PMSの超音波検査(エコー)の解説
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
PMS(月経前症候群)の超音波検査とは、月経前に起こる心や体の不調(PMS)のある方が、その原因がPMSだけか、あるいは子宮筋腫や卵巣のう腫など別の病気によるものかを調べるために行われる骨盤の超音波検査です。超音波検査は音波を使って体の中を映し出す安全な検査で、放射線を使わず、痛みもほとんどありません。
重要な事実
- PMSそのものを超音波で診断することはできません。月経周期と症状の記録がとても大切です。
- この検査は、PMSに似た症状を起こす子宮や卵巣の病気を見つけるために行われます。
- おなかの上から行う方法と、腟の中に細い探り子を入れて行う方法があります。
婦人科ではごく一般的に行われている検査です。PMSの症状をきっかけにこの検査を受ける方も少なくありません。
主に月経のある年齢の女性(10代から40代)が対象です。PMS自体は女性の約7割が経験すると言われていますが、超音波検査が必要かどうかは医師が判断します。
症状
- 突然の強い下腹部痛(がまんできない痛み)
- 大量の性器出血(1時間に1枚以上のナプキンがすぐ血でいっぱいになるなど)
- 意識がもうろうとする、めまいがして立っていられない
- ⚠発熱を伴う下腹部痛
- ⚠吐き気や嘔吐があり食事がとれない
- ⚠月経ではないのに出血が続く
一般的な症状
- 月経前(排卵後から月経が始まるまで)の強い腹痛や腰痛
- 不正出血(月経と月経のあいだの出血)
- 下腹部のしこりやおなかの張りを感じる
子供の症状
- この検査は主に大人の女性を対象としています。月経が始まる前の年齢ではPMSはありませんが、腹部の超音波検査は他の理由で行われることがあります。
高齢者の症状
- 閉経後はPMSはありませんが、子宮や卵巣の病気を調べるために超音波検査が行われることがあります。ホルモン補充療法などの影響を確認するために行われることもあります。
原因
主な原因
- PMSの原因はまだ完全には解明されていませんが、月経周期に伴うホルモンの変化が関係していると考えられています。
- 超音波検査は、PMSの症状に似た症状を引き起こす子宮筋腫や卵巣嚢腫(のう腫)などを見つけるために行われます。
リスク要因
- PMSの症状が強く出る方、月経周期が不規則な方
- 30代~40代で子宮筋腫ができやすい年代の方
- 家族に婦人科の病気をした方がいる場合
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 大量の出血や強い腹痛があるときは、すぐに病院を受診してください。夜間や休日なら、救急外来または119番に連絡します。
定期受診を予約すべき場合:
- 月経前の不調で日常生活に支障がある、市販薬を飲んでも良くならない場合は、婦人科を受診して相談しましょう。
診断
超音波検査はPMSを診断するためのものではなく、PMSに似た症状を起こす別の病気を探すための検査です。診断には月経周期と症状の記録が欠かせません。医師が問診や記録をもとにPMSと診断し、必要があると判断した場合に超音波検査が行われます。
行われる可能性のある検査
- 腹部超音波検査(おなかの上から): 膀胱に尿をためた状態で、ゼリーを塗った探り子(プローブ)を当てます。
- 腟超音波検査(ちつの中から): 細い棒状のプローブを腟に入れて、子宮や卵巣を観察します。
- 血液検査: ホルモンや貧血の有無を調べることがあり、超音波検査とあわせて行われることもあります。
診察で予想されること
検査は通常5~15分程度です。腹部エコーでは、検査前に水分をとって膀胱をふくらませることがあります。腟エコーでは内診台に行います。痛みはほとんどありませんが、少し圧迫感を感じることがあります。結果はその場で教えてもらえることが多いですが、さらに詳しく読影するため後日結果が出ることもあります。
治療
超音波検査がきっかけで見つかった病気(子宮筋腫や卵巣嚢腫など)があれば、その病気の治療が検討されます。PMSと診断された場合は、生活習慣の改善や対症療法を行います。薬を使う場合は医師の処方に従います。
自宅でのセルフケア
- 月経周期と症状を記録し、自分のパターンを知る。
- ウォーキングやヨガなど、適度な運動を習慣にする。
- カフェインやアルコール、塩分を控える。
- 十分な睡眠をとり、ストレスを減らす。
医療治療
医療機関では、痛み止め、漢方薬、低用量ピル、気分の落ち込みやイライラをやわらげる薬などが使われることがあります。薬の選択や量は、医師が症状や体質に合わせて決めます。自己判断で服用せず、必ず処方に従ってください。
手術が検討される場合
超音波検査で大きな子宮筋腫や卵巣嚢腫が見つかり、症状が重い場合や、がんの可能性が疑われる場合には、手術が検討されることがあります。妊娠を希望するかどうかなどを考慮し、医師とよく話し合って決めます。
この病気と共に生きる
検査で異常が見つからなければ安心材料になります。PMSがあってもセルフケアを続けることで症状とうまく付き合えます。もし病気が見つかっても、多くの場合は治療が可能です。
生活習慣のアドバイス
- 症状が強くなる時期を予測し、休みを調整する。
- パートナーや家族に自分の症状を伝えて協力を得る。
- 月経カレンダーを活用し、体調の変化に目を向ける。
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、ビタミンB6、マグネシウム、カルシウムを多く含む食品(大豆製品、緑黄色野菜、乳製品など)をとりましょう。有酸素運動は月経前の不調を軽くすることがあります。ただし、激しすぎる運動は避け、体と相談しながら行ってください。
精神的健康と心の健康
PMSの症状は気分の落ち込みやイライラを引き起こし、人間関係に影響することもあります。「自分が弱いから」と責めないでください。多くの女性が経験する症状です。もし自殺念慮や強い絶望感がある場合は、すぐに信頼できる人や医療機関に相談してください。
予防
PMSそのものを完全に予防する方法はありません。しかし、生活習慣を整えることで症状を軽くすることができます。また、超音波検査で見つかる病気は、早期発見・早期治療で改善できるものが多いです。
ワクチン
PMSや超音波検査に特化したワクチンはありません。
検診プログラム
定期的な婦人科検診(子宮頸がん検診など)を受けることをおすすめします。超音波検査は症状があるときだけでなく、健診の一部として行われることもあります。
合併症
治療しない場合
- 超音波検査をせずに放置すると、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの病気が見逃され、症状が進行する可能性があります。
- 出血や腹痛が続く場合、貧血や日常生活の支障が大きくなることがあります。
長期的な見通し
多くの場合、PMSは治療により症状が軽くなります。超音波検査で見つかった病気のほとんどは良性で、妊娠や日常生活に影響がないこともあります。気になることがあれば、遠慮なく医療機関に相談してください。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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