糖尿病のMRI検査:受ける前に知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
糖尿病(とうにょうびょう)は、血液の中の糖(血糖)が多くなりすぎる体の状態です。MRI(MRI検査)は、磁石の力と電波を使って体の中を詳しく映す画像検査で、放射線を使いません。糖尿病の人がMRIを受けるのは、主に合併症(神経障害や血管の障害など)の有無や程度を調べるためです。
重要な事実
- MRIは放射線を使わないため、体が被ばくする心配はほとんどありません。
- 検査中は大きな機械音がしますが、体に痛みはなく、動かなければ安全です。
- 糖尿病の人は、MRIで使う造影剤(血管や臓器を映りやすくする薬)について、腎臓の状態を確認してから安全か判断されます。
すべての糖尿病の人がMRIを受けるわけではありません。しかし、糖尿病の合併症(しんぞうや脳の血管の問題、足の感染症など)が疑われるときには、MRIがよく使われる一般的な検査です。
糖尿病と診断されている人で、足や体のしびれ、感染症の悪化、脳卒中の症状、血管のトラブルなどがある場合に、MRIが必要になることがあります。
症状
- 意識がもうろうとする
- 呼びかけに反応しない
- 呼吸が深く速くなっている(糖尿病性ケトアシドーシスの可能性)
- 強い腹痛と繰り返す嘔吐
- ⚠血糖値がとても高い、または低い
- ⚠発熱が続く
- ⚠足の傷が悪化して黒ずんでいる
- ⚠激しいのどの渇きと頻尿が続く
一般的な症状
- のどが異常に渇く
- トイレの回数が増える
- 疲れやすい
- 体重が急に減る
- 目のかすみが続く
原因
主な原因
- 1型糖尿病:膵臓(すいぞう)がインスリンを作れなくなるために起こります(自己免疫などが関係します)
- 2型糖尿病:インスリンの効きが悪くなったり、分泌が減ったりして起こります(生活習慣や遺伝の影響があります)
リスク要因
- 家族に糖尿病の人がいる
- 肥満(特に内臓脂肪が多い)
- 運動不足
- 高血圧・脂質異常症
- 妊娠中に糖尿病になったことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血糖値が高くても低くても体調が悪いとき
- 意識の低下や呼吸の異常があるときは、すぐに救急車(119番)を呼んでください
- 感染や足の傷が悪化したとき
定期受診を予約すべき場合:
- 年に1回は健康診断を受けましょう
- すでに糖尿病の治療を受けている人は、定期的に医師の診察を受けましょう
- MRIを勧められたら、検査の目的や流れを医師に聞いてから受けるようにしましょう
診断
糖尿病の診断は、血液検査で血糖値(食後や空腹時の血糖)とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー、過去1〜2か月の平均的な血糖を表す値)を確認して行います。MRIは糖尿病そのものの診断ではなく、合併症の有無や状態を調べるために行われる検査です。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(血糖値、HbA1cなど)
- CT(コンピューター断層撮影)
- 神経伝導テスト(手足の神経の働きを調べる)
診察で予想されること
MRI検査は、金属のついたもの(時計、補聴器、メガネなど)を外し、検査用の台に横になってもらいます。けがや手術で体の中に金属が残っている場合は伝えてください。検査時間は多くの場合30分から1時間程度です。糖尿病の薬は、検査前後に食事をとらない場合があるため、医師の指示に従って内服時間を調整します。造影剤が必要な場合は、腎臓の働きを血液検査で確認してから使うかどうか決めます。
治療
糖尿病の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法の3つを柱に行われます。MRI検査は治療そのものではなく、合併症を評価して、より良い治療方針を決めるためのものです。検査結果をもとに、医師があなたに合った治療プランを立てます。
自宅でのセルフケア
- 毎日の血糖値の記録(自己測定)を続ける
- 足の傷や水虫などの早期発見のために、毎日足を確認する
- 処方された薬を医師の指示どおりに飲む・注射する
- 定期受診を欠かさない
医療治療
糖尿病の薬には、飲み薬と注射薬がありますが、いずれも医師があなたの状態に合わせて処方します。新しい薬はかかりつけ医とよく相談して始めてください。MRI検査を受けるときは、検査当日の薬の飲み方や食事について、医師または薬剤師に指示を仰ぎましょう。
手術が検討される場合
糖尿病の合併症(血管障害や感染症など)が進行した場合には、手術などの治療が必要になることもありますが、MRI検査自体は手術を伴うものではありません。
この病気と共に生きる
糖尿病は、毎日の管理の積み重ねが大切な病気です。食事・運動・薬のリズムを整え、定期的に医療機関を受診しましょう。MRIなどの検査を予定しているときは、検査前に食事や薬のことを医師に確認しておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 食事は3食規則正しく、野菜から食べる
- 食後に10分ほど歩くなど、毎日体を動かす習慣をつける
- 禁煙を心がける
- 睡眠を十分にとる
食事と運動
主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を心がけましょう。甘い飲み物や脂っぽいものを控えるだけでも効果があります。運動は無理のない範囲で、ウォーキングや軽い体操を週に150分程度が目安ですが、かかりつけ医と相談して行いましょう。
精神的健康と心の健康
長く続く治療に不安や疲れを感じるのは自然なことです。つらい気持ちは一人で抱え込まず、家族や友人、医師・看護師に話しましょう。日本には、各地に相談窓口がありますが、具体的な連絡先は地域の保健所や医療機関で確認できます。
予防
2型糖尿病は、生活習慣の改善によって発症を防げる場合があります。健診で血糖の異常を早く見つけ、早期に生活習慣を整えることが大切です。1型糖尿病は予防が難しい病気ですが、MRIを含む合併症の早期発見は、重症化を防ぐことにつながります。
ワクチン
糖尿病の人は感染症にかかりやすく、重症になりやすいため、かかりつけ医と相談の上、インフルエンザや肺炎球菌のワクチン接種を検討することをお勧めします。
検診プログラム
糖尿病の合併症を防ぐためには、定期的な眼底検査、腎臓の検査(尿検査や血液検査)、そして必要に応じてMRIなどの画像検査が役立ちます。厚生労働省も、糖尿病の早期発見と重症化予防のための健診を勧めています。
合併症
治療しない場合
- 脳卒中(のうそっちゅう)
- 心筋梗塞(しんきんこうそく)
- 腎不全(じんふぜん)
- 視力の低下・失明
- 足の感染症や壊疽(えそ)
長期的な見通し
糖尿病は、治療を続けることで元気に日常生活を送っている方がたくさんいます。MRIなどの検査で合併症を早く見つけ、早く対処すれば、病気の進行を遅らせ、より良い状態を保つことができます。希望を持って治療に取り組みましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。