運動後に起こる副鼻腔炎(副鼻腔感染症)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは、鼻の周りにある骨の空洞・副鼻腔の内側の粘膜が炎症を起こす病気です。多くの場合、ウイルスや細菌が感染して起こります。運動後に鼻の通り道がふさがれると、副鼻腔の中に膿や鼻水がたまりやすくなり、感染が起こりやすくなります。
重要な事実
- 副鼻腔炎は、かぜなどの上気道感染に続いて起こることが多い病気です。
- 運動後に鼻がつまると、副鼻腔の空気の通りが悪くなり感染しやすくなります。
- 多くの場合、自然に良くなりますが、長引く場合は受診が必要です。
とても多い病気です。かぜをひいた人のうち数パーセントに副鼻腔炎が起こるとされています。運動との直接の関係は人によって異なりますが、鼻の働きが弱っているときに発症しやすくなります。
子どもから大人まで誰にでも起こります。特に、アレルギー性鼻炎やかぜをひきやすい人、運動中に口呼吸が多くなる人、鼻の形や副鼻腔の通りに問題がある人は、副鼻腔炎になりやすいと考えられています。
症状
- 急に激しい頭痛や吐き気がする
- 首が硬くて曲げにくい、強い首の痛みがある
- 意識がもうろうとする、けいれんがある
- 目のまわりが急にはれ上がる、物が二重に見える、視力が落ちる
- 高熱とひどい頭痛が続く
- このような症状がある場合は、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。
- ⚠強い顔の痛みや頭痛が続く
- ⚠熱が39度以上あり、ぐったりする
- ⚠鼻水や鼻づまりが10日以上続いている
- ⚠症状が一度良くなったのに、急に悪くなる
- ⚠市販の鼻づまり薬を使っても改善しない
- ⚠これらの場合は、当日中に早めに医療機関を受診しましょう。
一般的な症状
- 鼻づまりや鼻水(黄色や緑色を帯びることがある)
- 顔や目のまわり、額のあたりの重苦しい痛み
- 嗅覚(においを感じる力)がにぶる
- せきやのどの痛み
- 微熱やだるさ
子供の症状
- 鼻づまりが長く続く
- せきが続く(特に夜間)
- 機嫌が悪い、疲れやすい
- まれに目やにや目のまわりのはれが出る
高齢者の症状
- 発熱や痛みをあまり感じず、だるさや意識のぼんやりが見られることがある
- せきや痰(たん)が長引く
- 食欲が落ちる
- 鼻水が出ないのに頬の痛みを訴えることもある
原因
主な原因
- かぜやインフルエンザなどのウイルス感染が副鼻腔にまで広がる
- 運動中に鼻を強くかむ、水泳で水が鼻に入るなどにより細菌が副鼻腔に入る
- アレルギー性鼻炎で鼻の粘膜がはれると副鼻腔の出口がふさがれる
- 歯の根元の感染が副鼻腔に広がることもある
リスク要因
- アレルギー性鼻炎や花粉症がある
- かぜをひきやすい、免疫力が低下している
- 運動中に鼻呼吸がしにくい(鼻中隔弯曲(びちゅうかくわんきょく)など)
- 水泳をよくする(特にプールの水に塩素が含まれる)
- 喫煙や受動喫煙
- 疲労やストレスが続いている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 顔の痛みや頭痛が強く、日常生活に支障がある
- 高熱が出ている
- 目のまわりがはれる、視力の変化がある
- 意識がぼんやりする
定期受診を予約すべき場合:
- 鼻水や鼻づまりが10日以上続く
- 症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す
- 頭痛や顔の痛みが週に何度も起こる
- 薬を使っても症状が改善しない
診断
医師(できれば耳鼻咽喉科専門医)が、鼻の内部を観察する内視鏡検査で副鼻腔の入り口の状態を調べたり、顔を押して痛みがないか確認したりすることで診断します。問診では、運動との関係や症状の経過を詳しく聞かれます。
行われる可能性のある検査
- 鼻の内視鏡検査(細いカメラで鼻の中をみる)
- X線(レントゲン)検査やCT検査(必要に応じて)
- アレルギー性鼻炎がある場合はアレルギー検査
診察で予想されること
診察では、症状の始まりや運動との関連、痛みの場所などを聞かれます。内視鏡検査は少し違和感がありますが、短時間で終わります。画像検査が必要な場合は、副鼻腔の奥の状態まで確認できます。
治療
副鼻腔炎の治療は、炎症をやわらげて副鼻腔の通りを良くし、感染をきれいに取り除くことを目的とします。多くの場合、自宅でのケアと医師の治療を組み合わせます。原因がウイルスなら自然に良くなりますが、細菌感染が疑われる場合は医師の判断で薬が使われます。
自宅でのセルフケア
- 水分を十分に取り、部屋の湿度を保つ(加湿器や濡れタオルを使う)
- 温かい蒸しタオルを鼻の付け根や頬に当てる
- 鼻を強くかみすぎず、片方ずつやさしくかむ
- 生理食塩水(しお水)での鼻洗浄は安全な方法としてよく行われます(やり方は薬剤師や医師に相談してください)
- 頭を少し高くして休むと鼻が通りやすいことがあります
- 激しい運動は避け、安静を心がける
医療治療
医師は、炎症を抑えるお薬や抗生物質など、症状や原因に合わせた薬を処方することがあります。ステロイドの点鼻薬が使われることもあります。これらの薬は必ず医師の指示どおりに使ってください。自己判断で市販薬を長く使い続けるのは避けましょう。
手術が検討される場合
副鼻腔炎が慢性化し、薬での治療が効果を示さない場合や、副鼻腔の出口が構造的にふさがっている場合には、手術が検討されることがあります。手術は一般的に内視鏡で行う、からだへの負担が比較的少ない方法です。
この病気と共に生きる
副鼻腔炎を繰り返す人は、鼻を清潔に保ち、通りを良くすることを心がけましょう。運動後は、鼻を温める、シャワーで蒸気をあびるなどのケアをすると症状をやわらげられます。症状がつらいときは無理をせず、体を休めることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事と十分な睡眠を心がける
- 運動は、鼻呼吸がしやすいウォーキングや軽いジョギングなどから始める
- 激しい運動や水泳は症状があるときは控える
- 禁煙する、たばこの煙を避ける
- アレルギーがある場合は、医師のアドバイスに従って対策する
食事と運動
食事は、炎症を悪化させないよう、果物や野菜をしっかり取り、栄養バランスを整えましょう。運動は、症状が落ち着いているときは血行を良くするのでおすすめです。ただし、鼻がつまっているときや痛みがあるときに無理に運動すると、症状が悪化することがあります。運動後は鼻を温めるなどのケアをしましょう。
精神的健康と心の健康
頭痛や鼻づまりが長く続くと、集中力が低下したりイライラしたり、気分が落ち込むこともあります。つらい症状が続くと心の負担になるのは自然なことです。一人で悩まず、医療機関に相談しましょう。
予防
すべての副鼻腔炎を予防することは難しいですが、かぜやインフルエンザを予防することで、副鼻腔炎になるリスクを減らせます。手洗い・うがい・十分な睡眠・バランスの良い食事を心がけましょう。運動後は体を冷やさず、鼻の通りを良くすることも役立ちます。
ワクチン
インフルエンザなどの予防接種は、かぜやインフルエンザにかかるリスクを減らし、副鼻腔炎の引き金となる感染症を予防するのに役立ちます。肺炎球菌ワクチンなどについても、医師に相談すると良いでしょう。
検診プログラム
特別な検診はありませんが、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎の症状が繰り返す場合は、早めに受診し、日常的に管理することが大切です。
合併症
治療しない場合
- 症状が長引き、慢性副鼻腔炎になることがある
- まれに、副鼻腔の周りに炎症が広がり、目の奥や脳に感染が及ぶことがある
- 嗅覚の障害が残ることがある
- 海綿静脈洞血栓症(かいめんじょうみゃくどうけっせんしょう)という重い合併症は極めてまれですが、命に関わることがあります
長期的な見通し
多くの副鼻腔炎は、適切なケアと治療で良くなる病気です。運動後に症状が出る場合も、原因に対応した治療を受ければ改善します。放置せず早めに対処することが、長引かせないための一番のポイントです。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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