パーキンソン症状とX線(レントゲン)検査:診断のために知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
X線(レントゲン)検査は、体にわずかな放射線を当てて、骨や肺などの様子を白黒の画像で見る検査です。パーキンソン病は、脳の中で「ドパミン」と呼ばれる神経伝達物質を作る細胞が減って起こる病気で、主にふるえ、動作がのろくなる、筋肉がこわばるなどの症状が出ます。X線検査はパーキンソン病自体を診断する検査ではなく、同じような症状を起こす他の病気がないかを調べるために、整形外科や内科などで行われることがあります。
重要な事実
- パーキンソン病の診断は、お医者さんが問診と神経診察で行うのが基本で、レントゲンだけでは診断できません。
- X線(レントゲン)検査は骨や肺の様子を見る検査で、痛みはほとんどなく、検査時間は数分です。
- パーキンソン症状が疑われるときにX線検査が使われるのは、転んで骨折していないか、肺に異常がないかなど、他の病気を除外するためです。
パーキンソン病は比較的よくある神経の病気で、日本では約20万人の患者さんがいると言われています。X線検査は病院で最もよく行われる検査の一つなので、特別に珍しい検査ではありません。
パーキンソン病は50代から60代以降に多く、年齢とともに発症しやすくなります。男性の方がやや多いという統計があります。X線検査自体は年齢を問わず行われますが、パーキンソン症状に対するX線検査は、ふだんから転びやすい高齢者に多いと言えます。
症状
- 突然、意識を失った
- 半身の手足が動かせない
- 話し言葉が急に不明瞭になった
- 激しい頭痛を伴う
- 呼吸が苦しい
- 大きな事故で頭を強く打った
- ⚠症状が急に悪くなった
- ⚠転んで痛みが強く、骨を折ったかもしれない
- ⚠食べ物や飲み物を頻繁にむせる
- ⚠ふるえがひどくて薬を飲めない
- ⚠気分がひどく落ち込んで、生活に支障がある
一般的な症状
- 手や指がふるえる
- 動作がゆっくりになる
- 筋肉がこわばる
- 歩くときの姿勢が前かがみになる
- バランスをとりにくい
- 表情が乏しくなる
子供の症状
- パーキンソン病は大人の病気で、子どもにはほとんど見られません。子どもでふるえなどがある場合は、緊張やストレス、別の病気が原因の可能性があります。子どものX線検査は、けがや骨の異常を調べるために行われることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、パーキンソン症状が薬の副作用や脳血管障害(脳卒中)による場合もあります。X線検査(レントゲン)やCT検査で、脳出血や脳梗塞などがないかを確認すると、診断の助けになります。
原因
主な原因
- パーキンソン病の正確な原因はまだわかっていません
- 脳内のドパミンを作る神経細胞が減少することが原因だと考えられています
- 遺伝的な要因と環境的な要因が関わるとされています
リスク要因
- 年齢(60歳以上)
- 家族にパーキンソン病の人がいる
- 男性である(やや多い)
- 特定の農薬や化学物質への長期間の曝露(研究で関連が示唆されています)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 症状が急に進んだ
- 転倒して骨折が疑われる
- 食べ物をよくむせて、肺に食べ物が入る(誤嚥)心配がある
- 周囲の人が見てすぐに病院へ連れて行くべきと判断する状態
定期受診を予約すべき場合:
- 手や足のふるえが続く
- 動作が遅くなった、歩きにくいと感じる
- 字が小さくなったり、勢いがなくなった
- 表情が少なくなったと家族に言われる
診断
パーキンソン病の診断は主に、問診(症状の経過や生活の様子の質問)と神経診察(手足の動き、ふるえ、バランスの確認)によって行われます。X線(レントゲン)検査は、転倒による骨折、胸部(肺)の病気など、パーキンソン症状と似た症状を起こす他の病気を除外するために行われることがあります。レントゲン写真では、脳や背骨の細かい部分は見えないため、必要に応じてCTやMRIなどの他の画像検査が追加されることもあります。
行われる可能性のある検査
- 問診・診察(神経学的検査)
- X線写真(レントゲン)で骨や関節、胸(肺)のチェック
- CT検査やMRI検査(脳の画像)
- 血液検査(他の病気の除外)
- DaTスキャンという核医学検査(診断が難しい場合に行われることがあります。通常のレントゲンとは異なります)
診察で予想されること
病院では、まずお医者さんが症状のことを詳しく聞きます。X線検査が必要と言われた場合は、専用の部屋で撮影します。放射線技師の指示に従って、動かないで少しの間じっとします。検査自体は数分で終わり、痛みはありません。X線検査の放射線量はごくわずかで、健康への影響はほとんどないとされています。妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、必ず前もって技師や医師に伝えてください。
治療
パーキンソン病は、現在のところ病気そのものを治す治療法はありませんが、症状を抑えて元気に過ごすための治療がとても進歩しています。薬物療法、リハビリテーション、生活の工夫を組み合わせて、症状に合った治療を行います。
自宅でのセルフケア
- 毎日決まった時間に起きて、体を動かす習慣をつける
- 転びそうな場所を家の中からなくす(段差や敷物)
- むせないように、ゆっくり食べる
- 温泉やシャワーなどで筋肉のこわばりをやわらげる
医療治療
薬物療法では、脳内で不足するドパミンの働きを補う薬や、症状をやわらげる薬が使われます。薬の種類や組み合わせ、量は、患者さんの年齢や症状の程度によって医師が決めます。市販の薬を自己判断で使うのではなく、必ず処方された薬を指示どおりに飲んでください。薬の効果や副作用については、かかりつけ医や薬剤師に相談しましょう。
手術が検討される場合
進行して薬の効果が減ってきた場合や副作用が強い場合に、脳深部刺激療法(しん部刺激療法)という手術が検討されることがあります。これは脳に電極を埋める手術ですが、すべての患者さんに適しているわけではなく、専門医による詳しい評価が必要です。
この病気と共に生きる
パーキンソン病は進行がゆっくりで、診断から何年も、多くの方が仕事や趣味を続けています。できないことを数えるより、できることを増やす工夫を大切にしましょう。毎日の服薬を習慣にし、リハビリを根気よく続けることが生活の質を高めます。
生活習慣のアドバイス
- 家の手すりや杖など、安全に動ける道具を考える
- 無理をしないけれど、社会とのつながりを保つ
- 睡眠をしっかりとり、昼間の過度の眠気があれば医師に相談
食事と運動
食事は、バランスのよいものを3食とることが基本です。便秘になりやすいので、水分をしっかり取り、野菜や果物などの食物繊維を取り入れましょう。運動は、ウォーキングやパーキンソン体操などの有酸素運動がすすめられます。転倒予防のために、足首のストレッチや太ももの筋力トレーニングも役立ちます。リハビリテーションの専門家に相談するのもお勧めです。
精神的健康と心の健康
パーキンソン病では、気分の落ち込みや不安、記憶の変化が出ることがあります。これは病気の一部として起こりえるもので、決して気のせいではありません。うつや不安も治療の対象です。ひとりで悩まず、家族や医師に気持ちを伝えてください。カウンセリングや薬物療法など、助けになる方法があります。
予防
残念ながら、パーキンソン病を確実に予防する方法はまだ見つかっていません。ただ、適度な運動と健康的なバランスのよい食事は、パーキンソン病だけでなく多くの病気の予防に役立つと言われています。
ワクチン
パーキンソン病を予防するワクチンは今のところありません。
検診プログラム
日常生活でふるえ、動きの遅さ、歩きづらさなどを感じたら、それは自分でできるサインです。特に病気の検診としての血液検査や画像検査は推奨されていません。気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 放置すると、バランスの悪さから転倒して骨折するリスクが高まります
- 食べ物をうまく飲み込めず、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を起こしやすくなります
- 症状が進行すると、日常生活の動作が難しくなり、介護の支援が必要になることがあります
長期的な見通し
パーキンソン病と診断されても、薬やリハビリ、生活の工夫によって、症状をうまくコントロールし、長い間、自分らしい生活を送っている方はたくさんいます。病気をしっかり知り、前向きに治療に取り組むことが、よい経過につながります。不安なときは、遠慮なく医療者に相談してください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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