骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のMRI検査とは?検査前に知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨粗鬆症とは、骨の量(骨密度)と骨の質が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。骨の内部がすかすかになるため、ちょっとした段差でつまずいた拍子や、くしゃみをしただけで骨が折れてしまうことがあります。
重要な事実
- 骨粗鬆症は初期にはほとんど自覚症状がなく、骨折して初めて気づかれることが多い病気です。
- MRI検査は骨密度を測るためではなく、骨や周りの組織を詳しく見るための検査です。骨密度の測定には、通常DXA(デキサ)法という検査が使われます。
- 骨粗鬆症は、早期に発見して対策することで、骨折のリスクを減らすことができます。
はい、とてもよくある病気です。日本では厚生労働省の調査によると、40歳以上の約1,280万人が骨粗鬆症またはその予備群と考えられています。高齢になると増え、特に閉経後の女性に多く見られます。
女性、特に閉経後の女性に多く見られます。閉経に伴って女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減り、骨が急速に弱くなることが原因です。男性でも年齢を重ねるとリスクが高まります。また、若い人でも栄養不足や特定の病気、治療薬の影響で起こることがあります。
症状
- 突然の強い背中や腰の痛みがあり、立つことができない、または足に力が入らない場合は、直ちに救急車(119番)を呼んでください。
- ⚠転んだ後や物を持ち上げた後に、背中や腰に我慢できないほどの強い痛みがある
- ⚠腰や背中の痛みのために歩くことが難しくなった
- ⚠しびれや排尿・排便の異常を伴う痛みがある
一般的な症状
- 骨粗鬆症自体は、骨折するまで痛みや違和感などの症状が出ないことがほとんどです。
- 背中や腰の痛み、身長の低下、背中が丸くなる(円背)などは、背骨(脊椎)が圧迫骨折したサインかもしれません。
子供の症状
- 小児ではまれですが、特定の病気や長期にわたるステロイド治療などが原因で起こることがあります。
- 子どもの場合、骨の成長に影響が出る可能性があるため、早めに小児科医の診察を受けることが大切です。
高齢者の症状
- 少しの転倒やくしゃみ、重い物を持つといった動作で背骨が圧迫骨折し、強い痛みを感じることがあります。
- 太ももの付け根(大腿骨)や手首の骨も折れやすく、特に太ももの付け根の骨折は歩けなくなる原因になるため注意が必要です。
原因
主な原因
- 加齢に伴って骨を作る働きが弱くなり、骨量が減ること
- 閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)の低下
- カルシウム、ビタミンD、たんぱく質などの栄養不足
- 甲状腺疾患や関節リウマチなど、骨に影響を与える病気の存在
- 特定の持病に対する治療薬の長期使用(医師から処方される一部の薬が骨に影響することがあります)
リスク要因
- 女性であること(とくに閉経後)
- 高齢であること
- やせ型または低体重
- 家族に骨粗鬆症や骨折の人がいる
- 喫煙・過度の飲酒
- 運動不足
- 過去に骨折したことがある
- ステロイド薬など特定の治療薬の長期使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上に挙げた緊急症状(突然の強い背中や腰の痛み、足のしびれ、排尿や排便の異常など)がある場合は、すぐに医療機関へ連絡するか、119番を呼んでください。
- 転倒した後に痛みが強く、動けないような場合は、無理に動かさずに助けを求めましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 閉経後の女性、65歳以上の男性、または骨粗鬆症のリスク因子がある方は、定期的に骨密度検査を受けることをおすすめします。
- 背中や腰の痛みが続く、身長が縮んだ気がする、背中が丸くなってきた、という場合も医療機関を受診しましょう。
診断
骨粗鬆症の診断のもとになるのは、骨密度測定(DXA法)です。腰や太ももの骨の密度を調べ、骨折しやすさを評価します。また、背中のレントゲンやMRI検査は、背骨の骨折の有無や、痛みの原因が骨以外にないかを確認するために使われます。MRI検査は骨密度そのものを測るわけではありませんが、骨の中や脊髄、軟部組織を細かく観察できるため、レントゲンでは見えにくい骨折を見つける手がかりになります。
行われる可能性のある検査
- 骨密度測定(DXA法)— 骨粗鬆症の診断に最もよく使われる検査です。腰と太ももの骨密度を測ります。
- 脊椎レントゲン検査 — 背骨の圧迫骨折の有無を調べる検査です。
- MRI検査(磁気共鳴画像)— 強い磁力と電波を使って骨や脊髄、周りの組織を細かく写す検査です。骨折や痛みの原因を詳しく調べます。
- 血液検査 — 骨の代謝や内分泌の異常など、骨粗鬆症を起こす別の病気がないかを確認します。
診察で予想されること
MRI検査では、筒状の大きな装置の中に寝ていただきます。検査時間は通常15〜30分程度で、その間、動かないように指示があります。装置の中はやや狭く、ゴーンという大きな音がしますが、ヘッドホンや耳栓を使って快適に受けられるよう配慮してくれます。検査前に金属類(メガネ、時計、アクセサリーなど)を外す必要があります。ペースメーカーや人工関節など体内に金属がある方、閉所が苦手な方は、事前に医師へ伝えてください。場合によっては、血管に造影剤を注入してより詳しく調べることもあります。
治療
骨粗鬆症の治療の目標は、骨折を防ぎ、骨の強さを保ち、生活の質を維持することです。治療の柱は、栄養や運動などの生活習慣の改善と、医師が必要と判断した場合の薬物療法です。ご自身の状態に合わせて、医師と一緒に治療方針を決めていきましょう。
自宅でのセルフケア
- カルシウムやビタミンD、たんぱく質を多く含む食品をバランスよく食べる
- 適度な運動(ウォーキングや軽い筋力トレーニング)を継続する
- 転倒を防ぐために、家の中の段差をなくす・手すりをつける・照明を明るくするなど環境を整える
- 喫煙している方は禁煙を、お酒を飲む方は節酒を心がける
医療治療
骨粗鬆症と診断された場合、骨の吸収を抑える薬、骨の形成を促す薬、両方に関わる薬など、いくつかの治療薬が選択肢としてあります。どの薬が合うかは、年齢、骨密度、骨折のリスク、持病などによって異なります。また、薬にはそれぞれ注意点や副作用があるため、医師の説明を受けた上で、指示に従って服用することが大切です。自己判断で中断せず、気になることがあれば必ず医師に相談してください。
手術が検討される場合
背骨の圧迫骨折で強い痛みが続き、保存的な治療(安静、鎮痛、コルセットなど)で改善しない場合は、椎体形成術などの手術が検討されることがあります。これは、つぶれた背骨に特殊なセメントを注入して安定させる手術です。また、太ももの付け根(大腿骨近位部)の骨折などでは、骨を接合する手術が必要になることがあります。手術は医師が全身の状態を総合的に判断して提案するもので、必ずしもすべての人に必要というわけではありません。
この病気と共に生きる
骨粗鬆症と診断されても、普段の生活の工夫で骨折のリスクを減らすことはできます。例えば、床の物を拾うときはしゃがんで行う、高い所の物は踏み台を使う、滑りにくい靴を履くなどの小さな注意が役立ちます。痛みがあるときは無理をせず、休息を取りながら過ごしてください。
生活習慣のアドバイス
- 週に数回、ウォーキングや水中運動などの軽い有酸素運動を行う
- 骨に軽い負荷をかける運動(重力に抗する運動)で骨密度の維持を目指す
- 背筋や太ももの筋肉を鍛える筋力トレーニングを取り入れる
- バランス感覚を養う運動を行う
- 適度に日光を浴びてビタミンDの生成を助ける
食事と運動
食事は、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、小魚、豆腐、緑黄色野菜を意識して取ると、カルシウムを補いやすくなります。ビタミンDは魚(さけ、さんま、いわしなど)やきのこに多く含まれ、日光を浴びることで体内で作られます。たんぱく質も骨の土台となるため、肉、魚、卵、豆製品を適量食べることが大切です。運動は、医師や理学療法士の指導のもと、骨に適度な刺激がかかる無理のない範囲で行ってください。
精神的健康と心の健康
骨粗鬆症では、「また骨折するのではないか」という不安や、慢性的な痛みから気分が沈んでしまうことがあります。特に、痛みのために外出を控えていると孤立感が強くなることもあります。そうした気持ちになるのは自然なことです。一人で抱え込まず、家族や友人、医師や看護師に話してください。もし強い不安や落ち込みが続く場合は、心の健康の専門家や地域の相談窓口を利用することも選択肢の一つです。決して恥ずかしいことではありません。
予防
完全に防ぐことは難しい場合もありますが、食事や運動などの生活習慣を整えることで、骨密度の低下を緩やかにし、骨折のリスクを大きく減らすことができます。若いうちから骨の健康を意識することが、将来の予防につながります。
検診プログラム
日本では、市区町村の健康診査や骨粗鬆症検診として、骨密度測定を実施していることがあります。閉経後の女性や高齢者、身内に骨折歴のある方など、リスクがある方は、医師に相談しながら定期的に骨密度検査を受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 背骨(脊椎)の圧迫骨折を繰り返し、身長の低下や背中の変形が進む
- 太ももの付け根(大腿骨近位部)の骨折により、歩行や日常生活の自立度が大きく低下する
- 骨折後に痛みで動けなくなり、全身の筋力や活動量が落ちる
- 長期間の安静によって、寝たきりのリスクや他の健康問題が生じやすくなる
長期的な見通し
骨粗鬆症は、早くに見つけて生活習慣の改善や適切な治療を続ければ、骨折を防いで健康な骨を保てる可能性が十分にあります。治療薬の選択肢も増えており、骨密度の改善が期待できる時代です。決して諦めず、医師と一緒に自分に合った管理方法を見つけて、一歩ずつ取り組んでいきましょう。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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