発熱を伴う前立腺の炎症(前立腺炎)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱のすぐ下にあります。前立腺に細菌が入り込んで炎症を起こすことを「前立腺炎」と呼びます。発熱を伴う場合は、急性の細菌性前立腺炎であることが多く、早めの治療が必要です。
重要な事実
- この病気の多くは細菌感染が原因です
- 適切な治療でほとんどの方は回復します
- 治療をしないと症状が悪化したり、重い合併症を起こすことがあります
前立腺炎は男性の約10~15%が一生に一度は経験するといわれていますが、発熱を伴う急性のものは比較的まれです。
主に30~50歳の男性に多く見られますが、どの年齢の男性でもかかる可能性があります。
症状
- 39度以上の高熱で震えがある
- 尿がまったく出ない(急性尿閉)
- 強い痛みで動けない
- 意識がもうろうとしている
- ⚠発熱があり、排尿時の痛みや頻尿がある
- ⚠排尿が苦しく、残尿感が強い
- ⚠腰や下腹部に持続する痛みがある
一般的な症状
- 38度以上の発熱と悪寒(おかん)
- 頻尿(トイレが近い)
- 排尿時の痛みや焼けつく感じ
- 尿が出にくい、または出ない
- 背中やお腹の下のほうの痛み
- 全身のだるさ
子供の症状
- 小児では極めてまれですが、発熱や排尿時の痛み、だるさが見られることがあります
高齢者の症状
- 高齢者では発熱だけでなく、意識がぼんやりする、元気がないといった症状が出ることがあります
原因
主な原因
- 腸や尿路にいる細菌が前立腺に入り込んで感染する
- 膀胱炎や尿道炎が原因となることもある
- 血液を介して他の感染症から広がる場合もある
リスク要因
- 前立腺肥大症(前立腺が大きくなる病気)
- 尿道カテーテル(尿を出す管)の使用
- 過去の尿路感染症
- 性感染症の既往
- 免疫力が低下している(糖尿病など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱と排尿痛がある
- 尿がまったく出ない
- 強い痛みがある
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い排尿の違和感や頻尿が続く
診断
医師が症状を聞き、身体の診察(前立腺の触診を含む)や尿検査、血液検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(細菌や白血球の有無)
- 血液検査(炎症の程度や細菌の確認)
- 必要に応じて前立腺の超音波検査
診察で予想されること
診察では、医師が肛門から指を入れて前立腺の状態を調べる「直腸診(ちょくちょうしん)」を行うことがあります。少し違和感はありますが、痛みはほとんどなく、数分で終わります。結果が出るまでに数日かかることもありますが、治療は検査結果を待たずに始められることが多いです。
治療
治療の中心は、細菌をやっつける薬(抗菌薬)と、安静や水分補給などの体を休めるケアです。
自宅でのセルフケア
- 安静にして、十分な睡眠をとる
- 水分を多めに飲む(尿の通りをよくするため)
- カフェインやアルコールは控える
- 入浴で体を温めると楽になることがある
医療治療
医師は原因となっている細菌に効果的な抗菌薬を処方します。通常は服用薬で治療しますが、症状が重い場合は点滴が必要になることもあります。解熱鎮痛薬(痛みや熱を抑える薬)が併用されることもあります。
手術が検討される場合
ごくまれに、前立腺に膿(うみ)がたまる「膿瘍(のうよう)」ができた場合、手術で排膿することがあります。ただし、ほとんどの場合は薬で治ります。
この病気と共に生きる
治療中は、医師から指示された抗菌薬を決められた期間、必ず最後まで飲み続けることが大切です。自己判断で途中でやめると再発や耐性菌の原因になります。
生活習慣のアドバイス
- 無理をせず、仕事や家事は休む
- 長時間の座り仕事は避け、こまめに立ち上がる
- 排尿を我慢しない
- 便秘を防ぐ(食物繊維を多くとる)
食事と運動
バランスの良い食事をとり、辛いものや刺激の強い食べ物は控えめにしましょう。運動は、症状が落ち着いてからウォーキングなどの軽いものから再開してください。
精神的健康と心の健康
痛みや頻尿、再発への不安からストレスを感じることがあります。気分が落ち込んだり、眠れない日が続くようであれば、医師に相談してください。
予防
完全に防ぐことはできませんが、リスクを下げることは可能です。
合併症
治療しない場合
- 敗血症(血液中に細菌が入り、全身に広がる重い感染症)
- 前立腺膿瘍(うみのたまり)
- 慢性前立腺炎(症状が長引く)
- 尿閉(尿が出せなくなる)
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、ほとんどの方は数週間で完全に回復します。治療が遅れたり、根本的な原因がある場合は再発することもありますが、医師と一緒に管理することで日常生活に大きな影響を与えずに過ごせます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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