高齢者の腹痛
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
高齢者の腹痛は、おなかに痛みを感じる症状です。原因はさまざまで、軽いものから緊急を要するものまであります。痛みの場所や性質、ほかの症状によって原因を推測します。高齢者では、症状がはっきり現れにくいこともあり、注意が必要です。
重要な事実
- 高齢者の腹痛はよくある症状で、受診理由の上位に入ります。
- 原因は便秘から命にかかわる病気まで幅広いです。
- 高齢者では痛みが弱くても、重い病気が隠れていることがあります。
- 早期に受診することで、重症化を防げることがあります。
はい。高齢者では腹痛がよくみられます。65歳以上の方の多くが、1年に1回以上腹痛を経験するといわれています。
主に65歳以上の高齢者にみられます。特に女性や、複数の持病を持つ方、多くの薬を服用している方に起こりやすいです。
症状
- 突然の激しい腹痛(我慢できない痛み)
- おなかが板のように硬く張る
- 血を吐く、または便に血が混じる(黒いタール状の便も)
- 胸の痛みや圧迫感を伴う
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- 息苦しい
- ⚠腹痛が続く、またはどんどん強くなる
- ⚠38度以上の発熱がある
- ⚠食べても飲んでも吐いてしまう
- ⚠おなかが異常に張ってガスや便が出ない
- ⚠めまいや立ちくらみがある
- ⚠痛みのせいで水分が取れない
一般的な症状
- おなかが痛い
- おなかが張る
- 吐き気や嘔吐
- 便秘や下痢
- げっぷやおならが出る
高齢者の症状
- 痛みの場所がはっきりしない(広い範囲が痛い)
- 痛みが弱くても、だるさや食欲低下を伴う
- 発熱がないこともある
- 意識がぼんやりする、混乱する
- 急に血圧が下がる、脈が速くなる
原因
主な原因
- 便秘(最も多い原因の一つ)
- 感染性胃腸炎(ウイルスや細菌による)
- 憩室炎(大腸の袋に炎症が起きる)
- 胆のう炎や胆石
- 腸閉塞(腸が詰まる)
- 腹部大動脈瘤(大動脈が膨らむ)
- 虚血性腸炎(腸の血流が悪くなる)
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍
リスク要因
- 年齢(65歳以上)
- 多くの薬を服用している(特に痛み止め、抗凝固薬)
- 便秘になりやすい
- 過去に腹部の手術を受けた
- 糖尿病や心臓病などの持病がある
- 飲酒や喫煙
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の「緊急」や「至急」の症状がある場合
- 痛みが3時間以上続く場合
- 痛みがひどくて動けない場合
- 意識の変化がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い腹痛が繰り返し起こる
- 便秘や下痢が続く
- 食事の後に決まって痛む
- 体重が減った
- 痛みの原因が気になる
診断
医師が問診(症状や経過を詳しく聞く)と診察(おなかを触ったり、聴診器を当てたり)を行います。必要に応じて検査を追加します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症や貧血、膵臓や肝臓の状態をみる)
- 腹部X線(レントゲン)
- 腹部超音波(エコー)
- CT検査(より詳しく内部をみる)
診察で予想されること
診察室で症状を説明し、おなかを触られます。痛みがある部分を教えてください。検査の結果は当日か後日わかります。原因がはっきりしない場合は、さらに詳しい検査や専門医の紹介があります。
治療
治療は原因によって異なります。多くの場合、安静と食事調整、必要に応じてお薬で症状を和らげます。原因が感染症や炎症なら抗菌薬を使うこともあります。
自宅でのセルフケア
- 痛みが軽い場合は、安静にして温かいタオルでおなかを温める
- 水分を少しずつ取る(冷たすぎないもの)
- 消化の良い食事(おかゆ、うどんなど)を少量ずつ食べる
- 便秘が原因なら食物繊維を多く取り、適度に運動する
医療治療
医師は症状に合わせて、痛みを和らげるお薬や、胃腸の動きを整えるお薬を処方することがあります。感染症の場合は抗菌薬が使われます。原因となる病気に応じて、点滴や入院治療が必要になることもあります。
手術が検討される場合
腸閉塞がひどい場合、胆のう炎や憩室炎が重症の場合、腹部大動脈瘤が大きい場合などは、手術が必要になることがあります。医師から詳しい説明があります。
この病気と共に生きる
原因がわかったら、それに合わせた生活習慣を続けることが大切です。痛みが再発しないように、医師の指示を守りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい食生活を心がける
- 十分な水分を取る
- 適度な運動(散歩など)を続ける
- 便秘を予防するために食物繊維や発酵食品を取り入れる
- アルコールは控えめに、禁煙を目指す
食事と運動
食事は消化の良いものを選び、一度にたくさん食べずに、少量を何回かに分けて食べると胃腸への負担が減ります。脂っこいものや辛いものは控えめに。運動はウォーキングなど無理のない範囲で続けましょう。
精神的健康と心の健康
腹痛が続くと不安やストレスを感じやすくなります。症状にこだわりすぎず、気分転換を心がけましょう。家族や医療者に気持ちを話すことも大切です。つらいときは、かかりつけ医や心の相談窓口に相談してください。
予防
すべての腹痛を予防することはできませんが、便秘や一部の炎症は生活習慣の改善で予防できることがあります。
検診プログラム
定期的な健康診断や胃がん・大腸がん検診(便潜血検査、内視鏡検査など)を受けることで、病気を早期に見つけられることがあります。かかりつけ医に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 重症感染症(腹膜炎、敗血症)
- 腸閉塞が進行して腸が壊死する
- 腹部大動脈瘤の破裂(命に関わる)
- 脱水・栄養障害
- 痛みが長引いて生活の質が低下する
長期的な見通し
適切な診断と治療を受ければ、多くの腹痛は改善します。高齢者でも早期に対応すれば、深刻な合併症を防げることが多いです。原因によっては経過観察が必要ですが、医師と協力して管理すれば、普段通りの生活を続けられることがほとんどです。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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