不妊を調べるX線検査(子宮卵管造影)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
子宮卵管造影は、子宮の形と、卵子の通り道である卵管が詰まっていないかを調べるX線検査です。造影剤(ぞうえいざい)という液体を子宮にそっと流し込み、レントゲンでその流れを撮影します。妊娠しにくい原因を調べるための検査の一つです。
重要な事実
- 検査は生理のあと、排卵前に行われることが多いです。
- 数分から30分くらいで終わる短い検査です。
- 痛みや違和感を感じることもありますが、多くの場合、我慢できる程度です。
子宮卵管造影は、不妊の原因を調べるための検査として、日本でも広く行われている一般的な検査です。
妊娠を希望しているがなかなか妊娠できない方、流産を繰り返す方、骨盤内の感染症や手術の経験がある方に医師がすすめることがあります。
症状
- 検査後、突然の激しい腹痛やおなかの張り、意識がもうろうとする
- 出血が一気に増える、または大きな血のかたまりが出る
- 悪寒や震えをともなう高熱が出る
- ⚠検査後、数時間から数日たっても痛みが増す場合
- ⚠異常なおりものや出血が続く場合
- ⚠立ちくらみやめまいが続く場合
一般的な症状
- 妊娠のために一定期間(一般的に1年)試みても妊娠しない
- 過去に流産を何度か経験している
- 骨盤の感染症や子宮内膜症と診断されたことがある
子供の症状
- この検査は妊娠を望む成人女性を対象とした検査であり、子どもに対して行われることはありません。
高齢者の症状
- 年齢が高い場合、妊娠の可能性を評価するために検査が検討されることがありますが、閉経後は通常行われません。
原因
主な原因
- 卵管が詰まっていたり、癒着して閉じている
- 子宮の形が生まれつき変わっている
- 子宮内膜や筋層に異常がある(筋腫、内膜ポリープなど)
リスク要因
- 骨盤内炎症性疾患や性感染症の既往
- 子宮内膜症
- 腹部や骨盤の手術(帝王切開、虫垂炎手術など)の既往
- 喫煙や過度の飲酒
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 検査中または検査後に、我慢できない痛みや大量の出血、高熱がある場合は、すぐに医療機関に連絡するか、救急車(119番)を呼んでください。
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠を希望しているが、1年以上(35歳以上では6か月程度)妊娠しない場合は、産婦人科を受診してみましょう。
- 生理痛が重い、不正出血がある、生理のリズムが整わないなども相談のきっかけになります。
診断
子宮卵管造影は、外来でできるX線検査です。少し特殊な台に仰向けに寝て、医師が細い管を子宮の入り口からそっと入れます。そこから造影剤をゆっくり流し込み、子宮の中や卵管を通る様子をレントゲンで何枚か撮影します。造影剤がきちんとおなかの中(腹腔)まで流れれば、通常は卵管が通っていることを示します。
行われる可能性のある検査
- 骨盤内超音波検査(エコー)で子宮や卵巣の様子をみる
- 血液検査でホルモンの値や感染症の有無を調べる
- パートナーの精液検査
診察で予想されること
検査時間は10~30分程度です。造影剤を入れるときやレントゲンを撮るときに、軽い痛みや下腹部の違和感を感じることがあります。検査後には少量の出血や軽い腹痛が数日続くことがありますが、多くは自然に治まります。妊娠の可能性がある人は、検査前に医師へ伝えてください(検査は妊娠している方には行われません)。
治療
検査の結果、異常が見つかった場合、治療はその原因や程度によって異なります。お二人の状況を踏まえて、医師と一緒に妊娠への道すじを考えていくことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 検査後は、その日は激しい運動や長湯、水泳をさけて、ゆっくり休みましょう。
- 痛みがあるときは、温かいタオルでおなかを温めると楽になることがあります。
- 次の診察まで、出血の量や体調の変化をメモしておくと安心です。
医療治療
治療の選択肢には、薬を使って排卵を促したりホルモンバランスを整える薬物療法、人工授精、体外受精、卵管内の詰まりを取り除く手術などがあります。具体的な治療法や薬の名前は医師が説明しますので、よく質問して自分たちに合う選択肢を選んでください。
手術が検討される場合
卵管の詰まりが原因の場合、腹腔鏡手術で詰まりを取り除くことがあります。また、子宮筋腫やポリープが原因の場合は、その手術を行うことがあります。ただし、手術が必要かどうかは、年齢や病状、妊娠計画によって変わります。
この病気と共に生きる
不妊の検査や治療は、心も体も負担がかかるものです。検査結果がすべてではありません。治療をがんばることも大切ですが、休むことも同じくらい大切だと覚えておいてください。
生活習慣のアドバイス
- 毎日の生活の中で、深呼吸や散歩など、リラックスできる時間を持ちましょう。
- 喫煙は妊娠の可能性を下げると言われています。禁煙を考えている場合は、医師に相談しましょう。
- パートナーと家事を分担するなど、無理をしすぎない工夫をしましょう。
食事と運動
特別な食事療法はありませんが、バランスの良い食事と適度な運動を心がけることは、体の土台を作るうえで役立ちます。無理なダイエットや飲酒は控えめにしてください。
精神的健康と心の健康
妊娠を望む気持ちと向き合う日々には、不安や孤独感を感じることもあるでしょう。一人で抱え込まず、パートナーや家族、友人に気持ちを話してみてください。必要ならカウンセリングを受けることも良いサポートになります。
予防
不妊の原因となる病気すべてを予防できるわけではありませんが、性感染症を予防すること(コンドームの使用など)、骨盤内の手術後の経過をきちんと観察してもらうこと、禁煙や節酒などの健康的な生活習慣は、不妊のリスクを減らす可能性があります。
ワクチン
直接、この検査と関係するワクチンはありませんが、風疹などの感染症は妊娠に影響することがあります。妊娠を計画する前に、予防接種の記録を確認し、必要な予防接種について医師に相談するとよいでしょう。
検診プログラム
将来妊娠を希望する場合でも、年に一度は産婦人科の定期健診を受けることで、月経周期や子宮の状態をチェックできます。何か気になる症状がある場合は、早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 卵管の詰まりや子宮の異常を放置すると、自然妊娠の可能性が低いままになることがあります。
- 原因によっては、骨盤内の炎症や痛みが続くことがあります。
- 妊娠した場合でも、子宮外妊娠(受精卵が子宮の外に着床すること)のリスクが高まることがあります。
長期的な見通し
この検査で原因をはっきりさせることができれば、次に何をすればいいのかが明確になります。不妊治療の技術は進歩しており、多くの方が適切な治療を受けて妊娠・出産をしています。希望を持って、医師と一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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