心的外傷後ストレス障害
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Health topics A–Z(2024)
- NHS—Health A to Z(2024)
- CDC—Health topics(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、命の危険を感じるような衝撃的な出来事を経験した後に、その記憶が繰り返しよみがえったり、強い不安や恐怖を感じ続けたりするこころの病気です。
重要な事実
- PTSDは誰にでも起こりうる症状です。
- 適切な治療により、多くの人が回復します。
- 症状が長く続くこともありますが、一人で悩まずに相談が大切です。
日本では、生涯に約1〜2%の人がPTSDを経験するといわれています。災害や事故、暴力など、強いストレスを伴う出来事を経験した人に多く見られます。
子どもからお年寄りまで、どの年齢の人にも起こります。特に、自然災害、事故、暴力、虐待、戦闘体験など、命に関わるような出来事を経験した人に多く見られます。
症状
- 自分を傷つけようとする(自傷行為)
- 他人を傷つける危険がある
- 急に意識を失うなど、命に関わる症状
- ⚠強い不安や恐怖で日常生活がまったく送れない
- ⚠数日間眠れず、食事もとれない
- ⚠症状が急に悪化し、自分では対処できない
一般的な症状
- 嫌な記憶が突然よみがえる(フラッシュバック)
- つらい夢を何度も見る
- 出来事を思い出す場所や人を避ける
- 気持ちが落ち込んだり、無感覚になる
- イライラしたり、すぐに怒り出す
- 睡眠障害(眠れない、悪夢を見る)
- 集中力が続かない
子供の症状
- 遊びの中でトラウマ体験を再現する
- 夜尿(おねしょ)が再び始まる
- 甘えが強くなり、親から離れられない
- 言葉が遅れたり、新しい怖がりが出る
高齢者の症状
- 身体の痛みや不調を訴えることが多い
- 記憶障害と間違われることがある
- 閉じこもりがちになり、人との交流を避ける
- 過去のつらい記憶が急に強くなる
原因
主な原因
- 命の危険を感じるような出来事(事故、災害、暴力、虐待、戦闘など)
- 長期にわたる強いストレスや虐待
- 大切な人を突然亡くすなど、大きな喪失体験
リスク要因
- 過去にもつらい体験をしている
- 周囲からのサポートが少ない
- もともと不安やうつになりやすい体質
- 出来事の後、長く避け続ける
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 自分や他人を傷つける危険があるとき
- 強い症状で食事や睡眠が取れず、体調が危険な状態のとき
定期受診を予約すべき場合:
- 症状が2週間以上続くとき
- 日常生活(仕事、学校、家事)に支障が出始めたとき
- 避ける行動が強くなり、生活範囲が狭まったとき
診断
医師が症状の経過や出来事について丁寧に聞き取り、診断します。特別な検査はなく、問診が中心です。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状やトラウマ体験について詳しく話す)
- 心理テスト(症状の程度を把握するための質問票)
- 身体の検査(他の病気が原因でないかを確認するため)
診察で予想されること
診断は通常の診察で行われます。医師はあなたの話を否定せず、安心して話せる環境を作ります。診断には数回の通院が必要なこともあります。
治療
PTSDの治療は、心理療法(こころのケア)と薬物療法(お薬による治療)を組み合わせて行います。治療の中心はトラウマに焦点を当てた心理療法です。
自宅でのセルフケア
- 信頼できる人に気持ちを話す
- ゆっくりと深呼吸やリラックス法を試す
- 規則正しい生活(睡眠、食事)を心がける
- 無理に思い出そうとせず、自分を責めない
医療治療
薬物療法では、抗うつ薬などのお薬が使われることがあります。これにより、不安や抑うつ、睡眠障害などの症状が和らぎ、心理療法を受けやすくなります。お薬の種類や量は医師が症状に合わせて調整します。
この病気と共に生きる
PTSDと共に生活するのは大変ですが、症状を理解し、無理のないペースで過ごすことが大切です。トリガー(症状を引き起こすきっかけ)を知り、避けられるものは避けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起き、寝る
- 適度な運動(散歩など)を取り入れる
- カフェインやアルコールを控える
- リラックスできる趣味の時間を作る
食事と運動
バランスの良い食事はこころの健康にも役立ちます。激しい運動ではなく、ウォーキングやヨガなどの軽い運動が効果的です。
精神的健康と心の健康
PTSDはうつ病や不安障害、アルコール依存症など、他のこころの病気を引き起こすことがあります。早期の治療でこれらのリスクを減らせます。
予防
すべてのPTSDを予防することはできませんが、災害後などの早期の心理的サポート(心理的応急処置)が、重症化を防ぐ助けになることがあります。
検診プログラム
厚生労働省は、災害後などのハイリスク群に対して、早期のスクリーニング(症状チェック)と支援を推奨しています。
合併症
治療しない場合
- うつ病を併発する
- アルコールや薬物に依存する
- 仕事や人間関係を失う
- 自殺のリスクが高まる
長期的な見通し
PTSDは適切な治療により、多くの人が症状の改善を実感できます。治療には時間がかかることもありますが、回復の道は必ずあります。希望を持ち、一歩ずつ進んでいきましょう。
サポートを探す
国際機関
地域の団体
- 厚生労働省 こころの健康情報サイト ↗ · 日本
- 日本トラウマティック・ストレス学会 ↗ · 日本
相談窓口
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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