夜に気になる扁桃腺の症状(のどの痛み・いびき・違和感)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
扁桃腺はのどの奥にあるリンパの組織で、細菌やウイルスから体を守る働きをしています。夜になると、日中よりものどの痛みや違和感が強くなることがあります。これは、寝ているあいだに唾液が減ってのどが乾燥しやすいことや、呼吸の仕方・寝ている姿勢が影響することが関係しています。
重要な事実
- 扁桃腺は免疫の一部として感染症から体を守っています。
- 夜間は唾液の分泌が減るため、のどの炎症や痛みがひどく感じられやすいです。
- 大きくなった扁桃腺は、いびきや睡眠時無呼吸(寝ている間に呼吸が止まること)の原因になることがあります。
- 扁桃腺のくぼみに細菌などがたまると、扁桃石(のどの違和感や口臭の原因)ができることがあります。
とても身近な症状です。かぜやアレルギー、空気の乾燥などで、夜ののどのトラブルを経験する人は多くいます。多くは自然に落ち着いたり、簡単なケアで改善します。
子どもから高齢者まで幅広く見られます。特に、のどの感染をくり返しやすい人、アレルギー体質の人、もともと扁桃腺が大きい人に多く見られます。
症状
- のどが突然はれて息ができない、息が苦しい
- 唇や顔色が青紫色になる(チアノーゼ)
- よだれが止まらず、飲み込めない
- 呼吸をすると「ヒュー」という音がする(ぜん鳴)
- ⚠高熱が続く(38度以上)
- ⚠のどの痛みが強く、水も飲めない
- ⚠のどや首の片側だけがはれて痛む
- ⚠口を大きく開けられない
- ⚠いびきがひどく、睡眠中に呼吸が止まる瞬間がある
一般的な症状
- 夜、のどが痛む・ヒリヒリする
- 飲み込むときのどの奥が痛い
- のどに何か引っかかるような違和感がある
- 夜中にのどが乾いて目が覚める
- 大きい扁桃腺によるいびき
- 朝の口臭やのどの不快感
子供の症状
- 寝ている間にいびきや口呼吸が目立つ
- いびきの途中で呼吸が止まるように見える
- 寝相が悪い、夜中に起きやすい
- のどが痛くて食事を嫌がる
- 夜にせき込むことがある
高齢者の症状
- のどの痛みが弱くても、異物感や乾燥を強く感じることがある
- 夜間の飲み込みづらさや誤えん(食べ物などが気管に入る)に注意が必要
- 逆流性食道炎(胃酸がのどに上がってくる)による症状が夜に悪化しやすい
原因
主な原因
- ウイルスや細菌による感染症(かぜ、咽頭炎、扁桃炎)
- アレルギー性鼻炎や後鼻漏(鼻水がのどに落ちる)
- 逆流性食道炎(胃酸が食道やのどに逆流する)
- 乾燥した空気によるのどの乾燥・口呼吸
- 扁桃石(扁桃腺のくぼみにたまった塊)
- タバコやアルコールの刺激
リスク要因
- 扁桃炎をくり返す
- アレルギーや喘息がある
- 睡眠時無呼吸がある
- 喫煙・過度の飲酒
- 口呼吸・鼻づまり
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- のどがはれて息苦しい
- 高熱があり、のどがはれて眠れない
- 扁桃腺に白や黄色の膿(うみ)が見える
- 首のリンパ節がはれて痛む
定期受診を予約すべき場合:
- 夜のいびきや呼吸が止まる感じが続く
- のど風邪をくり返す
- のどの違和感や口臭が長く続く
- 夜間ののどの痛みがしばしば気になる
診断
医師は、あなたの症状や経過を聞き、のどの中をライトで照らして観察します。必要に応じて、細菌感染の有無を調べる検査や、睡眠時の呼吸状態を調べる検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- のどを観察する診察
- 症状についての問診
- のどぬぐい検査(細菌を調べる)
- 睡眠時無呼吸が疑われる場合は睡眠検査(自宅でできる場合もある)
診察で予想されること
診察は短時間で、特別な準備は必要ありません。のどにライトを当てて見る程度なので痛みはほとんどありません。必要があれば、血液検査や画像検査が追加されることもあります。
治療
治療は原因によって異なります。細菌感染が疑われる場合は抗生物質が使われることがありますが、のどを保湿したり温めたりするなどの対症療法も大切です。自己判断での薬の使用は避けて、まずは医師に相談してください。
自宅でのセルフケア
- 寝室を加湿して、のどの乾燥を防ぐ
- 塩水または白湯でうがいをする
- 寝るときに頭を少し高くすると、鼻づまりや逆流の症状がやわらぎやすい
- 刺激のある食べ物・飲み物を避け、温かい飲み物を少しずつ飲む
- タバコや過度のアルコールを控える
医療治療
医師は炎症を抑える薬や、痛みを和らげる薬を処方することがあります。細菌感染には抗生物質、アレルギーが原因なら抗アレルギー薬など、原因に合わせて治療を行います。市販薬を選ぶ時は、医師または薬剤師に相談しましょう。
手術が検討される場合
扁桃腺が大きすぎて睡眠時無呼吸が起こる場合や、扁桃炎をくり返す場合には、扁桃腺を摘出する手術(扁桃摘出術)が検討されることがあります。手術が必要かどうかは、耳鼻咽喉科専門医の診察と、症状や生活への影響を総合的に判断して決まります。
この病気と共に生きる
夜の症状を減らすために、睡眠環境を整え、口呼吸を防ぐ工夫をすると安心です。症状が長く続く場合は、無理に我慢せずに医療機関へ相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 横向きで寝る(いびきが軽減しやすい)
- 寝る前の食事を控え、逆流を予防する
- こまめに水分をとり、のどを潤す
- 毎日のうがい・手洗いを習慣にする
食事と運動
のどが痛いときは、おかゆ・うどん・スープなど刺激が少なくやわらかい食事が食べやすいです。激しい運動は避け、しっかり休むことを心がけましょう。
精神的健康と心の健康
夜ぐっすり眠れないと、疲れやいら立ち、気分の落ち込みがでることがあります。もし心がつらいと感じたら、一人で抱え込まず、医師や家族に相談してください。
予防
完全に予防するのは難しいですが、のどを清潔に保ち、乾燥や刺激を避けることで、症状の頻度を減らせることがあります。
ワクチン
インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなど、感染症を予防する予防接種が重症化を防ぐために役立つことがあります。対象年齢などは厚生労働省の情報やかかりつけ医にご相談ください。
検診プログラム
扁桃腺だけを対象にした定期検診はありません。ただし、いびきや睡眠時無呼吸が気になる場合は、健康診断の機会に相談してみましょう。
合併症
治療しない場合
- 扁桃周囲膿瘍(のどの深い部分に膿がたまる)
- 睡眠時無呼吸による高血圧や心臓への負担
- 細菌が全身に広がる(まれにリウマチ熱などを引き起こす)
- 慢性的な口臭やのどの違和感が続く
長期的な見通し
扁桃腺のトラブルは、原因に合わせて治療すれば、多くの場合きちんと改善します。夜間の不快感も、適切なケアと必要に応じた医療でずいぶん楽になります。医師と一緒に、自分に合った対処法を見つけていきましょう。
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地域の団体
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 · 日本
- 厚生労働省 · 日本
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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