副鼻腔炎と吐き気:原因と対処法
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副鼻腔炎(ふくびくうえん)は、鼻のまわりの骨にある空洞(副鼻腔)に炎症が起こる病気です。風邪やアレルギーなどがきっかけで、鼻水や鼻づまり、顔の痛みなどが現れます。吐き気は、鼻水がのどに落ちて胃が刺激される、せきが続く、発熱、まれに炎症が強い場合などに起こることがあります。吐き気そのものは副鼻腔炎の主症状ではありませんが、つらい症状の一つです。
重要な事実
- 副鼻腔炎はとてもありふれた病気で、風邪の後に続いて起こることが多いです。
- 吐き気は、鼻水がのどに流れる(後鼻漏と呼ばれます)ことが原因になることがあります。
- 多くは時間とともに改善し、水分補給や休養などのケアで症状が和らぎます。
- 吐き気が強くて水分がとれないときは、医師や薬剤師に相談しましょう。
はい、副鼻腔炎は日本人にも多い一般的な病気です。吐き気をともなうことは、特に鼻水がのどに流れやすい場合や、せき込んだ場合に見られることがあります。
子どもから大人まで誰でもかかります。特に、風邪をひきやすい人、アレルギー性鼻炎のある人、タバコを吸う人、免疫力が低下している人はかかりやすいと言われています。
症状
- 意識がぼんやりして呼びかけに反応しない
- 突然の激しい頭痛(人生で一番ひどい)
- 首が硬くて前に曲げられない
- 息ができない、呼吸が苦しい
- けいれんしている
- ⚠高熱が続く(解熱しても繰り返すなど)
- ⚠目の周りが腫れて赤くなり、まぶたを動かしにくい
- ⚠視力の変化(ぼやける、物が二重に見える)
- ⚠頭痛がひどくなり、つらい
- ⚠吐き気が強く、水や食事を一切とれない
一般的な症状
- 鼻がつまる、または鼻水がたくさん出る(黄色や緑色を帯びることがあります)
- 顔の痛みや重い感じ(ほおや目のあたり)
- せき(特に夜や朝)
- 吐き気や胃のむかつき
- 食欲がわかない
子供の症状
- 鼻づまりや鼻水
- 機嫌が悪い、イライラする
- 吐き気や、おなかの不調を訴える
- まれに嘔吐することがあります
高齢者の症状
- 症状がはっきりしないことがあり、だるさや疲れを強く感じることがあります
- 鼻水や鼻づまりが続く
- めまいや吐き気
- 意識がもうろうとする(重症の場合)
原因
主な原因
- 副鼻腔炎の多くはウイルス感染(風邪)が原因です。
- 細菌感染で炎症が長引くこともあります。
- アレルギー性鼻炎で副鼻腔の出口がふさがることも原因になります。
- 歯の根の炎症が広がることもあります。
- 吐き気の原因:鼻水がのどに流れて胃を刺激する、せきが続く、発熱、薬の副作用など
リスク要因
- 風邪やインフルエンザにかかったこと
- アレルギー性鼻炎やぜんそくがある
- タバコを吸う、または受動喫煙がある
- 空気の乾燥
- 免疫力の低下(疲労、睡眠不足など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状に当てはまる場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 日中であっても、めまいや強い頭痛、目の腫れなどがあれば、ためらわずに受診しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 症状が10日以上続く
- 熱が出ている、または熱が上がったり下がったりする
- 顔の痛みや頭痛が強く、つらい
- 吐き気が続いて水分が十分に取れない
診断
副鼻腔炎は、医師の問診と診察で診断されます。鼻の穴の中をみたり、のどに鼻水が流れていないかを確認したりします。吐き気の原因が副鼻腔炎によるものか、別の病気(ウイルス性胃腸炎など)や薬の影響かもあわせて評価します。
行われる可能性のある検査
- 鼻の内視鏡(細いカメラ)で副鼻腔の出口を観察する
- 必要な場合、CTやレントゲンで副鼻腔の状態を調べる
- 細菌感染が疑われるときは、鼻水の細菌検査を行うことがある
診察で予想されること
診察では、症状の始まりや経過、ほかの体調(熱や食欲)などについて聞かれます。痛みのある場所をやさしく押して確認したり、鼻やのどを観察したりします。必要に応じて画像検査を行います。吐き気が強い場合は、点滴での水分補給が必要になることもあります。
治療
治療の中心は、副鼻腔の炎症をやわらげて、鼻水や鼻づまりを改善することです。吐き気に対しては、原因(後鼻漏やせきなど)への対処や吐き気を和らげる薬が使われることがあります。細菌感染がはっきりしている場合だけ、抗菌薬が処方されることがあります。
自宅でのセルフケア
- 水分をこまめに少しずつとる。(吐き気があるときは冷たい水やスポーツドリンクを少量)
- 部屋を加湿し、加湿器や湿ったタオルを使う
- 蒸しタオルを鼻のあたりに当てる、またはシャワーの湯気を吸う
- 体を休めて十分な睡眠をとる
- 頭を少し高くして寝ると鼻水が出やすくなります
- 市販の生理食塩水を使った鼻うがい(説明書に従って行いましょう)
医療治療
医師による治療では、鼻の粘膜の腫れをとる薬や、鼻の通りをよくする薬、炎症をしずめる薬などが使われることがあります。吐き気が強い場合は、吐き気をしずめる薬や、脱水を防ぐ点滴が行われることもあります。細菌感染が疑われる場合には、医師の判断で抗菌薬が処方されます。処方された薬は指示どおりに服用してください。
手術が検討される場合
まれなケースですが、慢性化して薬で改善しない場合や、合併症のリスクがある場合は、手術(副鼻腔にたまった膿を洗い流す、開くなど)が検討されることがあります。まずは耳鼻咽喉科の専門医に相談してください。
この病気と共に生きる
吐き気があるときは、食事を無理に一気にとらず、おかゆ、ゼリー、スープなど消化のよいものを少しずつ食べましょう。部屋の空気を乾燥させないよう工夫し、体を冷やさないようにしてください。症状がつらいときは、横になって休むことも大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活を心がけ、睡眠を十分にとる
- 禁煙する(喫煙者は症状が悪化しやすいため)
- 加湿やマスクの着用で、のどや鼻の乾燥を防ぐ
- ストレスをためないようにする
食事と運動
吐き気が落ち着いたら、栄養のあるものをバランスよく食べましょう。激しい運動は避け、痛みや吐き気のない範囲で無理のない軽い運動(散歩など)から始めましょう。運動は免疫力の維持に役立ちます。
精神的健康と心の健康
つらい症状が続くと、不安やいらいらを感じることがあります。吐き気や痛みで集中できない日が続くときは、それだけで心の負担になります。症状について家族や友人に話したり、医師に不安を伝えたりして、一人で抱え込まないでください。精神的なつらさが続く場合は、心の健康の専門家に相談することも選択肢の一つです。
予防
副鼻腔炎を完全に防ぐことは難しいですが、風邪やインフルエンザのような呼吸器感染症を予防することで、リスクを下げられます。手洗い、うがい、バランスのよい食事、十分な睡眠、禁煙を心がけましょう。アレルギーがある場合は、その対策も重要です。
ワクチン
インフルエンザワクチンは、インフルエンザによる副鼻腔炎を防ぐ間接的な効果が期待できます。肺炎球菌ワクチンなどは、基礎疾患のある方や高齢者の肺炎予防に勧められることがあります。接種については医師に相談してください。
検診プログラム
特定の検診はありませんが、風邪症状が長引くときには早めに受診して、副鼻腔炎の有無を確認してもらうことが予防につながります。
合併症
治療しない場合
- 副鼻腔炎が長引くと、慢性副鼻腔炎になることがあります。
- まれに炎症が目の周りや脳の中に広がることがあります(深刻な合併症)
- 吐き気や食欲不振が続くと、脱水や栄養不足になりえます。
長期的な見通し
多くの場合、風邪の経過のように自然に改善します。吐き気も、副鼻腔炎の炎症が治まると、たいてい和らぎます。つらい時期には医師の治療や家庭でのケアを上手に使って、しっかり休みましょう。まれな合併症も、早めに受診すれば適切に対応できます。希望をもって対処していきましょう。
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最終更新: 2026年7月31日
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