乾癬(かんせん)の画像検査結果を待つときの安心ガイド
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乾癬(かんせん)は、皮膚に赤い発疹(ほっしん)と銀白色のふけのような鱗屑(りんせつ)ができる、慢性(長く続く)の炎症性皮膚疾患です。免疫(めんえき)のしくみが関係し、皮膚の新陳代謝が異常に速くなることで起こります。画像検査(レントゲン、MRI、超音波など)は、関節の痛みや腫れがある場合に、関節炎(かんせつえん)の有無を調べるためなどに行われることがあります。
重要な事実
- 乾癬はうつる病気ではありません。
- 皮膚症状だけでなく、関節にも炎症を起こすことがあります。
- 治療で症状をうまくコントロールできることが多く、重症化も防げます。
- 画像検査の結果には数日から数週間かかることがあります。
はい、乾癬は比較的よく見られる病気で、日本では約0.3~0.5%の方が罹患(りかん)しているといわれています。
乾癬はどの年齢でも発症する可能性がありますが、20代から30代の成人と、50代から60代の成人に多いとされています。男性と女性で大きな差はありません。
症状
- 全身の皮膚が突然広範囲に赤くなる
- 高熱(38度以上)が出る
- 呼吸が苦しい、胸が痛む
- 激しい関節の痛みと腫れで動けなくなる
- ⚠皮膚のひび割れから膿(うみ)が出る、赤く腫れて熱を持つ(感染のサイン)
- ⚠関節の強い痛みが続き、日常生活に支障がある
- ⚠画像検査の結果について強い不安があり、体調に変化を感じる
一般的な症状
- 赤い発疹と銀白色の鱗屑(フケのような皮膚の剥がれ)
- かゆみ、痛み、ヒリヒリ感
- 皮膚の乾燥、ひび割れ、出血
- 爪の変形やくぼみ
- 関節の痛み、腫れ、こわばり(特に朝)
原因
主な原因
- 免疫システムの異常 – 自分の皮膚細胞を攻撃してしまう
- 遺伝的な要因 – 家族に乾癬の人がいる場合
- 環境や生活の要因 – ストレス、風邪やのどの感染、皮膚の傷、乾燥、飲酒、喫煙などが引き金になることがある
リスク要因
- 家族に乾癬の人がいる
- 風邪や扁桃炎などの感染症にかかったことがある
- 強いストレスを抱えている
- 肥満や生活習慣病がある
- 喫煙や多量の飲酒をしている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発疹が急速に広がる
- 関節が急に腫れて強い痛みがある
- 高熱を伴う
- 皮膚から膿が出る、または異臭がある
定期受診を予約すべき場合:
- 皮膚に赤い発疹や鱗屑が2週間以上続く
- かゆみや痛みで眠れない、生活に支障がある
- 爪の変化や関節の違和感がある
- 画像検査の結果や今後の治療について相談したいとき
診断
乾癬の診断は、医師が皮膚の症状を視診・触診し、病歴を確認したうえで行います。関節症状がある場合や、皮膚の症状が典型的でない場合は、画像検査や皮膚の一部を採取する生検(せいけん)を検討することがあります。
行われる可能性のある検査
- 視診と触診(皮膚や爪、関節を診察)
- 皮膚生検(皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる検査)
- 血液検査(炎症の程度や他の病気の可能性を調べる)
- 画像検査(レントゲン、MRI、超音波などで関節の状態を確認)
診察で予想されること
画像検査自体は痛みを伴わないことがほとんどで、検査時間は30分から1時間程度です。結果を説明する際は、医師が画像のどこに異常があるかを示しながら、今後の治療方針やケアの方法を一緒に考えてくれます。結果を聞くまで不安かもしれませんが、質問したいことをあらかじめメモして臨むとよいでしょう。
治療
乾癬は完全に治すことは難しいですが、症状をうまく抑え、きれいな肌の状態を長く保つことが可能です。治療は、症状の範囲や重症度、関節の症状の有無などによって個別に組み立てられます。
自宅でのセルフケア
- 皮膚をやさしく洗い、強くこすらない
- 保湿剤(ほしつざい)を入浴後すぐに塗り、皮膚の乾燥を防ぐ
- かゆみを抑えるため、爪は短く切り、刺激の少ない衣類を選ぶ
- ストレスをためない工夫をする
- 飲酒や喫煙は症状を悪化させることがあるため控えめにする
医療治療
治療には、外用薬(塗り薬)、光線療法(皮膚に特定の光を当てる治療)、内服薬や注射薬などの全身療法があります。医師の指示に従い、自分の症状に合った治療を選ぶことが大切です。薬の名前や用量は必ず担当医と相談してください。
手術が検討される場合
乾癬そのものに手術が必要になることは通常ありません。ただし、乾癬性関節炎で関節の変形が進み、日常生活に大きな支障がある場合には、整形外科の専門医が手術を含めた対応を検討することがあります。
この病気と共に生きる
乾癬は再発とよくなったりを繰り返すことがありますが、毎日のスキンケアと規則正しい生活で症状を安定させることができます。自分に合うケアの方法を見つけ、医師と相談しながら長く付き合っていくことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起きて、十分な睡眠をとる
- ストレスをためないように、趣味やリラックス法を見つける
- 肌を刺激する服装や摩擦を避ける
- 飲酒は控えめにし、禁煙を目指す
- 入浴はぬるめの湯で、体を石鹸でこすりすぎない
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、野菜や果物、魚を十分にとりましょう。適度な運動は免疫機能のバランスを整え、ストレス解消にも役立ちます。ただし、関節に痛みがある場合は、負担のかかりすぎない運動(歩行や水中運動など)を選び、医師に相談しながら行ってください。
精神的健康と心の健康
乾癬は見た目に関わる症状のため、自己評価が下がったり、不安やうつを感じる方も少なくありません。感情を押し込めず、信頼できる人に話したり、心理的なサポートを求めることも大切です。症状が気になりすぎる場合は、遠慮なく医療者に相談してください。
予防
乾癬そのものを完全に予防することはできませんが、症状の悪化や再発を防ぐことは可能です。日頃から肌の保湿を心がけ、風邪などの感染症を予防し、ストレスや飲酒、喫煙など悪化要因を避けることで、発作を減らすことができます。
ワクチン
感染症は乾癬の悪化を招くことがあるため、インフルエンザや肺炎球菌など、一般的なワクチン接種を検討してもよいですが、接種のタイミングや種類については主治医に相談してください。
検診プログラム
乾癬に特化した定期検診はありませんが、関節の症状がある場合は早期に専門医を受診し、乾癬性関節炎の有無をチェックすることが推奨されます。また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクも高まるため、健康診断を定期的に受けると安心です。
合併症
治療しない場合
- 乾癬性関節炎 – 関節が変形し、機能が低下することがある
- 心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)のリスクが高まることがある
- 肥満、高血圧、糖尿病などの代謝異常を合併しやすくなる
- 皮膚の感染症(細菌や真菌)を起こしやすくなる
- 精神的な負担が大きくなり、うつ状態になることがある
長期的な見通し
乾癬は多くの場合、適切な治療を続けることで症状をうまく管理し、普通の生活を送ることができます。治療法は年々進歩しており、重症でも選択肢はあります。画像検査の結果がどうであれ、あきらめずに医師と一緒に最善の方法を見つけていってください。
サポートを探す
地域の団体
- 日本乾癬患者連合(国指定難病などに関する情報) · 日本
- 厚生労働省 難病情報センター · 日本
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。