Colorectal Cancer
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- WHO—Health topics A–Z(2024)
- NHS—Health A to Z(2024)
- CDC—Health topics(2024)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
大腸がんは、大腸(結腸や直腸)の内側の細胞が異常に増えてできるがんです。大腸は食べ物の消化や水分の吸収を行う臓器で、がんができると便通の変化や出血などの症状が現れることがあります。早期に見つかれば治る可能性が高い病気です。
重要な事実
- 大腸がんは日本人に多く、女性では最も多いがんです(厚生労働省データ)。
- 早期に発見すれば、治療が成功する確率が非常に高くなります。
- 定期的な検診(便潜血検査や大腸内視鏡検査)が予防や早期発見に役立ちます。
大腸がんは日本人で最も多いがんのひとつです。特に50歳以上で増えますが、最近は40代でも見られるようになりました。
大腸がんは誰でもかかる可能性がありますが、特に50歳以上の方、家族に大腸がんの方がいる方、生活習慣(高脂肪食、運動不足、喫煙など)が影響することがわかっています。
症状
- 突然の強い腹痛やお腹の張りがあり、便が全く出なくなった(腸閉塞の可能性)
- 大量の出血があり、めまいや意識がもうろうとする
- ⚠血便が続く、または量が多い
- ⚠原因不明の激しい腹痛が続く
- ⚠吐き気や嘔吐が続き、水分が取れない
一般的な症状
- 便に血が混じる、または便が黒い(血便)
- 便通の変化(便秘や下痢が続く、またはそれらを繰り返す)
- 便が細くなる
- お腹が張る、腹痛、または違和感がある
- 原因不明の体重減少
子供の症状
- 子どもに大腸がんは非常にまれです。もし症状があれば、他の原因(感染症や腸の病気)が考えられます。必ず医師に相談してください。
高齢者の症状
- 高齢者では、症状がはっきり出ないこともあります。貧血や疲れやすさが最初の兆候となることがあります。
原因
主な原因
- 大腸の細胞の遺伝子に変化(突然変異)が起こり、細胞が制御不能に増えることで発生します。
- 正確な原因はまだわかっていませんが、生活習慣や遺伝的要因が関係すると考えられています。
リスク要因
- 年齢(50歳以上)
- 家族や親せきに大腸がんの人がいる
- 高脂肪・低食物繊維の食生活
- 運動不足
- 過度の飲酒
- 炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)の既往
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血便が見られた、または便が黒い
- 便通の異常が2週間以上続く
- 原因不明の腹痛や体重減少がある
定期受診を予約すべき場合:
- 50歳になったら、症状がなくても大腸がん検診(便潜血検査など)を受けることをおすすめします。
- 家族に大腸がんの方がいる場合は、医師に相談し、より早い年齢での検査を検討しましょう。
診断
医師が問診や触診を行い、必要に応じて便潜血検査や大腸内視鏡検査などを実施します。これらの検査で異常が見つかれば、組織の一部を採取して詳しく調べます(生検)。
行われる可能性のある検査
- 便潜血検査(便に肉眼では見えない血が混じっていないか調べる)
- 大腸内視鏡検査(先端にカメラのついた細い管を肛門から入れ、大腸の中を直接観察する)
- 注腸X線検査(バリウムを注入してX線撮影する)
- CT検査(体の断面画像を撮り、がんの広がりを調べる)
- 生検(内視鏡で見つかった異常な組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる)
診察で予想されること
検査は通常、日帰りまたは短期間の入院で行えます。大腸内視鏡検査の前日は食事制限や下剤の服用がありますが、痛みを和らげる処置(鎮静剤など)が受けられます。医師が結果を丁寧に説明しますので、不安なことは何でも質問してください。
治療
大腸がんの治療は、がんの進行度や場所、患者さんの体調などに応じて、いくつかの方法を組み合わせて行います。主に内視鏡的切除、手術、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。早期のがんは内視鏡で切除できることもあり、その場合は体への負担が少なくて済みます。進行した場合でも、治療法は年々進歩しています。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従い、定期的に検査や治療を受ける
- バランスの良い食事(特に食物繊維を多く含む野菜や果物)を心がける
- 適度な運動(散歩など)を続ける
- 禁煙し、飲酒は控えめにする
- ストレスをためすぎないようにする
医療治療
治療の種類には、以下のようなものがあります。 - 内視鏡的切除:ポリープ状の早期がんを内視鏡で切除します。 - 外科手術:がんの部分と周囲のリンパ節を切除します。近年は腹腔鏡手術やロボット支援手術など、体への負担が少ない方法もあります。 - 薬物療法(抗がん剤や分子標的治療薬など):手術後に再発予防として行う場合や、進行がんに対して行います。 - 放射線療法:直腸がんで行われることがあります。 - 症状を和らげる治療(緩和治療):痛みや不快な症状をコントロールしながら、生活の質を保つことにも焦点を当てます。医師とよく相談し、自分に合った治療法を選びましょう。
手術が検討される場合
多くのがんで手術が中心的な治療です。早期がんでは内視鏡で切除できることもありますが、進行している場合は開腹手術や腹腔鏡手術が必要になることがあります。人工肛門(ストーマ)が必要になる場合もありますが、近年は肛門を温存できる手術も増えています。
この病気と共に生きる
治療後は、定期的な通院と検査が大切です。食事や排便のケアが必要になることもありますが、多くの人が元の生活に戻っています。医師や看護師に相談しながら、無理のない生活を続けてください。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事(食物繊維を意識して)
- 適度な運動(ウォーキングなど)
- 禁煙、節酒
- 規則正しい生活リズム
食事と運動
治療中や治療後は、消化に良いものを少しずつ食べるようにしましょう。便秘や下痢に気をつけ、水分を十分にとることが大切です。ウォーキングなどの軽い運動は体力維持やストレス解消に役立ちますが、手術後は医師の許可を得てから始めてください。
精神的健康と心の健康
がんと診断されると、不安や恐怖、悲しみを感じるのは自然なことです。また、治療の副作用や体の変化に戸惑うこともあります。一人で抱え込まず、家族や友人、医療スタッフに気持ちを話すことが大切です。専門のカウンセリングや患者会も役立ちます。
予防
大腸がんは、生活習慣の改善である程度予防できると考えられています。バランスの良い食事(特に食物繊維を多く含む食品)、適度な運動、禁煙、節酒、肥満の予防が大切です。また、大腸ポリープを早期に見つけて切除することで、がんになるのを防ぐことができます。
ワクチン
現在、大腸がんを予防するワクチンはありません。
検診プログラム
厚生労働省は40歳以上の人に大腸がん検診(便潜血検査)を年1回受けることを推奨しています。検診で異常が見つかった場合は、精密検査(大腸内視鏡など)を受けることが大切です。特に50歳以上の方や家族歴がある方は、定期的な検診を習慣にしましょう。
合併症
治療しない場合
- がんが大きくなり、腸を塞いでしまう(腸閉塞)
- がんが周りの組織やリンパ節に広がる(転移)
- 肝臓や肺など遠くの臓器に転移する
- 体重減少や貧血が進行する
長期的な見通し
大腸がんは早期に発見されれば、ほとんどの場合治る可能性があります。たとえ進行していても、最近の治療法の進歩により、長く生きながら質の高い生活を送ることができます。自分に合った治療とケアを続けることで、希望を持って前に進むことができます。
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- 公益財団法人 日本人対がん協会 ↗ · 日本全国
- 国立がん研究センター がん情報サービス ↗ · 日本全国
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