骨粗鬆症とX線検査
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の量が減ってスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。X線検査は、骨の形や骨折の有無をみる検査で、骨粗鬆症の診断に役立ちます。病院で行う骨密度の精密検査とは少し違いますが、患者さんの状態を知る大切な手がかりになります。
重要な事実
- 骨は毎日、古い骨を壊して新しい骨を作る「作り替え」を繰り返しています。年をとると作り替えのバランスが崩れ、骨が減っていきます。
- X線検査は主に骨折の有無を調べるもので、骨粗鬆症による背骨のつぶれや太ももの付け根の骨折などを見つけます。
- 骨の密度(かたさ)を正確に測るには、DXA(デキサ)という骨密度測定が標準です。自治体の健診や病院で受けることができます。
とてもよく見られる病気です。高齢になるほど増え、特に閉経後の女性に多くみられます。日本人の高齢者の多くが骨粗鬆症あるいはその予備群といわれています。
主に閉経後の女性と高齢の男性です。若い人でも、ステロイド薬の長期使用や特定の病気によって骨粗鬆症になることがあります。
症状
- 体が動かず、立てない・歩けない場合
- 激しい背中や腰の痛み、足がしびれるなどの神経症状がある場合
- 事故や転落などで強い衝撃を受け、意識がもうろうとしている場合
- ⚠転んだりぶつけたりした後、強い痛みや腫れが続く場合
- ⚠腕や足を動かすと痛む場合
- ⚠少しの衝撃で痛みがあり、我慢できない場合
一般的な症状
- 自覚症状はほとんどなく、骨折して初めて気づくことが多いです。
- 背中や腰の痛み
- 身長が縮む
- 猫背になる
子供の症状
- 小児ではまれですが、骨がもろくなり、転んだ拍子に骨折しやすくなります。
- 成長に伴う骨の痛みを訴えることもあります。
高齢者の症状
- 手首の骨を折りやすい
- 背骨が圧迫されて背中や腰に強い痛みが出る
- 太ももの付け根を骨折して立ち上がれなくなる
- 少しつまずいただけで骨折する
原因
主な原因
- 加齢により骨を作る力が衰える
- 閉経後に女性ホルモンが減り、骨が壊れる速度が増す
- カルシウムやビタミンDが不足する偏った食事
- 運動不足や日光を浴びる時間が少ない
リスク要因
- 女性(特に閉経後)
- やせ型(低体重)
- 家族に骨粗鬆症や骨折の人がいる
- 喫煙・過度な飲酒
- ステロイド薬の長期使用
- 甲状腺や副甲状腺の病気
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 少しの衝撃でも強い痛みがあり、動けない場合
- 腰や背中を打って、しびれや排尿の異常がある場合
- 骨折が疑われるけがをした直後
定期受診を予約すべき場合:
- 閉経後の女性で、骨粗鬆症検診をまだ受けたことがない場合
- 身長が2cm以上縮んだ、または背中が丸くなってきた場合
- 家族が骨粗鬆症で、自分も心配になってきた場合
診断
骨粗鬆症の診断は、医師の問診・身体診察に加えて、骨密度測定やX線検査などの画像検査で行われます。X線検査は骨折や骨の変形を調べるときに役立ちます。
行われる可能性のある検査
- X線検査:骨折や背骨のつぶれがないかを確認します
- DXA法による骨密度測定:骨のかたさ(骨密度)を数値で測定します
- 血液検査・尿検査:骨の代謝状態や、骨粗鬆症を起こす病気がないかを調べます
診察で予想されること
X線検査は服の上から撮影できる場合が多く、痛みはありません。数分で終わります。骨密度測定も横になったまま数分待つだけで、こちらも痛みはありません。検査前に特別な準備は必要ありません。
治療
骨粗鬆症の治療は、骨の量がさらに減るのを防ぎ、骨折を起こさないことを目標にします。食事・運動などの生活習慣の見直しと医師による薬物治療を組み合わせて行います。
自宅でのセルフケア
- バランスの良い食事をとる(特にカルシウム・ビタミンD・たんぱく質)
- 無理のない範囲で体を動かし、筋力とバランス感覚を保つ
- 転びにくい環境づくり(段差をなくす、室内を明るくする、滑りにくい靴をはく)
- 喫煙・過度な飲酒を控える
医療治療
薬物治療には、骨が壊れるのを抑える薬、骨を作るのを助ける薬、ビタミンDやカルシウムなどの栄養を補う薬があります。医師があなたの骨密度や体の状態、ほかの病気などを考慮して、適切な薬を選びます。自己判断で市販薬をのむのではなく、必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
骨折してしまった場合、特に太ももの付け根の骨折では、歩けるようにするために手術が必要になることがあります。背骨のつぶれによる強い痛みには、骨セメントを使う低侵襲の治療が行われることもあります。
この病気と共に生きる
骨粗鬆症があっても、無理をしなければ普段の生活を続けられます。骨折を防ぐことが何より大切なので、安全な動き方を身につけ、痛みがあるときは休息をとるようにしましょう。寝たきりにならないために、日頃から体を動かす習慣を維持することが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 屋内を整理し、つまずくものを置かない
- 夜中にトイレに行くときは照明をつける
- 杖や手すりを上手に使い、転倒を防ぐ
- ウォーキングや水中運動など、負担の少ない運動を続ける
- 日光を浴びてビタミンDを体内で作る
食事と運動
カルシウムが多い食品(牛乳・ヨーグルト・小魚・豆腐・小松菜など)と、カルシウムの吸収を助けるビタミンD(きのこ類・魚類)を毎日少しずつとりましょう。運動は、ウォーキングやスクワットなど、骨に適度な刺激がかかるものを、痛みのない範囲で行いましょう。運動の可否は主治医に確認してください。
精神的健康と心の健康
骨折や治療の長期化によって、不安や気分の落ち込みを感じることがあります。一人で抱え込まず、家族や友人に話したり、医療者や自治体の相談窓口に相談したりすることが大切です。
予防
完全に予防することは難しいですが、骨量が減るスピードを遅らせ、骨折を防ぐことはできます。若いうちから骨を強くする生活習慣を続けることが、将来の骨粗鬆症予防につながります。
検診プログラム
厚生労働省は、骨粗鬆症による骨折を防ぐため、高齢者を対象にした骨密度検診・骨粗鬆症検診の実施を自治体に推奨しています。お住まいの市町村の検診案内を確認したり、健診センターに問い合わせたりして、骨密度測定を受けてみましょう。
合併症
治療しない場合
- 骨折しやすくなる(背骨・手首・太ももの付け根)
- 骨折後に歩行機能が低下し、寝たきりになるリスクが高まる
- 背骨の圧迫骨折が何度も起こり、身長低下や猫背が進む
- 慢性的な腰痛・背中痛が続く
長期的な見通し
骨粗鬆症はうまく付き合っていける病気です。治療を続ければ骨密度の低下を抑え、骨折のリスクを大きく減らすことができます。多くの人は、工夫しながら日常生活を続け、元気に過ごしています。あきらめず、医療者と一緒に取り組みましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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