもからお年寄りまで、どの年齢でも起こる可能性があります。ただし、20〜30代の若い人や、すでに高血圧・糖尿病などの持病がある人はリスクが高まります。
症状
- 急に息苦しくなる、呼吸がしにくい
- けいれん(ひきつけ)が起きる
- まったく尿が出なくなる(6時間以上)
- 意識がぼんやりする、呼びかけに反応しない
- ⚠吐き気がひどくて水分もとれない
- ⚠むくみが急に悪化した
- ⚠尿に血が混じっている
- ⚠発熱と腰の痛みがある
一般的な症状
- 吐き気やむかつき、時には嘔吐(おうと)
- 疲れやすさ、だるさ
- 顔や手足のむくみ(特に朝)
- 尿の量が減る、または尿の色が赤い(血尿)
- 尿が泡立つ(たんぱく尿)
- 腰や背中の痛み
子供の症状
- 食欲がない、元気がない
- 顔のむくみ(特に朝起きたとき)
- 尿の色がコーラ色や赤茶色になる
高齢者の症状
- 吐き気や食欲不振が続く
- いつもよりぼんやりする、混乱しやすい
- むくみや体重増加
原因
主な原因
- 免疫の異常(自分の体を攻撃してしまう)— 例:IgA腎症
- 感染症(のどや皮膚の細菌感染がきっかけになることがある)
- 特定の薬や毒物による影響
- 血管の炎症(血管炎)や他の病気にともなう場合
リスク要因
- 家族に腎臓病の人がいる
- 高血圧や糖尿病がある
- 繰り返すのどの感染症(溶連菌感染など)
- 長期間の鎮痛剤(ちんつうざい)の使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 吐き気がひどくて食事や水分がまったく取れない
- 尿の量が急に減った、またはまったく出ない
- 息苦しさやけいれんがある
- 意識がもうろうとする
定期受診を予約すべき場合:
- 吐き気やむくみが数日続く
- 尿の色や泡立ちが気になる
- 疲れやすくて体調がすぐれない
- 血圧が高いと言われたことがある
診断
医師が問診と診察を行い、必要に応じて検査をして診断します。吐き気の原因が腎臓にあるかどうかを調べるために、尿や血液の検査が重要です。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(たんぱく尿や血尿の有無を調べる)
- 血液検査(腎機能(クレアチニンや尿素窒素)や炎症の程度を調べる)
- 超音波(エコー)検査(腎臓の大きさや形をみる)
- 腎生検(じんせいけん)(腎臓の組織を少し取って詳しく調べる)
診察で予想されること
診察では、症状や持病の有無、最近の感染症や薬の使用について聞かれます。検査は痛みをともなわないものが多く、腎生検は入院が必要な場合もあります。結果が出るまで数日から1週間ほどかかることがあります。
治療
治療の目標は、炎症を抑え、腎臓の機能を守り、吐き気などの症状を和らげることです。原因や重症度によって治療法は異なります。必ず医師の指示に従ってください。
自宅でのセルフケア
- 安静にして体を休める
- 水分は医師の指示に従って適切にとる(過剰な水分は負担になることもある)
- 塩分を控える(むくみや高血圧を予防するため)
- 医師に相談せずに市販の吐き気止めや鎮痛剤を使わない
医療治療
治療には、血圧を下げる薬(腎臓を保護する目的)、炎症を抑える薬(ステロイドなど)、免疫の働きを調整する薬などが使われます。吐き気に対しては、医師が適切な制吐剤(せいとざい)を処方することがあります。重症の場合には、血液透析(とうせき)という人工的に血液をろ過する治療が必要になることもあります。
手術が検討される場合
腎生検のための小手術以外に、手術が必要になることはほとんどありません。ただし、腎不全が進んで透析を長期間行う場合、シャント(血管をつなぐ手術)を行うことがあります。
この病気と共に生きる
腎炎と診断されたら、定期的に通院して経過をみることが大切です。吐き気があるときは、無理に食べず、消化のよいものを少しずつとるようにしましょう。体重や血圧、尿の状態をこまめにチェックすることも役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 医師の指示に従って定期的に受診する
- 毎日決まった時間に血圧を測る
- むくみや尿の変化に注意する
- 十分な睡眠と休息をとる
- ストレスをためすぎないようにする
食事と運動
食事は、塩分を控えめにし、たんぱく質やカリウムの摂取量を医師や管理栄養士と相談して調整します。激しい運動は避け、軽いウォーキングなど医師が許可した範囲で体を動かしましょう。
精神的健康と心の健康
慢性的な病気と向き合うことは不安やストレスを感じるかもしれません。吐き気が続くと気分が落ち込むこともあります。そんなときは、ひとりで抱え込まずに家族や医療スタッフに相談しましょう。
予防
すべての腎炎を予防することはできませんが、のどの感染症をきちんと治療する、高血圧や糖尿病をコントロールする、薬をむやみに使わないことでリスクを減らせる場合があります。
ワクチン
インフルエンザや肺炎のワクチンは、感染症による腎炎の悪化を防ぐために勧められることがあります。かかりつけ医と相談してください。
検診プログラム
健康診断の尿検査で腎臓の異常を早期に見つけることができます。年に1回は尿検査を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 慢性腎臓病(腎機能が徐々に低下する)
- 腎不全(透析や腎移植が必要になることも)
- 高血圧やむくみの悪化
- 電解質(でんかいしつ)のバランスが崩れる(不整脈など)
長期的な見通し
腎炎は適切な治療と生活管理を行うことで、多くの場合、症状をコントロールし、腎機能を長く保つことができます。吐き気などの症状も治療とともに改善することが期待できます。焦らず、医師と一緒に治療を続けることが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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