突然わかる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の中身がスカスカになって弱くなり、骨折しやすくなる病気です。「突然の骨粗鬆症」という言葉は、骨が急に弱くなることではなく、症状がないまま進み、ある日、骨折や健康診断で突然見つかることが多いという意味で使われます。
重要な事実
- 骨粗鬆症は、初期にはほとんど自覚症状がありません。
- ちょっとした転倒や軽い衝撃でも骨折することがあります。
- 骨粗鬆症は、適切な治療と生活習慣の見直しによって進行を遅らせることができます。
はい、とてもよく見られる病気です。特に高齢の女性に多く、日本人の高齢者の約3人に1人が骨粗鬆症ともいわれています(※)。※厚生労働省の資料も参考になります。
老年期の女性(特に閉経後)に多く見られますが、男性でもかかります。また、ステロイド薬を長期間使っている方や、特定の病気(関節リウマチや甲状腺の病気など)がある方、若い方でも発症することがあります。
症状
- 転倒後に太ももの付け根や腰に激しい痛みがあり、立ったり歩いたりできない場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 背中や首の強い痛みとともに、手足のしびれや力が入らない場合は、緊急の治療が必要です。ためらわずに119番へ通報してください。
- ⚠新しく始まった背中の痛みが数日続く、または徐々にひどくなる場合は、翌日までに整形外科を受診しましょう。
- ⚠軽い衝撃で骨が折れてしまった場合も、できるだけ早く医療機関で診てもらいましょう。
一般的な症状
- 特に症状がないことがほとんどです(沈黙の病気とも呼ばれます)。
- 背中や腰の痛み、身長の縮み、猫背(巻き肩)などの変化が現れることがあります。
- 転んだ拍子に手首や背骨、太ももの付け根の骨を折って、初めて気づくことがあります。
子供の症状
- 子どもでは非常にまれですが、特定の病気や薬の影響で起こることがあります。
- ちょっとしたぶつかりで骨折する、骨や関節の痛みがある場合は、小児科を受診しましょう。
高齢者の症状
- 背中や腰の突然の強い痛み(背骨の圧迫骨折の可能性があります)。
- 身長が数cm縮んだ、姿勢が前かがみになった。
- 手首や太ももの付け根の骨折(特に転倒のあと)。
原因
主な原因
- 加齢によって骨を作る力が弱まり、骨を壊す力が強くなること。
- 閉経後の女性ホルモンの減少(エストロゲンが骨を守る働きをするため)。
- 長期のステロイド薬の使用、過度の飲酒、喫煙、低栄養(特にカルシウム・ビタミンD不足)。
- 運動不足や寝たきりなどで骨に刺激がなくなること。
リスク要因
- 年齢(特に65歳以上)
- 女性であること
- 閉経が早かった、卵巣を摘出したことがある
- 家族(親や兄弟姉妹)に骨粗鬆症や骨折の経験がある
- 痩せている、低体重
- 喫煙、過度の飲酒
- ステロイド薬などの特定の薬を長期内服している
- カルシウムやビタミンDが不足した食生活
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 転倒や軽い衝撃で骨折した、または激しい痛みがある。
- 背中の痛みに加えて足のしびれや脱力感がある。
定期受診を予約すべき場合:
- 65歳以上の方、または閉経後の女性で骨密度検査を受けたことがない。
- ステロイド薬を長期内服している、または骨粗鬆症を起こしやすい治療や病気がある。
- 身長が縮む、姿勢が変わる、腰や背中が痛む。
診断
医師があなたの症状、健康歴、家族歴を聞き、骨密度測定や血液検査などを行います。骨粗鬆症は、骨密度の検査で「若い健康な人と比べてどのくらい骨が弱っているか」を調べて診断されます。
行われる可能性のある検査
- 骨密度検査(DEXA法:レントゲンと同じくらいの放射線量で骨の強さを測る検査です)
- 血液検査や尿検査(他の病気が原因でないかを調べます)
- レントゲン検査(骨折や背骨のつぶれがないかを確認します)
診察で予想されること
骨密度検査はベッドの上に横になるだけで、痛みはありません。検査時間は15分程度です。結果は通常、その場で大体の説明を受けることができますが、詳しい治療方針は後日、医師から説明があります。
治療
治療の目的は、骨の減少を遅らせて骨を強くし、骨折を防ぐことです。お薬の治療に加えて、食事・運動・転倒予防を組み合わせて進めていきます。
自宅でのセルフケア
- カルシウムやビタミンDを意識してとる(乳製品、小魚、緑黄色野菜など)
- 日光を適度に浴びる(ビタミンDの生成に役立ちます)
- ウォーキングなどの軽い体重をかける運動をする
- 家の中の段差やじゅうたんを整え、滑りにくい靴を履くなど、転倒予防に取り組む
医療治療
医師は、骨の吸収を抑えるお薬、骨の形成を促すお薬、活性型ビタミンD3製剤などの中から、あなたの状態に合った治療を選択します。また、カルシウムやビタミンDの不足が明らかな場合は、サプリメントの補充が検討されることがあります。治療には薬の名前や飲み方、期間について決まりがありますので、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
骨折が起きた場合、特に太ももの付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)や背骨のつぶれがひどい場合は、手術が必要になることがあります。手術後はリハビリを行い、元の生活に戻れるようにサポートします。
この病気と共に生きる
骨粗鬆症は、うまく付き合っていくことで、たいていの日常生活を続けられます。家の中ではコードやじゅうたんを片づけて、つまずきやすい場所をなくしましょう。夜は足元が暗くならないように明かりをつけ、必要なら杖や手すりを使いましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する(喫煙は骨の健康に悪影響です)
- お酒は適量までにしましょう(過度の飲酒は骨を弱めます)
- 楽しく続けられる運動を見つけましょう(例:ウォーキング、水中歩行、ラジオ体操)
食事と運動
骨の材料になる栄養を十分にとることが大切です。カルシウムは牛乳やヨーグルト、小魚、豆腐、小松菜などに含まれます。ビタミンDは魚(サケ、サンマ)やきのこ類、卵に含まれ、日光を浴びることで体の中で作られます。運動では、ウォーキングやスクワットなどの「重力に逆らう運動(荷重運動)」が骨を丈夫にすると言われています。
精神的健康と心の健康
骨折の不安や、まわりの人に迷惑をかける心配から、気分が沈んだり、家にこもりがちになったりすることもあります。そのような感情は自然なことです。気になる場合は、家族や友人、医師に話すようにしましょう。必要であれば、心のケアの専門家を紹介してもらうこともできます。
予防
完全に防ぐことはできなくても、進行を遅らせ、骨折のリスクを大きく下げることはできます。若いうちから骨を強く保つ生活習慣(十分な栄養と運動)が大切です。また、高齢になっても遅くありません。今日から始められることがたくさんあります。
検診プログラム
骨密度検査は、骨粗鬆症の早期発見に役立ちます。大きなレントゲン装置を使う方法だけでなく、超音波でかかとの骨を測る簡単な検査もあります。65歳以上の女性、閉経後の女性で気になる方は、かかりつけ医に相談して検査を受けることを検討しましょう。
合併症
治療しない場合
- 転倒やくしゃみなどのわずかな衝撃での骨折(背骨、手首、太ももの付け根など)
- 慢性の痛みや背中の変形(猫背、身長の低下)
- 骨折後の寝たきりや生活の質の低下
長期的な見通し
骨粗鬆症と診断されても、適切な治療と生活習慣の改善を続けることで、骨折を予防し、元気に活動的な生活を送ることができます。医療の進歩により、治療の選択肢も広がっています。希望を持って、一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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