聴覚MRIとは?検査の流れと知っておきたいポイント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
聴覚MRIは、耳の奥(内耳)や耳から脳へ届く神経(聴神経)、そして脳の聴覚に関わる部分を詳しく調べる画像検査です。強力な磁石の力と電波を使って体の中を断面や立体像で見ます。レントゲンやCTと違い、放射線を使わないため、体への負担が少ないのが特徴です。
重要な事実
- MRIは放射線を使わないため、レントゲンやCTより体への負担が少ない検査です。
- 検査中はゴンゴンという大きな音がすることがありますが、ヘッドフォンや耳栓で音を遮ってくれます。
- 必要に応じて造影剤を使うと、病変がよりはっきり見えることがあります。
- 検査時間は30分〜1時間程度で、痛みはほとんどありません。
聴覚のMRIは、難聴や耳鳴り、めまいの診察の中で、必要に応じて行われます。特に片側の耳だけ聞こえにくい場合や、耳鳴りが続く場合には、聴神経のまわりの異常を調べるためによく行われる検査です。
子どもから高齢者まで、幅広い年代で行われる可能性があります。聞こえの症状がある人なら誰でも対象になりますが、特に片側の難聴や長引く耳鳴り、めまいがあるときに医師が検討します。
症状
- 突然の激しいめまいとともに、まっすぐ歩けない・吐き気が止まらない
- 顔の片側が動かせない、口角が下がる、ろれつが回らない
- 片側の手足に力が入らない、しびれる
- これらは脳卒中などの緊急事態のサインです。すぐに119番に連絡してください
- ⚠急に耳が聞こえなくなった(突発的な難聴)
- ⚠耳鳴りが突然ひどくなった、または持続する
- ⚠めまいが続き、日常生活に支障がある
- ⚠耳から膿や血が出ている
一般的な症状
- 耳が聞こえにくい(特に片側だけ)
- 耳鳴りが続く(キーン、ジー、ザーなど)
- めまいがする、ふらつく
- 耳のつまった感じがある
子供の症状
- 音が聞こえにくく、呼んでも振り向かない
- 言葉の発達が遅れていると感じる
- よく聞き返す、テレビの音が大きい
- よろよろと転びやすい
高齢者の症状
- 徐々に聞こえにくくなる
- 会話で聞き取れないことが増えた
- 社会活動や人との交流が減る
- うつや認知機能の低下が心配される
原因
主な原因
- 聴神経腫瘍(内耳と脳をつなぐ聴神経にできる、多くは良性の腫瘍)
- 突発性難聴(ストレスや疲れ、ウイルス感染などが関わるとされる、ある日突然聞こえが悪くなる病気)
- メニエール病(めまいと難聴、耳鳴りを繰り返す内耳の病気)
- 脳梗塞や脳出血などの脳血管の異常
- 加齢による聴力低下(老人性難聴)の原因精査
リスク要因
- 騒音の大きい職場や環境で過ごす
- 大きな音で長時間ヘッドホンを使用する
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病
- 耳をぶつける・事故などの頭部外傷
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に聞こえにくくなったら、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。48時間以内の治療開始が大切と言われています。
- めまいとともに、頭痛、吐き気、しびれなどの症状がある場合は、救急外来や119番の相談も考えましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 難聴や耳鳴りが続く場合
- めまいを繰り返す場合
- 聞こえ方が前と変わったと感じた場合
診断
まずは問診と、外耳道や鼓膜の状態を見る検査、聴力検査(オージオグラム)が行われます。そこから内耳や脳に原因が考えられるときに、MRIでの精査がすすめられます。
行われる可能性のある検査
- 純音聴力検査(小さな音がどの程度聞こえるかを調べる検査)
- ティンパノメトリー(鼓膜の動きや中耳の状態を調べる検査)
- 聴性脳幹反応(音を聞いたときの脳の反応を調べる検査)
- 聴覚MRI(内耳、聴神経、脳の構造を画像で詳しく見る検査)
診察で予想されること
聴覚MRIの流れは、受付→問診→金属類の確認・検査着に着替え→ベッドに横になる→ヘッドフォン装着→撮影(約30〜60分)→終了、という流れです。撮影中は「ガンガン、ゴー」といった大きな音が断続的に鳴りますが、ヘッドフォンや耳栓で音が小さくなっています。決して危険な検査ではありませんが、ペースメーカーなど体内の金属があると受けられないことがあるため、必ず申告してください。
治療
MRIの結果、異常がなかった場合には治療の必要はありません。異常があった場合でも、良性の腫瘍であれば経過観察だけで済むこともあります。治療方針は、難聴やめまいの程度、腫瘍の大きさや場所によって医師が提案します。
自宅でのセルフケア
- 大きな音や騒音を避ける
- 十分な睡眠と休養をとる
- ストレスをためない
- 血圧を高い状態のままにせず、生活習慣を見直す
- めまいのリスクがある場合は、急に立ち上がらない
医療治療
治療法は原因によって異なります。内耳の炎症や血流の問題による難聴では、炎症を抑える薬や血流を改善する薬が使われることがあります。聴神経腫瘍の場合は、腫瘍の大きさや症状に応じて、定期的なMRIで経過を見る方法、放射線で治療する方法、手術で摘出する方法などがあります。どの治療が適しているかは、専門の医師(耳鼻咽喉科医、脳神経外科医)が検査結果をもとに説明します。薬を処方された場合は、医師の指示に従って服用してください。
手術が検討される場合
聴神経腫瘍が大きい、聴力の低下が続く、脳幹を圧迫しているなどの場合には、手術で腫瘍を摘出することが検討されます。一方、腫瘍が小さくて症状がなければ、手術をせずにMRIで定期的に見守ることもあります。
この病気と共に生きる
もしも難聴と診断されたら、補聴器の使用や、家族や職場に聞こえにくさを伝えることで、日常生活の不安は大きく少なくなります。耳鳴りは、音を意識しすぎない工夫をしたり、不快感を軽くする行動を知ることで、気になりにくくなることもあります。
生活習慣のアドバイス
- 毎日適度な睡眠をとる
- 喫煙をしている方は禁煙を検討する
- 耳に対して大きな音を出し続けることを避ける
- 通信機器の音量は大きくしすぎない
- ストレスを解消する方法を見つける
食事と運動
耳の血流を助けるために、軽いウォーキングなどの適度な運動を習慣にしましょう。食事は塩分の取り過ぎに注意し、野菜や魚を中心としたバランスの良い食事が望ましいです。メニエール病などでは医師から塩分の制限を指示されることがあります。
精神的健康と心の健康
聞こえにくさや、ずっと続く耳鳴りは、人との会話を減らし、孤独感や不安、睡眠不足の原因にもなります。そのまま無理を続けると、うつや認知機能の低下につながる可能性があります。つらい気持ちは一人で抱え込まずに、医師や周りの人に助けを求めてください。
予防
聴神経腫瘍など、もともとの原因となる病気の多くは、確実な予防法がありません。しかし、大きな音による難聴や、高血圧や糖尿病による血流の変化が関係する場合は、生活習慣の改善でリスクを下げることができます。聴力の変化を感じたら早めに受診することで、進行を防ぐことができます。
ワクチン
難聴の原因の一部となる感染症(髄膜炎やおたふくかぜなど)の予防接種が、聴覚を守るために役立つことがあります。予防接種については、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
日本では、厚生労働省が新生児聴覚スクリーニングの実施を推奨しています。また、学校健診や職場の定期健診でも聴力検査を受けることができます。難聴は早く見つけるほど、治療や聞こえのサポートを効果的に始められます。
合併症
治療しない場合
- 突発性難聴の場合、早期に治療しないと聴力が戻りにくくなることがある
- 聴神経腫瘍が大きくなると、聴力低下に加えて、顔のしびれや感覚の麻痺、歩行障害などが現れることがある
- 難聴を放置すると、人とのコミュニケーションが減り、社会的孤立や認知機能の低下のリスクが高まる
長期的な見通し
聴覚MRIで原因がはっきりすれば、無駄な不安を抱えずに済みます。たとえ異常が見つかった場合でも、多くは良性で、経過観察や適切な治療で対応できます。医療の進歩により、難聴やめまいの治療の選択肢は広がっています。明るい見通しを持って治療に取り組みましょう。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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