耳鳴りと吐き気が同時に起こるときの対処法
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
耳鳴りとは、実際には音がしていないのに耳の奥で「キーン」「ザー」「プー」などの音が聞こえる状態をいいます。吐き気は、胃がむかむかして吐きたい感じになることです。この2つが同時に起こる場合は、めまいやふらつきを伴うことが多く、耳の奥にある内耳(平衡感覚をつかさどる器官)のトラブルが関わっている可能性があります。ただし原因は人によって違うため、必ず医師の診察を受けてください。
重要な事実
- 耳鳴りは、多くの人が一度は経験する身近な症状です。
- 吐き気を伴う耳鳴りは、内耳や脳の異常が潜んでいることがあります。
- 突然の強いめまいや耳鳴りは、緊急の受診が必要なこともあります。
- 自己判断で薬を使わずに、医師に相談することが大切です。
- 原因が分かれば、多くの場合、症状をやわらげたり、うまく付き合ったりできます。
耳鳴りだけであれば非常にありふれた症状で、健康な人でも静かな場所で感じることがあります。吐き気を伴う場合はやや少ないですが、内耳の病気や体調不良によって起こることがあり、特別なことではありません。
どの年代でも起こり得ますが、特に40~60代の働き盛りに多いといわれています。また、大きな音の環境で働く人、ストレスが多い人、睡眠不足の人などは、耳鳴りと吐き気を感じやすいかもしれません。
症状
- 突然の激しいめまいと吐き気で立っていられない
- 顔の片側が動かない、片方の腕や脚に力が入らない、言葉が話しにくい(脳卒中のサイン)
- 突然、耳がほとんど聞こえなくなった(突発性難聴が疑われる)
- 激しい頭痛を伴う
- 意識がもうろうとしている
- ⚠耳鳴りと吐き気が数日続いている
- ⚠めまいを繰り返す
- ⚠耳の痛みや耳だれがある
- ⚠聞こえが悪くなっていると感じる
- ⚠日常生活に支障が出ている
一般的な症状
- 耳鳴り(キーン、ザー、プーなどの音)
- 吐き気・嘔吐
- めまい・ふらつき
- 耳が詰まった感じ(耳閉感)
- 聞こえが悪い(難聴)
- 頭痛・頭重感
子供の症状
- お子さんの場合、耳鳴りや吐き気に加えて、耳の痛み、発熱、機嫌が悪い、まっすぐ歩けないなどの症状が見られることがあります。
- 「耳が変」「頭がふわふわする」と訴えることもあるので、注意深く観察してください。
高齢者の症状
- 高齢者では、めまいや吐き気により転倒のリスクが高まります。
- 耳鳴りが続くと、聞こえの低下とともにコミュニケーションが取りにくくなることもあります。
- 血圧の変化や服用中の薬の影響が原因になることもあるため、医師に相談しましょう。
原因
主な原因
- 内耳の病気(メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎など)
- 突発性難聴
- ウイルスや細菌による内耳の炎症
- ストレス、疲れ、睡眠不足
- 薬の副作用(特定の抗生物質や鎮痛薬など)
- 血圧の変動や血流の変化
- 首やあごの筋肉の緊張
リスク要因
- 大きな騒音の中で過ごすことが多い
- 慢性的なストレスを抱えている
- 睡眠不足が続いている
- 高血圧や糖尿病などの持病がある
- 頭や首のけがをしたことがある
- 風邪や中耳炎を繰り返す
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しいめまい、激しい頭痛、ろれつが回らない、体の片側が動かないなどの症状がある場合は、すぐに119番で救急車を呼んでください。
- 突然耳が聞こえにくくなった場合も、緊急です。すぐに救急外来または耳鼻咽喉科を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 耳鳴りと吐き気が数日続いているが、めまいが軽い、または繰り返す場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。
- 仕事や家事に支障が出る場合は、早めに受診しましょう。
診断
耳鼻咽喉科では、医師がいつから、どのような症状があるのかを詳しく聞き、耳の状態や聴力、平衡感覚を確認します。必要に応じて血液検査や画像検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 聴力検査
- 平衡機能検査(目や体のバランスの検査)
- 耳の内視鏡検査
- 血液検査
- MRIやCTなどの画像検査
診察で予想されること
診察では、椅子に座って問診を受けたり、耳の中をのぞいたりします。聴力検査は静かな防音室で音が聞こえたらボタンを押すもので、痛みはありません。めまいの検査では目を動かしたり、頭の位置を変えたりすることがあります。所要時間は30分から1時間程度が目安です。
治療
治療は原因となる病気によって異なります。まずは正しい診断を受けることが大切です。原因が内耳の病気であれば、めまいや吐き気を抑える薬、血流を改善する薬などを使いながら、安静や生活習慣の改善を図ります。ここでは特定の薬の名前は出しませんが、医師があなたの症状に合わせて適切な治療法を選びます。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息と睡眠をとる
- 急に頭を動かさず、ゆっくり動く
- 暗い場所を避け、安定した明るさの中で過ごす
- 水分をこまめにとる(吐き気が強いときは少しずつ)
- カフェインやアルコールを控える
- 強い音を避け、イヤホンの音量を小さくする
- ストレスをためない工夫をする(深呼吸、好きなことをするなど)
医療治療
医師の診断に基づいて、吐き気を抑える薬、めまいを改善する薬、血流やホルモンバランスを調整する薬などが処方されることがあります。また、耳の周りの筋肉をリラックスさせる体操や、認知行動療法(考え方や感じ方に働きかける心理療法)が役立つ場合もあります。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
まれに、薬で改善しない内耳の病気や、腫瘍が原因で症状が出ている場合には、手術を検討することがあります。ただし、ほとんどの場合は薬物療法と生活習慣の改善で症状が落ち着きます。手術が必要かどうかは、耳鼻咽喉科の専門医が検査結果をもとに判断します。
この病気と共に生きる
耳鳴りと吐き気があると、気分がすぐれず、生活に支障を感じることもありますね。無理をせず、休めるときは休むことが大切です。めまいがある日は、スマートフォンを見る時間を短くし、目を休めると楽になることもあります。吐き気が続くときは、こまめに水分をとり、食事は少量ずつに分けてとるようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 寝る前にスマートフォンやパソコンを見すぎない
- 就寝時間と起床時間を一定にして睡眠リズムを整える
- ストレスを発散する方法を見つける(ウォーキング、入浴、音楽など)
- 耳を掃除しすぎない(綿棒で奥まで掃除すると耳を傷つけることがあります)
- 大きな音の場所では耳栓を使う
食事と運動
食事は規則正しく、バランスよくとることが基本です。塩分をとりすぎるとめまいの症状が悪化しやすいといわれているため、味付けは控えめにしましょう。運動は、めまいが落ち着いている時期に、無理のない範囲でウォーキングなどの軽い有酸素運動を行うと血行が良くなり、症状の改善につながります。体調が悪い日は無理に運動をせず、休んでください。
精神的健康と心の健康
耳鳴りや吐き気が続くと、イライラしたり、不安になったり、気分が落ち込んだりすることがあります。また、眠れない夜が続くと症状がさらに悪化することもあります。「自分だけがつらい」と思わずに、周りの人に話したり、医師に相談したりしてください。必要に応じて、心のケア(カウンセリング)も選択肢の一つです。
予防
耳鳴りと吐き気のすべてを予防することはできませんが、日常生活の中でリスクを減らすことはできます。大きな音を避ける、十分な睡眠をとる、ストレスをためない、塩分を控えめにするなどの工夫が役立ちます。また、風邪や中耳炎を繰り返さないように、手洗い・うがいをしっかり行いましょう。
ワクチン
内耳の炎症を引き起こす原因となる感染症(風邪やインフルエンザなど)を予防するために、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチンが勧められることがあります。予防接種については、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
定期的な健康診断で血圧や血糖値をチェックし、高血圧や糖尿病をきちんと管理することが間接的な予防につながります。聴力の低下が気になる方は、耳鼻咽喉科で定期的に聴力検査を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- めまいがひどくなり、転倒やけがのリスクが高まります。
- 難聴が進行すると、人との会話が聞き取りにくくなることがあります。
- まれに、脳卒中や腫瘍など重大な病気が隠れていることがあります。
- 症状が長く続くと、不安や抑うつ状態になることがあります。
長期的な見通し
多くの場合、適切な診断と治療により、症状は改善したり、うまく付き合っていく方法を見つけたりすることができます。突発性難聴のように、早く治療を始めるほど回復の可能性が高まるものもあります。つらい症状ですが、あきらめずに治療に取り組むことが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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