Lipid panel
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脂質パネル(ししつパネル)は、血液中に含まれる脂肪(脂質)の量を調べる検査です。この検査では、総コレステロール、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、そして中性脂肪(トリグリセリド)の4つの数値を測定します。これらの数値から、心臓病や脳卒中などのリスクを評価する手助けになります。
重要な事実
- 脂質パネルは空腹時に行うことが多く、検査前に8~12時間の絶食が必要な場合があります。
- LDLコレステロールが高いと動脈硬化のリスクが上がるため、健康診断でよく測定されます。
- この検査だけでは病気を診断するものではなく、生活習慣や他の検査結果と合わせて評価されます。
脂質パネルは、健康診断や特定健診で全国的に行われている非常に一般的な検査です。日本人の約30~40%が何らかの脂質異常(コレステロールや中性脂肪の値が基準から外れている状態)を指摘されたことがあると言われています。
高コレステロールや脂質異常は、大人であれば誰にでも起こりえます。特に40歳以上の人、肥満の人、糖尿病や高血圧を持っている人、喫煙者、脂っこい食事をよくとる人、運動不足の人に多く見られます。子どもでもまれに遺伝的な要因で高コレステロールになることがあります。
症状
- 脂質パネルそのものが緊急症状を引き起こすわけではありませんが、脂質異常が原因で心筋梗塞や脳卒中が起きた場合は、突然の胸の痛み、呼吸困難、片方の手足のまひ、言葉がうまく出ないなどの症状が現れます。そのような症状がある場合は、すぐに119番で救急車を呼んでください。
- ⚠脂質パネルの結果で非常に高い数値(例:LDLが180 mg/dL以上や中性脂肪が500 mg/dL以上)が出た場合は、数週間以内に医療機関を受診してください。また、急に激しい腹痛(膵炎の可能性)が出た場合も、すぐに医師に相談しましょう。
一般的な症状
- 脂質異常そのものには、多くの場合、自覚症状がありません。
子供の症状
- まれに、かかとや目の周りに黄色いできもの(黄色腫)ができることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、目の角膜の周りに白い輪(角膜輪)が現れることがありますが、加齢による変化の場合もあります。
原因
主な原因
- 遺伝的な要因(家族性高コレステロール血症など)
- 食事の乱れ(飽和脂肪酸やトランス脂肪酸、糖分の多い食品の摂りすぎ)
- 運動不足
- 加齢(年をとるとコレステロールが上がりやすくなります)
リスク要因
- 糖尿病、高血圧、甲状腺機能低下症などの病気
- 過度の飲酒
- ストレス
- 一部の薬(ステロイド、利尿剤など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の胸の痛み、息苦しさ、めまい、意識障害などの症状がある場合
- 脂質パネルの結果が極めて高く、かつ腹痛や吐き気がある場合(膵炎の可能性)
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で脂質異常を指摘された場合
- 40歳以上の方は少なくとも年に1回の検査をおすすめします
- すでに心臓病や糖尿病の治療を受けている方は、医師の指示に従って定期的に検査を受けてください
診断
脂質パネルは、腕の静脈から採血して行う血液検査です。検査前は、通常8~12時間の絶食(水以外の飲食をしない)が必要です。結果は当日から数日でわかります。
行われる可能性のある検査
- 総コレステロール
- LDLコレステロール(悪玉)
- HDLコレステロール(善玉)
- 中性脂肪(トリグリセリド)
診察で予想されること
採血は数分で終わります。検査前に食事をとってしまうと数値が正しく測れないので、必ず指示された絶食時間を守ってください。痛みはほとんどなく、軽いちくっとする程度です。
治療
脂質異常の治療の基本は、生活習慣の改善です。食事や運動を見直しても数値が改善しない場合や、元々リスクが高い人は、医師が薬物療法を検討します。
自宅でのセルフケア
- 食事の改善(飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控え、野菜・魚・大豆製品を多くとる)
- 週に150分以上の有酸素運動(ウォーキング、水泳など)
- 適正体重の維持(肥満の場合は減量)
- 過度な飲酒を控える
医療治療
医師は、個々のリスクに応じて、コレステロールを下げる薬や中性脂肪を下げる薬を処方することがあります。これらの薬は、食事や運動だけでは十分に数値が改善しない場合や、心臓病や糖尿病など他の病気を持っている場合に検討されます。必ず医師の指導の下で服用し、自己判断で中断しないでください。
手術が検討される場合
通常、脂質異常そのものに手術は行いません。しかし、脂質異常が原因で動脈が狭くなり、狭心症や心筋梗塞などの症状が出た場合は、カテーテル治療やバイパス手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
脂質異常は自覚症状がほとんどないため、日頃から気をつけることが大切です。定期的に検査を受け、必要なら医師の指示を守りましょう。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事を心がける
- 週に数回、軽い運動をする習慣をつける
- 喫煙している場合は禁煙を目指す
- 規則正しい睡眠をとる
食事と運動
食事では、肉の脂身やバター、揚げ物などの飽和脂肪酸を減らし、青魚(サバ、サンマなど)に含まれるオメガ3脂肪酸や、食物繊維の多い野菜、海藻、豆類を積極的にとりましょう。運動は、ウォーキングやジョギング、水泳など、息がはずむ程度の有酸素運動を1日30分、週に5日以上行うと効果的です。
精神的健康と心の健康
コレステロールが高いと言われると不安になる方もいますが、多くの場合は生活習慣の改善でコントロールできます。過度な心配はかえってストレスになり、コレステロール値に影響することもあります。必要なら医師やカウンセラーに相談してください。
予防
脂質異常は、健康的な生活習慣を続けることで予防や改善ができます。特に食事と運動、禁煙が重要です。遺伝的な要因がある場合は完全には防げませんが、早期発見と治療で合併症リスクを減らせます。
ワクチン
脂質異常を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
40歳以上の方は、年に1回の健康診断で脂質パネルを受けることが推奨されています。家族に脂質異常や心臓病の人がいる場合は、より若い年齢から検査を受けてもよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。
- 中性脂肪が非常に高い場合は、急性膵炎を起こす可能性があります。
- 足の血管が詰まる末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)のリスクも上がります。
長期的な見通し
脂質異常は、多くの場合、生活習慣の改善と必要に応じた治療で十分にコントロールできます。適切に対処すれば、心臓病や脳卒中などの合併症を予防できる可能性が高いです。検査値に一喜一憂せず、長い目で健康管理に取り組みましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月16日
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