子どもの発熱とMRI検査:受ける前に知っておきたいこと
概要
MRI(磁気共鳴画像検査)は、磁気と電波を使って体の中を詳しく映す検査です。放射線を使わないため、お子さんの体に負担が少ないとされています。発熱の原因がはっきりしないときや、脳や体の中の炎症が疑われるときに、医師がMRIを勧めることがあります。
重要な事実
- MRIは放射線を使いません。
- 検査中はお子さんがじっとしている必要があるため、眠る薬を使うこともあります。
- 検査時間は30分から60分ほどですが、前後の準備を合わせると半日かかる場合があります。
発熱があるお子さん全員にMRIを行うわけではありません。お熱が長引く、けいれんや意識の変化など特別な症状がある場合に行われる、特別な検査です。
乳幼児から小学生まで、どの年齢のお子さんでも行う可能性があります。特に頭の中の感染症が心配な場合に検討されます。
症状
- けいれんが5分以上続く、または何度も繰り返す
- 呼吸が苦しそう、唇が紫っぽい
- 呼びかけに反応しない、意識がない
- 顔や手足に力が入らない、麻痺がある
- ⚠熱に加えて頭痛や嘔吐がひどい
- ⚠首を前に曲げると痛がる
- ⚠発疹(あざのようなもの)が出る
- ⚠水分が取れず、尿が出にくい
一般的な症状
- 3日以上続く熱
- 頭痛や吐き気を訴える
- 首の後ろが硬い(首を前に曲げられない)
- けいれんや意識がもうろうとする
子供の症状
- ぐずりがひどく、なかなか泣きやまない
- 母乳やミルクを飲まない
- 大泉門(頭のてっぺんのへこみ)が張っている
- 視線が合わない、反応が鈍い
高齢者の症状
- 高齢者の場合、熱がなくても意識がぼんやりすることがある
- 頭痛やめまいを訴える
- 食欲が落ち、元気がない
原因
主な原因
- ウイルスや細菌による脳炎・髄膜炎
- 頭の中や体の中の膿(うみ)のたまり(膿瘍)
- リウマチなどの炎症性の病気
- まれに悪性腫瘍(がん)の可能性もある
リスク要因
- 免疫力が低下している(治療中や未熟児など)
- 最近、感染症にかかった
- 海外旅行の帰りで感染症にさらされた
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- けいれんや意識障害がある
- 呼吸が苦しそう
- 首が硬く、強い頭痛と嘔吐がある
定期受診を予約すべき場合:
- 熱が3日以上続く
- 水分が十分取れず、ぐったりしている
- 症状がよくなったり悪くなったりする
診断
医師はまず、お子さんの様子を診て、血液や尿の検査を行います。その結果や症状から、MRIが必要かどうかを判断します。MRIはほかの検査では分からない脳や体の細かい状態を確認するために使われます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査・尿検査
- 必要に応じて腰椎穿刺(背中から髄液をとる検査)
- MRI(磁気共鳴画像検査)
- ときにはCT検査
診察で予想されること
検査の前に、小児科の医師と放射線科のスタッフが説明をします。お子さんが動かないように眠る薬(鎮静薬)を使うことがあります。うつぶせや仰向けの状態で、ベッドが筒状の機械に入ります。検査中は体に触れないので、痛みはありません。音が大きいので、ヘッドホンや耳栓を使います。終わったら、小児科の病棟で回復するまで見守ります。
治療
MRIは検査であり、治療ではありません。治療は、発熱の原因となる病気に対して行われます。原因が感染症なら抗生物質などの薬を使いますが、薬の種類や量は医師がお子さんの状態に合わせて決めます。
自宅でのセルフケア
- お子さんの体を冷やしすぎず、快適な室温を保つ
- こまめに水分を飲ませる(医師の指示に従う)
- 安静にして様子を見る
医療治療
細菌やウイルスによる感染症が原因の場合は、抗菌薬や抗ウイルス薬などの薬を、医師が決めた量と回数で使います。原因が炎症性の病気なら、炎症を抑える治療が行われます。どの治療も医師の処方が必要です。
手術が検討される場合
膿瘍(うみのかたまり)がたまった場合など、まれに手術やドレナージ(うみを外に出す処置)が必要になることがあります。担当医が詳しく説明します。
この病気と共に生きる
MRI検査後、鎮静薬を使った場合は、その日のうちは体を休めます。使っていない場合は、すぐに普段の生活に戻れます。検査の結果や治療方針について、医師の説明を受けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 検査後は、水分をしっかりとる
- 当日は激しい運動を避ける
- 夜は早めに寝る
食事と運動
検査後は、普通の食事をとって構いませんが、何か指示が出た場合はそれに従ってください。体調が戻るまでは、無理をしない範囲で動かしましょう。
精神的健康と心の健康
子どもにとってMRIの検査は、大きな音や狭い場所が怖いこともあります。また、病気による熱や体調不良で不安になることもあります。安心できるように、そばで声をかけ、好きなことを話しながら待つなど、リラックスできる工夫をしましょう。
予防
すべての発熱を予防することはできませんが、ワクチンで防げる感染症があります。日本では「定期接種」として、多くの感染症のワクチンが受けられます。接種時期を守り、かかりつけ医とよく相談しましょう。
ワクチン
髄膜炎を起こしやすいインフルエンザ菌や肺炎球菌のワクチンは、定期接種で受けることができます。そのほかのワクチンも、スケジュールに沿って接種すると、感染症による重症化を防ぐ効果が期待できます。
検診プログラム
健康なお子さんに、発熱の原因を探すためのMRIを予防的に行うことはありません。頭をぶつけた後など、必要なときだけ行われます。
合併症
治療しない場合
- 脳炎や髄膜炎が進行すると、後遺症が残ることがある
- 敗血症(全身の感染症)などの重い合併症を起こすことがある
- 発熱の原因が炎症や腫瘍の場合、発見が遅れると治療が難しくなることがある
長期的な見通し
早期に適切な治療を受ければ、多くのお子さんは回復します。MRI検査は不安かもしれませんが、診断の手助けとなる大事な検査です。医師と相談しながら、お子さんの状態に合ったケアを続けましょう。
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最終更新: 2026年7月31日
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