めまいと倦怠感(疲労感)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
めまいと倦怠感(疲労感)が同時に起こる状態は、耳の奥にある内耳(平衡感覚をつかさどる器官)のトラブルや、ストレス、睡眠不足、自律神経の乱れなど、さまざまな原因で起こります。めまいは原因となる病気の症状として現れることもあれば、疲労そのものがめまいを悪化させることもあります。この記事では、めまいと疲労感の背景や症状、受診のめやす、日常生活の工夫について、わかりやすく説明します。
重要な事実
- めまいは「ぐるぐる回る」「ふわふわする」「立ちくらみ」など、タイプがさまざまです。
- 疲労感はめまいの原因にも、結果として続くこともあります。
- 原因の多くは命にかかわるものではありませんが、原因を調べて適切に対処することが大切です。
めまいと疲労感は、耳鼻咽喉科を受診する方の中でも非常に多い訴えのひとつです。特に働き世代や高齢の方に頻繁にみられます。
年齢を問わず起こりますが、20代から50代の女性、強いストレスを抱える方、睡眠不足の方、高齢の方に多くみられます。
症状
- めまいに加えて、顔のゆがみ、片方の手足のしびれや力が入らない
- ろれつが回らない、言葉が出にくい
- 突然の強い頭痛
- 意識がもうろうとする、または意識を失った
- 胸の強い痛みや息苦しさを伴う場合
- このような症状がある場合は、すぐに119番へ連絡してください。
- ⚠激しい吐き気で水分が取れず、ぐったりしている
- ⚠立っていることができないほどのめまい
- ⚠急に耳が聞こえにくくなった、または耳鳴りが強くなった
- ⚠高熱を伴うめまい
- ⚠頭を打った後にめまいやだるさが出た
一般的な症状
- ぐるぐる回るめまい
- ふわふわ浮くような、または自分が揺れるような感覚
- 立ち上がったときのふらつき
- 吐き気やおう吐
- 耳鳴り、聞こえにくさ
- 体が重くて疲れやすい
- 頭がぼんやりする、集中できない
子供の症状
- 突然のめまいを訴える
- はき気やおう吐が急に起こる
- 歩くのが不安定になる
- 顔色が青白くなる、うつろな表情
- 頭を抱えたり、じっと動かなくなったりする
高齢者の症状
- めまいで転倒しやすくなる
- フラつきが続き、歩くのがおっくうになる
- 活動量が減って筋力や体力が低下する
- 持病や服用中の薬の影響が隠れていることがある
- 耳鳴りや聞こえの低下を伴うこともある
原因
主な原因
- 内耳(耳の奥の平衡感覚をつかさどる部分)の病気やトラブル
- ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ
- 貧血や低血圧で脳への血流が不足すること
- 薬の副作用
- 首の筋肉や背中の緊張(肩こり)
- 不安やうつなどの心の不調
リスク要因
- 過度の仕事や家事のプレッシャー
- 睡眠不足、不規則な生活
- 水分不足、偏った食事
- 長時間のデスクワークやスマートフォンの使いすぎ
- 女性の場合は月経や妊娠によるホルモンの変化
- 加齢による平衡感覚や体力の低下
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- めまいが突然起こり、激しい吐き気やおう吐が続く
- 聞こえにくさや耳の音に対する違和感が急に出た
- 立っていられないほどのふらつきがある
- 頭を打った後や首を強く動かした後に起こった
- めまいとだるさで食事や水分が全く取れない
定期受診を予約すべき場合:
- めまいと疲れが繰り返し、仕事や家事に支障が出ている
- めまい発作が数分から数時間続くことがある
- ふらふら感が何か月も続いている
- 自分で運転や階段の上り下りが不安に感じる
- 年単位で症状がよくなったり悪化したりする
診断
耳鼻咽喉科では、まず症状の詳しい話を聞きます。いつからどのように始まったか、どんな時に起こるか、どれくらい続くかなどが重要です。その上で、目の動きや体のバランス、耳の状態を調べ、必要に応じてさらに詳しい検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の内容と経過の詳細な聞き取り)
- 目の動きを見る検査(眼振検査)
- 耳の状態を診る耳鏡検査
- 聴力検査
- 体のバランスを測定する検査
- 頭を動かしてめまいを誘発する検査
- 必要に応じて、MRIやCTなどの画像検査
診察で予想されること
受診の際は、めまいが起きたときの状況(時間帯、動作、疲労度など)をメモにしておくと、より正確な診断につながります。検査結果にもとづき、医師があなたに合った治療方針を説明してくれます。
治療
治療は原因に応じて異なりますが、多くはめまいを和らげるための薬や、平衡感覚を訓練するリハビリテーション(前庭リハビリテーション)、生活習慣の見直しを組み合わせて行います。まずは原因を特定することが大切です。
自宅でのセルフケア
- 立ち上がるときは、ゆっくり動作をする
- めまいを感じたら、安全な場所で座るか横になる
- 水分をこまめに補給する
- 十分な睡眠をとり、疲れをためない
- ストレスを避け、こまめに気分転換をする
- 飲酒やカフェインの摂りすぎに注意する
- めまいを誘発しやすい動作(急に振り返るなど)を避ける
医療治療
医師の指示にしたがい、めまいや吐き気を抑える薬が処方されることがあります。また、内耳の炎症などの原因があれば、その原因を治療する薬が選ばれます。長く続くめまいに対しては、目と体の動きを慣らす平衡感覚のリハビリテーション(前庭リハビリテーション)がすすめられることがあります。どの治療法も、必ず医師の診断と指示に基づいて行われます。
手術が検討される場合
めまいの原因が内耳の構造的な問題やまれな腫瘍などによる場合には、専門医と相談のうえ手術が検討されることがあります。ただし、多くのめまいでは手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
めまいが続くと、転倒や事故が心配になります。自宅では手すりや段差の解消など、環境を整え、動きをゆっくりにしましょう。また、疲労をためないために、仕事や家事の合間に休憩をとることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 起床時や入浴後は、血圧が変わりやすいためゆっくり動く
- 飲酒や喫煙は控えめにする
- ウォーキングなど、無理のない運動を医師に相談しながら続ける
- スマートフォンの長時間使用による首のコリに注意する
- 寝る前のカフェインを避け、睡眠の質を高める
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、とくに鉄分(赤身の肉、魚、レバー、ほうれん草など)を意識してとることで貧血予防になります。運動は、激しいものではなく、自宅でできるストレッチや軽いウォーキングを無理のない範囲で行いましょう。
精神的健康と心の健康
めまいや疲労が続くと、不安になったり気分が落ち込んだりすることがあります。これは決して珍しいことではありません。つらい気持ちがあるときは、一人で抱え込まず、医療機関やカウンセラーに相談してください。また、強い不安や自傷の考えがある場合は、すぐに精神科医療機関または119番へ連絡してください。地域のこころの健康相談窓口は、自治体のホームページや保健所で確認できます。
予防
めまいと疲労を完全に防ぐことはできませんが、ストレスをためない、十分な睡眠をとる、規則正しい生活を送ることで、発症のリスクを下げられる可能性があります。また、めまいを起こしやすい動作を知り、それを避けることも予防になります。
合併症
治療しない場合
- めまいによる転倒で骨折や頭部のけがをしやすくなる
- 慢性的なめまいで、車の運転や仕事、家事などの日常生活に支障が出る
- だるさが続き、うつ状態や外出がおっくうになることがある
- 高齢の場合は、活動量が減って筋力低下やフレイル(虚弱)が進む
長期的な見通し
めまいと疲労感は、原因をきちんと調べて治療を続けることで、多くの方で改善します。数週間から数か月かかることもありますが、無理をせず医師の助言に従いながら生活することで、状態はよい方向に向かいます。まずは耳鼻咽喉科で相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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