副鼻腔炎(ふくびくうえん)と発熱 ー 知っておきたい基礎知識
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副鼻腔炎とは、鼻のまわりにある骨の中のすき間(副鼻腔)の粘膜が炎症を起こす病気です。副鼻腔は空気で満たされた小さな空洞で、鼻の通り道につながっています。多くの場合、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染がきっかけで起こります。副鼻腔の内側が腫れて炎症が起こると、鼻水がたまり、顔の痛みや圧迫感、発熱などが現れることがあります。
重要な事実
- 多くはウイルスが原因で、自然に治ることがほとんどです。
- 発熱は、体が感染と戦っている証拠のひとつです。必ずしも重症というわけではありません。
- 細菌が原因の場合は、医師の判断で抗生物質が使われることがあります(ただし、必ず必要なわけではありません)。
- 副鼻腔炎は、万が一悪化すると目の周りや脳の近くにまで影響が及ぶことがあるため、注意が必要です。
とてもありふれた病気です。厚生労働省の情報によると、風邪をひいた人の一部に副鼻腔炎が続くことがあります。特に鼻づまりや鼻水が続く季節に多く見られます。
どの年齢でも起こりますが、小さなお子さんや、アレルギー性鼻炎のある人、タバコの煙を吸う環境にいる人などで起こりやすいという傾向があります。
症状
- 38度以上の高熱が続く
- 強い頭痛や首のこり(首が曲がりにくい)
- 意識がぼんやりする・呼びかけに反応しにくい
- まぶたや目の周りが赤く腫れ上がる・目が動かしにくい
- 呼吸が苦しい・息をしづらい
- いずれかに心当たりがある場合は、ためらわずに119番(救急)に連絡してください。
- ⚠熱が3〜4日以上続く、または新たに出てきた
- ⚠夜も眠れないほどの顔の痛みがある
- ⚠症状が一度良くなったのに、再び悪くなった
- ⚠10日以上治らない鼻水・鼻づまりがある
- ⚠目の周りや頬が腫れたり、赤くなったりしている
一般的な症状
- 顔や目の周りの痛み・重い感じ
- 鼻づまり・濃い色の鼻水
- においがわかりにくい
- 頭痛・だるさ
- 咳(特に夜間にひどいことがあります)
- 発熱(軽い〜中程度の熱が出ることがあります)
子供の症状
- 鼻づまりや鼻水に加えて、発熱が続きやすい
- 機嫌が悪い・いつもより元気がない
- 耳の痛みを訴える・耳を引っ張る
- 咳やのどの痛みがなかなか治らない
高齢者の症状
- 顔の痛みが強くないこともあり、発熱やだるさ、食欲低下といった症状が目立つことがあります
- せん妄(ぼんやりする・反応が鈍い)など、意識がぼんやりして見えることもあります
- 咳が長引いたり、鼻水がのどに流れ込んでのどを痛めることもあります
原因
主な原因
- ウイルス感染(風邪、インフルエンザなど)— 最も多い原因です。副鼻腔の入り口が腫れて閉じると、中に分泌物がたまります。
- 細菌感染 — ウイルス感染の後に起こることがあります。副鼻腔にたまった分泌物が細菌に感染すると、症状が長引いたり、発熱が続いたりすることがあります。
- まれに、真菌(カビ)や歯の根の病気が原因になることもあります。
リスク要因
- アレルギー性鼻炎(花粉症など)
- 鼻の中の形の問題(鼻中隔弯曲症、鼻ポリープなど)
- タバコの煙や、ほこり・化学物質の吸入
- 免疫の弱っている状態(糖尿病、化学療法など)
- 風邪やインフルエンザにかかった後
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 目の周りが赤く腫れてきた
- 高熱が続く、または悪化する
- 頭痛がひどく、首がこる、光がまぶしい
- 意識がぼんやりする
定期受診を予約すべき場合:
- 10日以上症状が続く
- 症状が一度良くなったあと、再び悪化した
- 頻繁に副鼻腔炎を繰り返す
- 発熱が3〜4日続くが、そのほかは落ち着いている
診断
医師はあなたの症状の話を聞き、鼻の内側や顔の圧痛を確認します。通常は診察の結果だけで診断できることが多いですが、診断が難しい場合や重症の疑いがある場合は、画像検査が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 内視鏡(のどの奥を見る細いカメラ)で鼻や副鼻腔の入り口を確認する
- 必要に応じて、副鼻腔のCT検査
- 細菌感染が強く疑われる場合は、鼻汁の検査(培養)
診察で予想されること
診察では、症状がいつから始まったか、熱の高さ、鼻水や鼻づまりの状態、顔の痛みの場所などを詳しく聞かれます。痛みをやわらげるため、医師が指で顔の特定の場所を軽く押して確認することもあります。検査が必要ならその場で説明してもらえます。安心して、気になることは何でも質問してください。
治療
治療は原因によります。ウイルスが原因の場合は、副鼻腔の通りを良くして体の自然な回復を助けることが中心になります。細菌が原因と考えられる場合は、医師が抗生物質を検討することがあります。発熱や痛みには、医師または薬剤師に相談のうえ、市販の解熱鎮痛薬を使うこともあります(くれぐれも用法を守ってください)。
自宅でのセルフケア
- 十分な休養と睡眠をとる
- 水分をこまめに取る(水、白湯、ノンカフェインのお茶など)
- 加湿器や蒸しタオルで空気の湿度を保つ
- 鼻の周りを温める(温かいタオルを当てる)と楽になることがある
- 市販の生理食塩水で鼻を洗う(鼻うがい)は、粘膜を清潔に保つのに役立つことがあります。やり方は薬剤師や医師に相談してください。
医療治療
医師は症状に応じて、鼻の通りを良くする薬(うっ血除去薬の点鼻薬や内服薬)、痛みや熱をやわらげる薬(解熱鎮痛薬)、痰や鼻水を出やすくする薬などを処方することがあります。細菌感染が強く疑われる場合にのみ、抗生物質が処方されます。自己判断で抗菌薬をやめたり、人からもらった抗菌薬を使ったりしないでください。
手術が検討される場合
慢性化し、薬による治療で良くならない場合や、副鼻腔の構造に問題がある場合は、耳鼻咽喉科の医師が手術を検討することがあります。手術は一般的に内視鏡を使った低侵襲の方法で行われ、副鼻腔の空気の流れを良くすることを目的とします。
この病気と共に生きる
副鼻腔炎の間は、体を休めることが回復への一番の近道です。仕事や家事は無理をせず、睡眠をしっかりとりましょう。症状が続く間は、鼻をかむ際は片側ずつやさしくかむと負担が少なくなります。室内を清潔に保ち、タバコや刺激性のスプレーの使用は控えましょう。
生活習慣のアドバイス
- 室温や湿度を快適に保つ(乾燥しすぎないようにする)
- 湯船に浸かって体を温め、リラックスする
- 頭を少し高くして寝ると、鼻づまりが楽になることがあります
- 刺激の強い食べ物やお酒は控えめにすると、粘膜への負担が減ります
食事と運動
水分をしっかり補い、バランスの良い食事を心がけましょう。特に緑黄色野菜や果物に含まれるビタミンは、体の防御力を保つ助けになります。熱があるときやつらいときは無理に運動はせず、体調が戻ってから軽い散歩から徐々に始めましょう。
精神的健康と心の健康
熱や顔の痛みが続くと、気分が落ち込んだり、いらいらしやすくなったりすることがあります。それは自然なことです。睡眠不足や痛みが続くと気分にも影響が出るため、まずは症状を楽にするケアに集中しましょう。どうしても不安が強い場合は、医療機関で相談してみてください。
予防
副鼻腔炎そのものを完全に防ぐワクチンはありませんが、風邪やインフルエンザにかかるリスクを減らすことで、副鼻腔炎の発生を予防することができます。手洗い・うがい、バランスの良い食事、十分な睡眠を心がけましょう。また、アレルギーがある場合は、耳鼻咽喉科で適切な治療と生活指導を受けることが予防につながります。
ワクチン
インフルエンザワクチンは、風邪の合併症として起こる副鼻腔炎を間接的に防ぐことが期待できます。予防接種を検討するときは、医師や保健師に相談してください。
検診プログラム
副鼻腔炎を対象にした特別な検診はありません。症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 炎症が目の周りや頭蓋内に広がる(眼窩蜂窩織炎、髄膜炎など)— まれですが、重大なものもあります
- 症状が長びき、慢性副鼻腔炎になる
- 鼻ポリープができやすくなる
長期的な見通し
ほとんどの場合は数週間で改善します。治療が必要な場合も、適切なケアで多くは快方に向かいます。たとえ慢性化しても、耳鼻咽喉科の専門医による継続的なケアで症状とうまく付き合っていくことができます。希望を持って、自分の体と向き合いましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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