めまいが繰り返し起こる:つらい症状と上手な付き合い方
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
めまいが起きたり治まったりする症状のことをいいます。耳の中のバランスを感じる器官(内耳)や、目、首、脳の働きに原因があることが多いですが、はっきりしないこともあります。特別な病気というより、症状の名前ととらえてください。
重要な事実
- めまいの多くは、回る・ふわふわする・立ちくらみなどの形で数秒から数時間続きます
- 原因は内耳のトラブルが半分以上を占めますが、脳の病気が原因のこともあります
- 安静にすると治まる場合と、動くと悪くなる場合があり、正しい診断が大切です
とてもよくある症状です。生涯に一度は約4人に1人が経験すると言われており、特にめまい専門外来を受診する方の大部分は繰り返すめまいに悩まされています。
どの年齢でも起こりますが、特に50歳以上で増えます。女性は男性よりやや多いと言われています。また、ストレスや睡眠不足が続いている人、首や目の疲れが強い人にもみられやすいです。
症状
- 突然の強い頭痛、ふらつきに加えて片方の手足が動かしにくい・しびれがある
- 言葉がうまく話せない、相手の言っていることが分からない
- 顔の半分がゆがむ、視力の急な低下やものが二重に見える
- 気を失った、または意識がもうろうとしている
- 激しい吐き気や嘔吐が続き、水分も取れない
- ⚠めまいに加えて、耳が聞こえにくい、耳鳴りが一気に強くなった
- ⚠めまいが1時間以上続いて治まらない
- ⚠発熱や首の強いこわばりをともなう
- ⚠最近頭をぶつけたことがある
- ⚠胸の痛み、動悸(どうき)、息苦しさをともなう
一般的な症状
- 自分や周囲がぐるぐる回る感じ(回転性めまい)
- ふわふわと船に揺られているような感じ
- 立ち上がったときにクラッとする立ちくらみ
- 吐き気や嘔吐(おうと)をともなうこともある
- ふらついてまっすぐ歩きにくい
- 耳鳴りや耳の詰まり感、聞こえにくさをともなうこともある
子供の症状
- 子どもはめまいの訴えが苦手で、言葉にできないことがあります
- 急にじっと動かなくなる、目をこする、頭を押さえるなどの行動から気づくことがあります
- 転びやすくなったり、よちよち歩いたりすることもあります
- 小児のめまいは、片頭痛(へんずつう)に関係することがよくあります
高齢者の症状
- めまいが原因で転倒しやすくなります
- 回転感覚よりも「立っているのが不安定」と感じることが多いとされています
- 首や背中、股関節など加齢による変化が影響することがあります
- 薬の副作用でめまいが起こる場合もあるため、服用中は医師に相談が必要です
原因
主な原因
- 良性発作性頭位めまい症: 耳の奥の小さな石(耳石)がはがれて、バランスを感じる器官を刺激することで起こる、最も頻度の高いタイプです
- 前庭神経炎: 内耳につながる神経がウイルスなどで炎症を起こし、強い回転性めまいが突然起こります
- メニエール病: 耳の内側にリンパ液がたまり、めまい、耳鳴り、難聴、耳の詰まり感を繰り返します
- 前庭性片頭痛: 片頭痛の一種で、めまいと頭痛が同時または別々に起こります
- 血圧の変化や不整脈など循環器のトラブル
- ストレスや睡眠不足、目や首の疲れによるふらつき
リスク要因
- 年齢(特に高齢になると増える)
- 女性、または片頭痛の遺伝的な傾向がある
- 強いストレスや睡眠不足が続いている
- 首や肩のこり、悪い姿勢が続いている
- 塩分の取りすぎや水分不足
- 乗り物酔いしやすい体質
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 初めての強いめまいがあり、吐き気や冷や汗をともなう
- めまいと同時に、手足のしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見えるなどの神経症状がある
- 意識が一瞬でもなくなりかけた
- 耳の聞こえが急に悪くなった
定期受診を予約すべき場合:
- めまいが数日おきに繰り返し、日常生活に支障が出ている
- 朝起きたときや寝返りを打ったときによく起こる
- 慢性的にふらつきが続き、歩くときに不安を感じる
- めまいのために転倒しそうになった、または転んでケガをした
診断
まず医師が、いつから・どのくらい・どんな場面でめまいが起こるのか、ほかに症状があるかどうかを詳しく聞きます。そのうえで、目や耳の動き、手足の力、感覚などを調べ、原因を推定します。耳鼻咽喉科だけでなく、必要に応じて脳神経内科や循環器科などが連携して診断することもあります。
行われる可能性のある検査
- 問診: 症状の詳細を聞き取り、方向性を確認します
- 平衡機能検査: 身体のバランスや目の動きを調べます
- 聴力検査: メニエール病などの内耳の病気を見分けるために役立ちます
- 頭部の画像検査: 脳卒中など脳の病気が疑われる場合に行われます
- 血圧測定: 立ち上がったときの血圧の変化を調べます
- 血液検査: 貧血や甲状腺の病気などがないかを調べます
診察で予想されること
めまいの原因を診断するには時間がかかることがあります。症状を繰り返す場合は、日記をつけて、いつ、どのくらい、何をしていたとき起こるかをメモしておくと診断に役立ちます。検査自体は痛みをともなうものが少なく、負担は小さいです。
治療
治療は原因に合わせて行います。突然の強いめまいには安静と吐き気への対応が中心になり、繰り返すめまいには発作を予防する取り組みを行います。薬は症状を和らげる補助として使われることがありますが、原因を根本的に治すものではないこともあります。また、めまいを引き起こす耳石を元の場所に戻す手技(頭をゆっくり動かす治療)や、目の動きと姿勢のトレーニングによる平衡リハビリテーションが有効な場合もあります。具体的な治療法は、必ず医師と相談して決めてください。
自宅でのセルフケア
- めまいが起こったら、安全な場所に座るか横になり、頭を動かさず安静にする
- ゆっくりした動作で立ち上がる、首を動かす
- 水分をこまめに取り、空腹や疲れを避ける
- 睡眠を十分に確保し、ストレスをため込まない
- 発作の記録をつけて、どんな場面で起こるかを知る
医療治療
医師の診断のもと、めまいを抑える薬や吐き気を和らげる薬が短期間使われることがあります。また、原因によっては炎症を抑える治療や、血圧を安定させる治療、内耳の圧力を調整する機器を使った治療が行われることがあります。薬物療法は症状を緩和することを目的とし、継続的な管理には生活習慣の見直しも重要です。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
外科手術が必要になることはまれです。メニエール病などで十分な治療効果が得られず、強いめまいが繰り返し高い頻度で起こる場合に、医師と相談のうえ検討されることがあります。ただし、通常は保存的治療(手術以外の治療)をまず行います。
この病気と共に生きる
めまいを繰り返すときは、急に立ち上がらず、ふらつきそうな場所がないか周囲を確認してから動くようにしましょう。浴室や階段には手すりを付けるなど、転倒対策も役立ちます。発作の起こりやすい時間帯や動作を把握すると、日常生活の予定を立てやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活で睡眠を確保する
- ストレスを発散する習慣を持つ(散歩、深呼吸、趣味など)
- カフェインやお酒をとりすぎない
- 長時間同じ姿勢を崩さず、こまめに休憩する
- 目や首の疲れをためないように、作業中の姿勢に注意する
食事と運動
塩分の取りすぎは内耳に影響することがあるため、薄味を心がけましょう。水分はこまめに補給します。運動は、自転車や早歩きなど、症状が落ち着いているときに無理のない範囲で続けると、バランス感覚を保つのに役立ちます。めまいが強い時期は無理をせず、休養を優先してください。
精神的健康と心の健康
繰り返すめまいは、いつ起こるかわからない不安や、外出を控えたいという気持ちにつながり、心の健康に影響をおよぼすことがあります。ふさぎ込みや不安感が強くなる場合は、無理に我慢せず、かかりつけ医や相談機関に話してください。
予防
すべてのめまいを予防することはできませんが、繰り返すめまいの頻度を減らすことは可能です。睡眠不足、ストレス、塩分の取りすぎ、脱水などを避け、日頃からバランス感覚を保つ運動を取り入れることが役立ちます。耳石が原因のタイプでは、頭を急に動かさない、高いところから飛び降りないなどの注意が予防につながります。
ワクチン
めまいそのものを直接予防するワクチンはありません。ただし、ウイルス感染がきっかけとなる前庭神経炎の予防には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)など小児期のワクチン接種が役立つ場合があります。予防接種の対象や接種時期については、医師や保健センターに相談してください。
検診プログラム
定期的な健診で血圧や血液の状態をチェックし、動脈硬化や貧血などの異常を見つけておくことは、めまいの予防と早期対応に役立ちます。めまいが続く場合は、自己判断せずに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 転倒による骨折や頭部のけが
- めまいへの恐怖から活動が減り、筋力低下や外出困難(外にうまく出られなくなること)を招く
- 繰り返す発作による不安やうつ状態の悪化
- めまいの原因が脳卒中などの深刻な病気の場合、治療が遅れると命にかかわることがある
長期的な見通し
めまいの多くは、原因を特定して適切な治療と生活調整を行うことで、頻度や強さを大きく減らせます。良性発作性頭位めまい症は自然に治ることも多く、数週間から数ヵ月で改善する方がほとんどのため、希望を持って治療に取り組んでください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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