じんましんとMRI検査:検査前に知っておきたいことと対処法
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
じんましん(蕁麻疹)は、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり、強いかゆみをともなう状態です。MRI検査中や検査後に起こることがありますが、多くは、画像をはっきりさせるために使う造影剤(えいぞうざい)という薬への反応や、検査中の緊張・冷えがきっかけになります。すぐに医療スタッフに伝えれば、適切に対応してもらえます。
重要な事実
- MRI検査の造影剤によってじんましんが出ることがありますが、多くは軽い反応で、適切な対応により落ち着きます。
- 検査中や検査後にじんましんが出たり、体の異変を感じたりしたら、我慢せずにすぐ技師や看護師に知らせてください。
- 過去に造影剤や薬でアレルギー反応を起こしたことがある場合は、検査前に必ず伝えることが大切です。
じんましんはとても身近な症状で、一生のうちに約5人に1人が経験すると言われています。MRI検査そのものが原因になることはまれですが、造影剤による反応は検査を受ける方のおよそ0.5〜2%に見られるとされており、決して特別なことではありません。
どの年代でも起こる可能性があります。特に、アレルギー体質の方、過去に造影剤や薬でアレルギー反応を起こしたことがある方、喘息やアトピー性皮膚炎をお持ちの方は、起きやすい傾向があります。
症状
- のどや舌が腫れて息が苦しい
- 声がかすれる、ゼーゼーと息をしながら呼吸している
- 唇や顔が急に大きく腫れて、息がしにくい
- めまい、気を失いそうになる、意識がもうろうとする
- 動悸が激しく脈が速い
- ⚠じんましんが全身に広がっている
- ⚠じんましんと同時に発熱や関節の痛みがある
- ⚠新しく飲み始めた薬の後にじんましんが出た
- ⚠じんましんが何日も続く、または消えたり出たりを繰り返している
一般的な症状
- 皮膚に赤い、または皮膚より少し盛り上がった発疹(みみずばれ)が出る
- 強いかゆみがある
- 発疹が数十分〜数時間で消えたり、別の場所に現れたりする
- チクチクする、熱く感じる
- まぶたや唇が軽く腫れることがある
子供の症状
- 大人と同じように赤い発疹とかゆみが出ますが、子どもはうまく言葉で伝えられないこともあります
- 機嫌が悪くなったり、体をかきむしったりする様子が見られます
- 発疹のほかにおなかの痛みや下痢をともなうことがあります
高齢者の症状
- 高齢の方は皮膚が薄く、かゆみを強く感じることがあります
- 飲んでいる薬が原因でじんましんが出ることもあるため、持病の薬をすべて医師に伝えることが大切です
- 息苦しさやめまいなどの重い症状が急に出た場合は、迷わず救急車を呼んでください
原因
主な原因
- MRI造影剤(主にガドリニウムという成分)に対するアレルギー反応
- 検査中に感じる不安やストレス
- 検査室の冷たい空気や、固定具による圧迫、緊張による発汗
- 食べ物や別の薬、ウイルス感染など、MRIと無関係にじんましんを引き起こす原因
リスク要因
- 過去に造影剤でじんましんやアレルギー反応を起こしたことがある
- 花粉症・喘息・アトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患を持っている
- 複数の薬を飲んでいる、または最近新しい薬を始めた
- じんましんを起こしやすい体質で、以前にもじんましんが出たことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- のどや顔の腫れ、呼吸の苦しさ、めまいなど、重い症状がある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください
- MRI検査後すぐに症状が強くなった場合は、検査を受けた医療機関に電話で連絡し、指示を仰いでください
定期受診を予約すべき場合:
- じんましんが繰り返し出る
- 処方された薬や市販の薬を使ってもよくならない
- MRIの予約が近いのに、アレルギーや検査について心配や疑問がある
診断
医師は、じんましんが出た時期・場所・MRI検査との時間的な関係を詳しく聞き、皮膚の状態を確認します。必要に応じて血液検査やアレルギー検査を行い、ほかの病気が隠れていないかを調べることもあります。原因がはっきりしない場合は、日記をつけて食事や薬、生活との関係を確認します。
行われる可能性のある検査
- 医師による問診と皮膚の診察
- 血液検査(炎症やアレルギーの目印を調べる)
- 必要に応じたアレルギー検査(造影剤、薬など)
- 症状の経過を記録するための発疹日記
診察で予想されること
MRI検査の前には、問診票で「アレルギーの有無」「過去に検査で反応が出たことがあるか」を必ず聞かれます。日本では、厚生労働省の指針に基づき、医療機関が造影剤の使用前にアレルギー歴を確認することになっており、必要に応じて医師が事前に説明を行います。造影剤を使う場合は、同意書への記入を求められます。検査中は、じんましんや体の異変を感じたら、すぐに知らせてください。検査後も、しばらく待合室で様子を見ることがあります。
治療
じんましんの治療の基本は、原因になるものを取り除き、症状を薬でやわらげることです。MRI検査中にじんましんが出た場合は、すぐに造影剤の注入を止めて対応します。多くは時間とともに落ち着きますが、数日続くこともあるため、医師の指示に従って治療を続けます。
自宅でのセルフケア
- かゆい部分を冷たいタオルや保冷剤で冷やす
- かきむしらず、爪を短く切り、皮膚を清潔に保つ
- ゆるめで通気性の良い服を着て、肌をこすらない
- 熱いお風呂は避け、ぬるめのお湯でさっと洗う
- 心当たりのある食べ物や薬があれば、医師に相談したうえでしばらく避ける
医療治療
アレルギー反応を抑えるお薬(抗ヒスタミン薬など)が中心になります。症状が強い場合は、短期間だけ炎症を鎮めるお薬や注射での治療を検討することもあります。どの治療法を選ぶかは医師が症状や体質に合わせて決めるため、市販薬を自己判断で重ねて使わないようにしましょう。また、過去に造影剤で反応を起こしたことがある場合は、検査前に反応を抑える準備をしておくよう、医師が指示することがあります。
手術が検討される場合
じんましんに対して手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
じんましんが出ても、正しい知識と対処法があれば、日常生活を大きく変える必要はありません。発疹が出たときは無理をせず、体を冷やしてゆっくり休みましょう。症状を日記に記録しておくと、次の診察で原因の手がかりになりやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休息をとる
- ストレスをためすぎない(趣味や軽い運動でリラックスの時間をつくる)
- アルコールや刺激の強い食べ物は、症状を悪化させることがあるため控えめにする
- 体を締め付ける服や、過度の発汗・熱のこもりを避ける
- 医療者には、過去のアレルギー歴を毎回伝える習慣をつける
食事と運動
特定の食べ物が原因の場合を除き、食事を極端に制限する必要はありません。ただし、アルコールや香辛料の強いものはかゆみを増すことがあります。運動は血行を良くし、ストレス解消にも役立ちますが、運動直後にじんましんを起こしやすい方もいるため、自分の体調を見ながら無理のない範囲で行いましょう。
精神的健康と心の健康
かゆみや発疹が続くと、睡眠不足になったり、人前に出るのがつらくなったりすることもあります。それも病気の一部です。ひとりで抱え込まず、医師に「見た目やかゆみのつらさ」を率直に伝えて、治療を調整してもらいましょう。
予防
じんましんを完全に防ぐことはできませんが、リスクを大きく減らすことができます。過去に造影剤で反応を起こしたことがある場合は、MRIの前に必ず医師へ伝えましょう。必要に応じて、事前に反応を抑える準備を行ったり、造影剤を使わない検査方法を検討したりできます。検査当日は体調を整え、心配なことをスタッフに伝えることも大切です。
合併症
治療しない場合
- のどや舌の腫れが進むと、気道が狭くなって呼吸ができなくなることがあります(アナフィラキシー)
- 強いかゆみをかきむしることで、皮膚に細菌感染(とびひなど)を起こすことがあります
- じんましんが慢性化すると、かゆみで眠れない、仕事や家事に集中できないなど、生活の質に影響が出ることがあります
長期的な見通し
じんましんは、原因を取り除き適切な治療を受けられれば、多くの場合、数時間から数日で穏やかに落ち着きます。MRI検査に伴うじんましんも、ほとんどの場合は一時的な反応で、後遺症はほとんどありません。医療者にきちんと伝え、対処法を知っておくことで、安心して検査を受けることができます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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