のどの痛みと吐き気(むかつき)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
のどが痛む、またはのどに違和感があるのに加えて、むかむかする、吐き気がする、という症状が一緒に現れる状態を指します。原因は、のどに炎症を起こす感染症や、胃酸がのどに上がってくる逆流(ぎゃくりゅう)など、さまざまです。多くの場合は時間がたてばよくなりますが、なかには治療が必要な場合もあります。
重要な事実
- 多くの原因はウイルスによるもので、特別な薬がなくても1週間前後でよくなることが多いです。
- のどが痛いと唾や食べ物を飲み込みにくくなり、吐き気を感じることがあります。
- 水分を十分にとり、のどを潤して安静にすることが大切です。
はい。のどの痛みは子どもから大人まで非常によく見られる症状で、吐き気をともなうこともあります。特に風邪やインフルエンザなどが流行する季節に多く経験されます。
どの年齢の方にも起こりえます。子どもは扁桃(へんとう)というのどの組織に炎症が起きやすい傾向があります。大人では、胃酸の逆流が原因でのどの不調と吐き気を感じることもあります。
症状
- ヒューヒュー、ゼーゼーといった呼吸の音がする、または息苦しそうである
- 息を吸うとのどから音がする
- よだれが止まらず、つばを飲み込めない
- ぼんやりしている、意識がもうろうとしている
- 首を前に曲げると痛くてできない(髄膜炎の可能性があるため、すぐに119番)
- ⚠高熱が続いている
- ⚠水やお茶などの水分がまったく飲めない
- ⚠尿の量がいつもより少ない、唇や口の中が乾いてきた
- ⚠吐き気や嘔吐がひどく、水分をとっても戻してしまう
- ⚠扁桃に白い膿(うみ)のようなものが見える
- ⚠のどが痛くて口を開けるのもつらい
一般的な症状
- のどが痛い、ヒリヒリする、かすれる
- 飲み込むときに痛む
- むかむかする、吐き気がある
- のどに何か詰まった感じがする
- 熱が出る
- だるさや疲れを感じる
子供の症状
- のどを痛がって食事や水分を嫌がる
- よだれがいつもより多い
- 吐いてしまう、または吐きそうになる
- おなかが痛いと言う
- 熱が高い場合がある
高齢者の症状
- のどの痛みや違和感を感じる
- 食欲が落ちる
- 声がかすれる
- 吐き気や食欲不振で水分をとる量が減り、脱水になりやすい
- 体がだるい、元気がないように見える
原因
主な原因
- 風邪やインフルエンザなどのウイルス感染
- 細菌による扁桃炎(のどの扁桃が腫れて炎症を起こす)
- 胃酸や胃の内容物が食道の奥、のどにまで逆流する(逆流性食道炎や咽喉頭逆流症)
- 鼻水がのどに流れ落ちて炎症を起こす(後鼻漏)
- 乾燥した空気やたばこの煙、刺激物によるのどの粘膜への刺激
- 疲れやストレスで体の抵抗力が落ちている
リスク要因
- 季節の変わり目や乾燥が強い時期
- 風邪やインフルエンザが流行している場所に行くこと
- 睡眠不足や疲労がたまっている
- たばこを吸う、または受動喫煙がある
- 飲酒が多い
- 肥満(おなかに脂肪が多いと胃酸が逆流しやすい)
- 妊娠中はホルモンの影響で胃酸が逆流しやすくなることがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 息苦しい、呼吸がしにくい
- つばを飲み込むのもつらい、よだれが止まらない
- 水分が一切とれない、脱水が心配
- 高熱が続く
- 首を前に曲げると激しく痛む
- 症状が急にひどくなっている
定期受診を予約すべき場合:
- のどの痛みや吐き気が2日以上続く
- 市販ののど飴や水分で様子を見てもよくならない
- 家族や周囲で同じ症状の人がいる
- 症状を繰り返す、慢性化している
診断
医師は、まずあなたの症状の経過や、最近の食事・睡眠・服用している薬・持病などについて聞きます。そのうえで、のどや首、おなかなどを診察します。
行われる可能性のある検査
- のどの中をライトで照らして、赤みや腫れ、膿の有無を確認する
- 首の周りを触って、リンパ節の腫れがないか調べる
- のどを拭いて細菌の検査をする(迅速検査や培養検査)
- 必要に応じて血液検査
- 逆流が疑われる場合には、胃カメラ(内視鏡)検査が行われることもある
診察で予想されること
診察は通常数分程度で終わることが多いですが、検査によっては結果が出るまで少し時間がかかる場合があります。医師から、病気の可能性、必要な治療、自宅でのケアについて説明があります。気になることは遠慮なく質問してください。
治療
治療は原因によって異なります。ウイルス感染が原因の場合は、症状をやわらげながら体の回復を待つことが基本です。細菌感染が原因の場合には、医師の処方による抗生物質で治療します。逆流が原因の場合には、生活習慣の見直しと薬で対応することがあります。
自宅でのセルフケア
- こまめに水分をとる(冷たすぎない水やぬるめのお茶など)
- のどの痛みには、ぬるま湯でうがいをする
- はちみつを少量なめる(ただし1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えない)
- 乾燥をさけ、加湿器や濡れたタオルで部屋の湿度を保つ
- たばこの煙や刺激の強い料理、アルコールを控える
- 吐き気があるときは、無理に一度にたくさん食べず、数回に分けて少しずつ食べる
- 横になると逆流が起こりやすいので、食後すぐ寝ない
医療治療
細菌感染が疑われるときは、医師が抗生物質を処方することがあります。また、逆流性食道炎や咽喉頭逆流症が原因の場合は、胃酸の分泌を抑える薬や胃の動きを整える薬が使われます。いずれも医師の診断と処方に基づいて服用してください。のどの炎症をやわらげるために、炎症を抑える薬やうがい薬が処方されることもあります。
手術が検討される場合
扁桃炎を繰り返し起こす方や、逆流症で薬の治療が十分に効果を示さないごく一部の方には、扁桃を摘出する手術や、逆流を防ぐ手術が検討されることがあります。ただし、手術が必要になることはまれで、多くの場合は薬と生活習慣の改善で対応できます。
この病気と共に生きる
症状がつらい間は、無理をせずにできるだけ休みましょう。のどを休めるために、大声で話すのを避け、声を出しすぎないことも大切です。吐き気があるときは、ゆっくりと深く呼吸すると落ち着くことがあります。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかりとり、疲れをためない
- たばこをやめる、または周りでの喫煙をさける
- 逆流が気になる場合は、寝るときに頭側を少し高くしたり、右側を下にして寝るなどの工夫をする
- 食後すぐに横にならず、2~3時間あけてから寝る
- ストレスをためないように、自分なりのリラックス方法を見つける
食事と運動
のどが痛いときは、冷たくて滑りのよいもの(ゼリーやプリン、具のないスープなど)を少しずつ食べると飲み込みやすいです。香辛料のきいたもの、油っこいもの、炭酸飲料、コーヒーや緑茶などのカフェイン飲料、アルコールは逆流や吐き気を悪化させることがあるため、控えめにしましょう。症状が落ち着いたら、軽い散歩などから運動を再開できます。
精神的健康と心の健康
のどの痛みや吐き気が続くと、食事や会話が楽しめず、気分が落ち込んだり、いらだちを感じたりすることもあるかもしれません。多くの場合、原因となる病気がよくなれば症状も一緒に消えていきます。つらいときは、家族や友人に気持ちを話し、無理をしないことが大切です。
予防
完全に予防することは難しいですが、ウイルスや細菌の感染を防ぐために、手洗い・うがいを習慣にし、流行しているときは人混みを避け、マスクを着用することが役立ちます。逆流が原因の場合は、生活習慣を見直すことで症状の再発を防ぎやすくなります。
ワクチン
インフルエンザワクチンは、インフルエンザによるのどの炎症や吐き気といった症状の予防・重症化予防に役立ちます。肺炎球菌ワクチンも、重症の細菌感染を防ぐのに有効な場合があります。定期接種や任意接種の対象については、医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 水分がとれず脱水症を起こす
- 扁桃炎が悪化すると、扁桃の周りに膿(うみ)がたまる扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)になることがある
- 細菌感染(A群溶血性レンサ球菌など)がまれにリウマチ熱や腎臓の病気を引き起こすことがある
- 逆流を放置すると、食道の粘膜が傷つき、炎症や潰瘍が生じることがある
長期的な見通し
多くの場合は、原因に合わせた適切なケアと治療で、1週間から数週間のうちに改善します。細菌感染であっても抗生物質をきちんと飲めば、さらに安心です。のどや吐き気の不調が続いても、医師と一緒に原因を探っていけば、適切な対策が見つかります。希望を持って、ゆっくり回復に向かいましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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