横になると悪化する骨粗鬆症(こつそしょう症)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨粗鬆症(こつそしょう症)は、骨の中がスカスカになって、骨がもろくなり、折れやすくなる病気です。普通は、横になると悪化するという特徴はありません。しかし、背中や腰の痛みが「横になると強くなる」「寝返りで痛む」という場合は、骨粗鬆症が原因で背骨(せぼね)がつぶれた「圧迫骨折(あっぱくこっせつ)」が起きている可能性があります。この記事では、骨粗鬆症と、横になると痛みが強くなる場合の注意点について、わかりやすく説明します。
重要な事実
- 骨粗鬆症は、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。
- 骨折の中でも、背骨(せぼね)の圧迫骨折は、横になると痛みが強くなることがあります。
- 骨粗鬆症は、痛みなどの症状がなく静かに進むため、気づかないうちに骨が弱くなります。
骨粗鬆症は、日本では高齢者を中心に非常に多い病気です。特に閉経後の女性に多く見られます。しかし、「横になると悪化する」という症状は骨粗鬆症の典型的な症状ではなく、背骨の骨折や他の病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。
主に閉経後の女性と高齢の男性に多く見られます。若い人でも、ステロイド薬を長く使っていたり、栄養が偏っていたりすると、骨粗鬆症になることがあります。
症状
- 突然、強い背中の痛みが起きた
- 足に力が入らない、しびれがある
- 尿や便が出ない、または漏れてしまう(おしっこやうんちのコントロールができない)
- ⚠横になっても痛みが続く
- ⚠痛みがだんだん強くなっている
- ⚠痛みで眠れない
- ⚠背中や腰を打った後に痛みが出た
一般的な症状
- 背中の痛み(特に物を持ち上げた時や、中腰の時に強い)
- 身長が縮む
- 背中が丸くなる(円背)
- 腰が曲がる
- 背骨や手首、太ももの付け根が折れやすい
子供の症状
- 小児の骨粗鬆症は非常にまれです。
- 病気や薬の影響で起こる場合は、背中や腰の痛み、身長の伸び悩みなどが見られることがあります。
高齢者の症状
- 背中や腰の痛みが続く
- 寝返りを打つと背中が痛む
- 床から立ち上がるのがつらい
- 背中が丸くなって身長が縮む
- ちょっとした段差で転んで骨折しやすくなる
原因
主な原因
- 骨の新陳代謝(古い骨を壊して新しい骨を作る働き)のバランスが崩れる
- 加齢によって骨を作る力が弱くなる
- 女性ホルモン(エストロゲン)の減少(閉経)
- カルシウムやビタミンD不足
- 運動不足
リスク要因
- 閉経後である
- 高齢である
- 家族に骨粗鬆症の人がいる
- やせている
- 喫煙や飲酒の習慣がある
- ステロイド薬など特定の薬を長期間使っている
- 日光を浴びる時間が少ない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 横になると痛みが強くなり、寝返りもつらい
- 足のしびれや力が入らないといった神経の症状がある
- 突然の強い背中の痛みがある
定期受診を予約すべき場合:
- 閉経後の女性は一度骨密度検査(骨の強さを調べる検査)を受ける
- 背中や腰の慢性的な痛みがある
- 身長が2cm以上縮んだ
- 背中が丸くなってきたと感じる
診断
病院では、医師があなたの症状や体の状態を診察し、骨の強さを調べる検査やレントゲン検査などを組み合わせて診断します。
行われる可能性のある検査
- 骨密度検査(DEXA法)…骨の強さを測る検査です。腰と太ももの骨などで調べます。
- レントゲン検査…背骨のつぶれや骨折がないか確認します。
- 血液検査…骨の代謝の状態や、カルシウム、ビタミンDが足りているかを調べます。
- CT・MRI検査…痛みの原因が骨か、神経や他の臓器かを詳しく調べることがあります。
診察で予想されること
診察室では、背中や腰の痛みの場所、強さ、いつから始まったか、横になるとどうなるかなどを質問されます。骨密度検査は床に横になって受ける検査で、痛みはありません。結果が出るまで数日かかることもありますが、無理な体勢を強いられることはないので安心してください。
治療
骨粗鬆症の治療は、骨の強さを保って骨折を防ぐことが目的です。もし背骨の骨折が原因で横になると痛む場合は、まずは痛みを和らげ、骨がつくのを助ける治療を行います。治療には薬を使ったり、生活習慣を整えたりする方法があります。
自宅でのセルフケア
- 痛みがあるときは無理に動かず、お医者さんの指示に従って安静にしましょう。
- 寝るときは、硬すぎないマットレスを選び、膝を曲げて寝ると背中の負担が減ることがあります。
- 寝返りをするときは、腰をねじらないように、体全体をゆっくり動かしましょう。
- 重い物を持ち上げたり、前かがみで長時間作業したりするのは避けます。
医療治療
骨粗鬆症の治療では、骨の吸収(骨を壊す働き)を抑えたり、骨の形成(骨を作る働き)を助けたりする薬が使われます。薬の種類や使い方は、年齢や骨の状態、骨折のリスクによって医師が決めます。注射や点滴で使う薬もあります。また、痛みが強い場合は、痛み止めの薬を使うこともありますが、すべて医師の処方に従って使うことが大切です。骨を強くするために、カルシウムやビタミンDのサプリメントが勧められることもありますが、必ず医師または薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
背骨の圧迫骨折で、強い痛みが続いたり、骨が神経を圧迫していたりする場合は、手術を行うことがあります。新しい骨の一部に特殊なセメントを注入して骨を固める方法や、骨折した骨を固定する方法があります。手術が適応になるかどうかは、医師が詳しく調べて判断します。
この病気と共に生きる
骨粗鬆症と診断されたら、毎日の生活の中で骨に負担をかけすぎない動き方を工夫しましょう。床に落ちている物を拾うときは、しゃがんで拾うようにし、背中を丸めないようにします。重い荷物は持たず、カートを使うなど体に優しい方法を選びましょう。転倒しないように、家の中の段差をなくしたり、滑りにくい靴を履いたりすることも大切です。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙をしましょう。
- お酒はほどほどにしましょう。
- 日向ぼっこなどで、皮膚からビタミンDを作りましょう(夏は短時間、冬は30分程度)。
- 毎日続けられる運動(ウォーキングや、太極拳など)を取り入れましょう。
- 睡眠を十分にとり、疲れをためないようにしましょう。
- 家の中に手すりをつけるなど、転倒予防の工夫をしましょう。
食事と運動
骨の健康に欠かせない栄養素は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、たんぱく質です。牛乳や乳製品、小魚、緑黄色野菜、大豆製品などに多く含まれます。また、運動は骨に適度な刺激を与えて骨を強くします。ただし、痛みがあるときは無理をせず、医師の指導のもとで行いましょう。ウォーキングや、片足立ち、かかとを上げ下げする運動などが骨に良いとされています。
精神的健康と心の健康
骨粗鬆症は、骨折のリスクが高まるため、不安や心配を感じることがあるかもしれません。また、痛みが続くと気分が落ち込んだり、眠れなくなったりすることもあります。そんな時は、ひとりで抱え込まず、家族や友人、医師に気持ちを話しましょう。不安が強い場合は、心の専門家に相談することも一つの方法です。
予防
骨粗鬆症は、若いうちから骨を強くしておくことで、発症を予防したり、進行を遅らせたりすることができます。ふだんの食事でカルシウムやビタミンDをしっかりとり、適度な運動を続け、禁煙することで骨の健康を保てます。すでに骨粗鬆症になっても、治療と生活改善によって骨折を防ぐことができます。
検診プログラム
日本では、高齢者の骨折を防ぐために、骨密度検査が広く行われています。特に閉経後の女性や、骨粗鬆症のリスクがある人は、自治体の健診や病院で骨密度を測ることをおすすめします。厚生労働省も、骨粗鬆症の予防と早期発見のために健診の重要性を伝えています。
合併症
治療しない場合
- 背骨の圧迫骨折が繰り返し起こり、背中が曲がって身長が低くなる。
- 太ももの付け根(大腿骨)の骨折が起こりやすくなる。歩けなくなることがある。
- 手首や上腕の骨が折れやすくなる。
- 骨折後に寝たきりになるリスクが高まる。
長期的な見通し
骨粗鬆症は、一度なってしまっても、適切な治療と生活の工夫で、骨折のリスクを大きく減らすことができます。横になると痛む場合も、原因をきちんと調べて治療すれば、多くの場合、痛みは和らぎます。あきらめずに、医師と一緒に自分に合った方法を続けることが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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