片方の腎臓しかない(単腎)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
片方の腎臓しかない状態(単腎)とは、生まれつき腎臓が片方だけだったり、病気やけがで片方を摘出したために、腎臓が一つだけになった状態です。腎臓は血液をろ過して尿を作る大切な臓器で、一つでも正常に働けば、多くの場合、日常生活に大きな支障はありません。
重要な事実
- 腎臓は1つでも、残った腎臓が健康であれば、体に必要なろ過機能を十分に果たせます。
- 定期的な健康診断や医師のフォローアップが大切です。
- けがを避けるために、コンタクトスポーツなどは注意が必要な場合があります。
- 高血圧やたんぱく尿などのサインを見逃さないことが重要です。
生まれつき腎臓が片方だけの人は、およそ1000人に1人と言われています。また、腎臓がんや重い感染症などで片方の腎臓を摘出する手術を受ける人も多いため、単腎の方は決して珍しくありません。
生まれつきの単腎は男女ともに見られます。また、腎臓の提供者(ドナー)や腎臓の病気で手術を受けた方にも当てはまります。
症状
- 突然、まったく尿が出なくなった
- 息苦しさや胸の痛みがある
- 意識がもうろうとする
- ⚠尿に血が混じる(肉眼で見てわかる血尿)
- ⚠腰やわき腹に激しい痛みがある
- ⚠38度以上の熱があり、悪寒や震えを伴う
一般的な症状
- 多くの場合、片方の腎臓だけでも特に自覚症状はありません。
- 健康診断の尿検査や画像検査で偶然見つかることがほとんどです。
子供の症状
- 生まれつきの単腎の赤ちゃんは、おなかの中の超音波検査で見つかることが多いです。
- 特に症状はなく、成長に大きな影響はないことがほとんどです。
- ただし、尿路感染症(尿の通り道の感染)を起こしやすくなる場合があります。
高齢者の症状
- 加齢に伴い、残った腎臓の機能が徐々に低下することがあります。
- むくみや疲れやすさ、血圧の上昇などに注意が必要です。
原因
主な原因
- 生まれつき(先天性):胎児のときに腎臓が一つだけ発達する。
- 手術による摘出(腎摘出術):腎臓がん、重い感染症、大きな結石、腎臓提供(ドナー)などのため。
- けがや事故で腎臓を失う。
- 重い腎臓病で機能しなくなり、摘出する場合もある。
リスク要因
- 家族に腎臓の病気や単腎の方がいる場合(先天性単腎のリスクがやや高まります)。
- 腎臓がんや尿路の病気のリスク因子(喫煙、肥満、高血圧など)がある場合。
- 腎臓提供者(ドナー)になる場合。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 尿が出にくい、または尿の量が極端に減った
- 血尿がある
- 激しい腰やわき腹の痛みがある
- 高熱とともに体のふるえがある
定期受診を予約すべき場合:
- 年に1回は健康診断と尿検査、血液検査を受けるのがおすすめです。
- 腎臓のエコー(超音波)検査を定期的に受けると、残った腎臓の状態を確認できます。
- 少しでも尿の異常や体調の変化を感じたら、遠慮なく医師に相談しましょう。
診断
多くは健康診断やほかの病気の検査中に、画像検査で偶然見つかります。
行われる可能性のある検査
- 超音波(エコー)検査:腎臓の形や大きさ、血流を調べます。
- 血液検査:クレアチニン値などから腎臓のろ過機能を評価します。
- 尿検査:たんぱく尿や血尿の有無を確認します。
- CT検査:より詳しい腎臓の形や位置、問題の有無を調べます。
- 腎シンチグラフィー:必要に応じて、腎臓の働きを詳しく調べることもあります。
診察で予想されること
医師から「片方の腎臓ですね」と言われても、すぐに治療が必要なわけではありません。検査結果をもとに、今後の生活の注意点や定期的なフォローアップの計画を一緒に決めていきます。
治療
片方の腎臓しかないこと自体は病気ではありません。そのため、特別な治療は基本的に必要ありません。大切なのは、残った一つの腎臓を長く健康に保つためのケアです。
自宅でのセルフケア
- 十分な水分をとる(1日1.5~2リットルを目安に、ただし心臓や腎臓の状態により調整が必要な場合があります)。
- 塩分のとりすぎに注意する(高血圧を予防します)。
- 便秘を避ける(いきみすぎは腎臓に負担をかけることがあります)。
- 定期的に血圧を測り、高血圧に気をつける。
- 医師に相談せずに市販の鎮痛薬を長期・大量に使わない(腎臓に負担をかける可能性があります)。
医療治療
残った腎臓の機能が低下してきた場合、医師は生活指導や血圧管理のための薬、食事療法(たんぱく質制限など)を提案することがあります。具体的な治療法は腎臓の状態や全身の健康によって異なり、医師が一人ひとりに合わせて決めます。
この病気と共に生きる
片方の腎臓だけでも、無理のない範囲で普段通りの生活ができます。ただし、残った腎臓を守るために、けがを避けることと定期的な健康チェックを心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 激しいぶつかり合いのあるスポーツ(ラグビー、ボクシング、柔道など)は避けるか、保護具をつけて参加する。
- シートベルトを正しく着用し、交通事故から体を守る。
- お酒は適量を守り、たばこは控える(またはやめる)。
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、とくに塩分を控えめにすることで残った腎臓の負担を減らせます。適度な運動(ウォーキングや軽いジョギングなど)は血圧や体重の管理に役立ちますが、激しい運動やけがのリスクが高い運動は避けましょう。
精神的健康と心の健康
片方しかないと知って不安になる方もいますが、多くの人は問題なく生活しています。不安やストレスが強いときは、家族や医師に話したり、カウンセリングを利用することも考えてみてください。
予防
生まれつきの単腎は予防できません。しかし、残った腎臓を健康に保つための生活習慣を心がけることはできます。高血圧や糖尿病を予防・管理することが、腎臓を守る重要なポイントです。
ワクチン
かぜや肺炎などの感染症は腎臓に負担をかけることがあります。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなど、医師と相談して必要な予防接種を受けることを検討しましょう。
検診プログラム
年に一度の健康診断(尿検査、血液検査、血圧測定)を必ず受けましょう。腎臓の状態を定期的に画像検査でチェックすることも推奨されます。
合併症
治療しない場合
- 残った腎臓に負担がかかり続けると、腎機能が徐々に低下することがあります。
- 高血圧やたんぱく尿が続くと、将来、慢性腎臓病(CKD)に進むリスクがあります。
- ごくまれに、残った腎臓にも同じ病気(腎臓がんなど)が発生する可能性があります。
長期的な見通し
片方の腎臓しかなくても、多くの人は生涯にわたって健康を維持できます。定期的に医師のチェックを受け、健康的な生活習慣を続ければ、腎臓の機能を長く保つことは十分に可能です。希望を持って、前向きに生活していきましょう。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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