突然の腎炎(急性腎炎)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
突然の腎炎(急性腎炎)とは、腎臓に急に炎症が起こる病気です。腎臓は、体の中の老廃物をろ過して尿として出す働きをしています。炎症が起こると、このろ過の働きが一時的に悪くなり、むくみや血尿などが現れます。多くの場合、感染症に対抗する免疫の反応が原因で起こります。
重要な事実
- 多くはのどや皮膚の感染症(特に溶連菌感染症)の後に起こります。
- 主な症状は、尿に血が混じる(血尿)、顔やまぶたのむくみ、尿の量が減ることです。
- 早期に適切な治療を受ければ、多くの人は完全に回復します。
子どもや若い成人に多く見られますが、成人でも起こることがあります。頻度としては、よくある病気というわけではありません。
特に6~10歳の子どもに多く、溶連菌感染症(のどの痛みや皮膚のできもの)の後に発症することが多いです。大人でも、感染症や他の病気がきっかけで起こることがあります。
症状
- 急に息苦しくなった(呼吸が速い・ゼーゼーする)
- けいれん(ひきつけ)が起きた
- 尿がまったく出なくなった
- 意識がもうろうとしている、または呼びかけに反応しない
- ⚠新しい血尿が見られた
- ⚠顔や手足が急に大きくむくんできた
- ⚠尿の量が明らかに減ってきた
- ⚠頭がひどく痛む、または視界がぼやける
一般的な症状
- 尿の色がピンク色やコーラ色になる(血尿)
- 顔やまぶた、足のむくみ(特に朝ひどい)
- 尿の量が減る
- 疲れやすくなる
- 軽い発熱や頭痛
子供の症状
- 上記の症状に加えて、高熱や機嫌が悪くなることがある
- 食欲が落ちる
- おなかが痛いと訴えることもある
高齢者の症状
- むくみに加えて息切れが出ることがある
- 意識がもうろうとするなど、混乱が見られることもある
- 尿の異常に気づきにくい場合がある
原因
主な原因
- のどや皮膚の溶連菌感染症(代表的な原因)
- ウイルス感染(インフルエンザなど)
- 自己免疫疾患(体が自分の細胞を攻撃してしまう病気)
- 血管の炎症(血管炎)
リスク要因
- 最近、のどや皮膚に感染症(特に溶連菌)にかかった
- 家族に腎臓病の人がいる
- 免疫力が低下している
- 一部の薬剤の影響(ただし頻度はまれ)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 尿に血が混じっている
- 顔やまぶたがはっきりむくんでいる
- 尿の量が減った
- 息苦しさや頭痛が続く
定期受診を予約すべき場合:
- 感染症が治った後に、むくみや尿の異常が続く場合
- 治療後の経過観察として定期的な受診が必要
診断
医師が問診(症状や最近の感染症の有無)を聞き、尿検査と血液検査を行います。必要に応じて超音波検査や腎生検(腎臓の組織を少し取って調べる検査)をすることもあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(血尿やたんぱく尿の確認)
- 血液検査(クレアチニンやGFRなど腎機能の評価)
- 超音波検査(腎臓の大きさや形を調べる)
- 腎生検(原因を詳しく調べるために行う場合もある)
診察で予想されること
医師からは、最近の感染症の有無や、どのような症状が出ているかを詳しく聞かれます。その後、尿や血液の検査があります。痛みを伴う検査はほとんどなく、結果が出るまで数日かかることもあります。診断のために1~2日入院が必要になる場合もありますが、治療の方針が決まれば自宅で過ごすこともできます。
治療
治療の基本は、腎臓の負担を減らし、炎症を落ち着かせることです。原因となった感染症があれば、それを治療します。安静にし、水分や塩分の摂取を調整しながら経過を見ます。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従って、安静を保つ
- 塩分を控えた食事をとる
- 水分の量は医師の指示に従う(むくみがあるときは制限されることがある)
- 感染症を予防するため、手洗い・うがいを徹底する
医療治療
治療には、血圧を下げる薬や、体内の余分な水分や塩分を排出する薬が使われます。炎症が強い場合には、免疫の反応を抑える薬が用いられることもあります。重症の場合は一時的に透析(機械で血液をきれいにする治療)が必要になることがあります。具体的な薬の名前や量は医師が決めますので、自己判断で変えないでください。
手術が検討される場合
通常、急性腎炎に手術は必要ありません。ただし、腎生検を行う場合は小さな切開をして組織を採取します。
この病気と共に生きる
治療中は、尿の量や色、むくみの程度を毎日チェックします。血圧も測るようにしましょう。症状が改善しても、しばらくは定期的な通院が必要です。体力が戻るまでは無理をせず、ゆっくり過ごしてください。
生活習慣のアドバイス
- 疲れたと感じたら休む
- 激しい運動やスポーツは医師に相談してから再開する
- 感染症予防のため、人混みを避ける・手洗いをしっかりする
- たばこは控える(腎臓の血流に悪影響を与えるため)
食事と運動
塩分を控えた食事(1日6g未満が目安)を心がけます。むくみや高血圧があるときは、水分やたんぱく質の量も医師と相談して調整します。軽い散歩程度の運動は、体調が良ければ許可されることがあります。
精神的健康と心の健康
突然の症状や入院で不安になることは自然なことです。腎臓の病気は長引くこともありますが、多くの人は治療で元の生活に戻れます。気持ちが落ち込んだり、眠れないときは、遠慮なく医師や家族に相談しましょう。
予防
完全に予防するのは難しいですが、感染症(特に溶連菌感染症)を早期に治療することでリスクを減らせます。のどが痛いときに我慢せず医師に相談し、規則正しい生活で免疫力を保ちましょう。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌のワクチンは、感染症を予防し結果的に腎臓を守ることにつながる可能性があります。詳しくは医師に相談してください。
検診プログラム
特に子どもの場合、学校検尿などで早期に異常が見つかることがあります。むくみや血尿に気づいたら、早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 慢性腎臓病(腎臓の機能が長期間低下する状態)
- 高血圧が続く
- 腎不全(腎臓の働きが極端に悪くなり、透析が必要になることも)
- 心不全(心臓に負担がかかる)
長期的な見通し
多くの急性腎炎は、適切な治療で数週間から数カ月で改善します。子どもの場合は特に予後が良く、完全に治ることがほとんどです。大人でも、早期発見・治療で腎機能は回復します。ごく一部の重症例では長期的な管理が必要になることもありますが、現代の医療で十分に対応できます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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