摂食障害
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Health topics A–Z(2024)
- NHS—Health A to Z(2024)
- CDC—Health topics(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
摂食障害(せっしょくしょうがい)とは、食べることや体重、体型に対する考え方や行動に問題が生じる心の病気です。食べる量を極端に制限したり、一度に大量に食べてしまったり、それを取り戻すために無理な行動をとったりします。これは「食生活の乱れ」ではなく、専門的な治療が必要な病気です。
重要な事実
- 摂食障害は甘えやわがままではなく、脳の機能や心理的な問題が関わる病気です。
- 最も多いのは10代~20代の若い女性ですが、男性や中高年にも見られます。
- 早期に発見し、適切な治療を受けることで回復が可能です。
- 体重や体型への強いこだわりが特徴で、健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。
日本では10代から20代の女性の約0.5~1%が摂食障害と診断されています。最近では男女や年齢層を問わず患者数が増えています。
10代後半から20代前半の女性に最も多く見られますが、男性、子ども、高齢者にも発症することがあります。スポーツ選手やモデルなど体型を重視する職業の人にも多く見られます。
症状
- 意識を失ったり、けいれんを起こしたりする
- 心臓がバクバクする、胸の痛みがある
- 呼吸が苦しい、呼吸が止まりそう
- 自傷行為や自殺の危険がある
- ⚠体重が極度に減少し、立っていられないほど弱っている
- ⚠嘔吐や下痢が続き、脱水症状(口が渇く、尿が出ない)が見られる
- ⚠食べ物を全く受け付けず、水も飲めない
- ⚠極度の疲労感で日常生活が送れない
一般的な症状
- 極端な食事制限や断食を繰り返す
- 一度に大量の食べ物を食べてしまい、その後嘔吐や下剤の乱用などで体重増加を防ごうとする
- 体重や体型に対する極度の不安やこだわり
- 食べることへの罪悪感や強いストレス
- 体重が急激に減る、または増える
子供の症状
- 成長に合わせた体重増加が見られない
- 食事を抜いたり、食べる量を隠したりする
- 食べ物に異常な興味を示す一方で、食べることを拒否する
- 過度の運動を行う
- 身長や体重の変化に過敏に反応する
高齢者の症状
- 体重減少や栄養不良を老化のせいだと思い、気づかれにくい
- 食事を抜く理由を「食欲がない」と言い、無理に食べようとしない
- 体重へのこだわりよりも、体型への不満が強い
- うつ症状や不安感を伴うことが多い
原因
主な原因
- 遺伝的要因:家族に摂食障害や他の精神疾患を持つ人がいるとリスクが高まります。
- 心理的要因:完璧主義、自己評価の低さ、不安やうつなどが関係します。
- 社会的要因:やせていることが美しいという社会的なプレッシャーや、ダイエット文化の影響。
- 脳の機能の問題:食欲や満腹感を調節する脳の仕組みがうまく働かないことがあります。
リスク要因
- 思春期や青年期などの年齢
- 女性であること(ただし男性も発症します)
- 体重や体型を気にするスポーツや職業(ダンス、体操、モデルなど)
- 家族や周囲の食べ物に対する態度
- 過去のトラウマや虐待の経験
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 体重が急激に減っている、または増えている
- 嘔吐や下剤の乱用をやめられない
- 意識を失ったり、けいれんを起こした
- 自分や他人を傷つけたい気持ちがある
定期受診を予約すべき場合:
- 食べることに強い不安やストレスを感じる
- 食事のコントロールができず困っている
- 体重や体型を気にしすぎて日常生活に支障が出ている
- 家族や友だちから食べ方について心配されている
診断
医師があなたの話をじっくり聞き、症状や生活の様子を詳しく調べます。体重や身長の測定、血液検査なども行います。診断には厚生労働省のガイドラインに基づいた基準が使われます。
行われる可能性のある検査
- 面接による症状の確認
- 体重や身長の測定(体格指数BMI)
- 血液検査(栄養状態や電解質のバランスを調べる)
- 心電図(心臓への影響をチェック)
診察で予想されること
初めての診察では、食事の内容や体重の変化、気持ちについて質問されます。答えにくいこともあるかもしれませんが、正直に話すことが大切です。診断が確定するまでに数回の通院が必要なこともありますが、焦らずに自分のペースで話しましょう。
治療
摂食障害の治療は、心と体の両方にアプローチします。多くの場合、外来で行えますが、症状が重いときは入院治療が必要になることもあります。治療の目標は、健康的な食習慣を取り戻し、体重を標準範囲に戻し、再発を防ぐことです。
自宅でのセルフケア
- 規則正しい食事の時間を心がける(無理のない範囲で)
- 体重や体型へのこだわりを手放す練習をする
- ストレスをためない方法を見つける(趣味やリラックス法)
- 信頼できる人に気持ちを話す
- 医師や栄養士のアドバイスを守る
医療治療
治療では、心理療法(認知行動療法など)が中心に行われます。栄養指導や食事計画のサポートも行われます。症状によっては、医師が精神的な安定を助ける薬を処方することがあります(薬の名前や用量は医師が個別に決めます)。入院治療では、点滴や経管栄養で栄養状態を改善することもあります。
手術が検討される場合
摂食障害そのものに手術は行われません。ただし、長期的な栄養不良による合併症(例えば骨粗しょう症や歯の損傷)に対しては、整形外科や歯科での治療が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
摂食障害とともに生きることは大変ですが、一歩一歩回復に向かうことができます。毎日規則正しい食事を取ること、自分の気持ちに正直になることが大切です。周りの人のサポートを受け入れ、治療を続けてください。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい睡眠と起床時間を守る
- 無理のない範囲で軽い運動を取り入れる(ウォーキングなど)
- 体重計に乗る回数を減らす
- 食事の時間をリラックスして過ごす環境を作る
- 日記をつけて気持ちを整理する
食事と運動
栄養バランスの良い食事を少しずつ食べるように心がけます。最初は少量でも大丈夫です。無理な運動は避け、医師や栄養士と相談しながら適度な活動量を決めましょう。
精神的健康と心の健康
摂食障害はうつ病や不安障害を合併しやすく、気分の落ち込みやイライラが強くなることがあります。心の健康も同時にケアすることが回復には欠かせません。カウンセリングや心理療法が役立ちます。
予防
完全に予防することは難しいですが、早期の気づきと対処で重症化を防ぐことができます。健康的な食習慣や体型の多様性を尊重する教育が役立ちます。メディアの影響に惑わされず、自分の体を大切にする考え方を持つことが予防につながります。
検診プログラム
学校や職場での健康診断で体重の変化に気づくことがあります。気になる症状があれば、早めに専門医に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 重度の栄養不良による臓器障害(心臓、腎臓、脳など)
- 骨粗しょう症(骨がもろくなる)
- 不妊や月経異常
- 歯のエナメル質の損傷(嘔吐による)
- うつ病や自殺のリスクの上昇
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、多くの人が回復できます。回復の道のりは人それぞれですが、早期に治療を始めるほど、結果は良好です。たとえ時間がかかっても、希望を持って治療に取り組んでください。あなたは一人ではありません。
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国際機関
地域の団体
- 一般社団法人 日本摂食障害協会 ↗ · 日本全国
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。