突然、耳が聞こえにくくなったとき(突発性難聴)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
突然、片方の耳が聞こえにくくなる病気のことをいいます。多くは「突発性難聴」と呼ばれ、耳鳴りやめまいを伴うこともあります。発症してから早い時期に治療を始めることが大切です。
重要な事実
- 聞こえにくさは、数時間から3日以内に気づくことが多いです。
- 原因ははっきりしないことが多く、ウイルス感染や血流の変化が関係していると考えられています。
- 早めに耳鼻咽喉科を受診すると、聴力が戻る可能性が高くなります。
- 厚生労働省の調査では、日本で年間におよそ2万人から3万人が発症しています。
決して多い病気ではありませんが、厚生労働省の調査では、日本で年間におよそ2万人から3万人が発症していると報告されています。
40歳から60歳の方に多く見られますが、子どもや高齢者でも起こることがあります。性別による大きな差はありません。
症状
- 激しいめまいや吐き気があり、立てない状態のときは119番に連絡してください。
- 意識がもうろうとする、顔の半分が動かない、などの症状があるときは119番を呼んでください。
- 突然の強い耳の痛みや頭痛があり、我慢できない場合はすぐに救急を要請してください。
- ⚠突然、片方の耳が聞こえにくくなった(早めの受診が重要です)
- ⚠耳鳴りや耳の詰まり感が突然始まった
- ⚠めまいと一緒に聞こえにくさがある
一般的な症状
- 突然、片方の耳が聞こえにくい(または両耳のこともあります)
- 耳が詰まった感じや圧迫感がある
- 耳鳴りがする(ブーン、キーンなど)
- 音が歪んで聞こえたり、響いたりする
- ふらつきやめまいを伴うことがある
子供の症状
- 子どもでは、呼んでも返事がない、テレビの音が大きいなどの変化に気づくことがあります。
- 小さな子どもは「聞こえにくい」と伝えられないため、いつもより機嫌が悪い、耳を触るなどのサインがあれば受診の目安にしてください。
高齢者の症状
- 高齢者では加齢による難聴と混ざることがありますが、ある日突然聞こえなくなった場合は突発性難聴の可能性があります。
- めまいを伴う場合は転倒のリスクがあるため、無理に歩かずに座って受診してください。
原因
主な原因
- はっきりした原因はわかっていません。
- ウイルスの感染がきっかけになることがあると考えられています。
- 内耳に血液を送る血管の流れが悪くなることが関係しています。
- 過労や精神的なストレスが引き金になることもあります。
リスク要因
- 疲れや寝不足が続いている
- 強いストレスを受けている
- 風邪や感染症にかかった直後である
- 大きな音に長時間さらされた
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の聞こえにくさは、できるだけ早く(発症から3日以内をめやすに)耳鼻咽喉科を受診してください。
- めまいや耳鳴りを伴う場合も、早めに受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 聞こえにくさが気になるが、突然ではない場合は、一度は受診して聴力を確認しましょう。
- 学校や職場の健康診断で難聴を指摘された場合も、医療機関で相談してください。
診断
耳の診察と聴力検査を中心に行います。ほかの耳の病気がないかを確かめ、必要に応じて追加の検査をします。
行われる可能性のある検査
- 問診:いつから、どのように聞こえにくくなったかを伺います。
- 耳の観察:耳の穴や鼓膜の状態を確認します。
- 聴力検査:静かな部屋でヘッドホンから音を流し、どの音が聞こえるかを調べます。
- 平衡機能検査:めまいがある場合に、体のバランスを調べます。
- 画像検査:まれに、脳や聴神経の問題を調べるためにMRIなどを行うことがあります。
診察で予想されること
診察は、耳の確認と聴力検査で、多くの場合1時間以内に終わります。痛みはほとんどありません。結果はその場で説明されることが多いです。
治療
突発性難聴は、発症からの時間が早いほど治りやすく、多くの場合、薬を使った治療や酸素を使う治療を行います。すぐに完全に治るわけではなく、数週間から数か月かかることもあります。医師と相談しながら、あきらめずに続けることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 大きな音や騒音を避け、耳を休めましょう。
- 十分な睡眠と休息をとり、疲れをためないようにしましょう。
- めまいがあるときは、急に立ち上がらず、ゆっくり動きましょう。
- 耳を傷つけないように、激しい耳掃除はしないでください。
医療治療
治療は病院で行われ、炎症を抑える薬、血流を改善する薬、酸素を多く吸入する高圧酸素療法などを、症状に合わせて組み合わせます。使用する薬や治療期間は医師が決めます。聞きかじりの市販薬やサプリメントを試すのではなく、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
突発性難聴そのものに対して手術が行われることはまれですが、もしほかの病気(中耳炎、腫瘍など)が原因で聞こえにくくなっていた場合は、その病気の治療のために手術を検討することがあります。
この病気と共に生きる
聞こえにくさが残る場合は、補聴器や集音器、周囲の人に聞こえにくいことを伝えるなど、日常生活の工夫で負担を減らせます。耳鼻咽喉科の医師や自治体の相談窓口に相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 耳を休める時間を意識して作りましょう。
- ストレスをためないよう、趣味や深呼吸など自分に合ったリラックス法を見つけましょう。
- 必要なときは、家族や同僚に「聞こえが悪い」と伝え、協力をお願いしましょう。
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスのよい食事と、無理のない軽い運動(散歩など)は、血流改善や睡眠の質を高める助けになります。運動を始めるときは医師に相談すると安心です。
精神的健康と心の健康
突然の聞こえにくさは、不安や孤独感、気分の落ち込みを引き起こすことがあります。それらの気持ちは自然な反応です。つらいときはひとりで抱え込まず、医師や家族に話しましょう。もしも自分を傷つけたくなる気持ちが強くなった場合は、迷わず救急の119番や、地域のこころの健康相談窓口に連絡してください。
予防
完全な予防法はまだ確立されていません。しかし、過労やストレスをためない、大きな音を避けるなど、耳の健康を保つ生活習慣はリスクを減らす可能性があります。
ワクチン
突発性難聴に限った予防ワクチンはありません。ただし、感染症がきっかけとなることがあるため、インフルエンザなど、受けられる予防接種については医師や自治体に相談してみましょう。
検診プログラム
突発性難聴を対象にした特別な検診はありませんが、健康診断の聴力検査を受けることは、聞こえの変化に気づくうえで大切です。
合併症
治療しない場合
- 聴力が十分に戻らず、聞こえにくさが残ることがある。
- 耳鳴りやめまいが続くことがある。
- 聞こえづらさから人と話すことが減り、気分の落ち込みや孤立が強くなることがある。
長期的な見通し
発症から早く治療を始めると、約3割から6割の人で聴力が改善するといわれています。たとえ改善しなくても、補聴器や周囲のサポートを活用しながら生活を工夫できます。希望を持って、医療者と一緒に対応を考えていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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