乾癬とX線検査:知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乾癬(かんせん)は、皮膚に赤い発疹や銀白色のうろこ状のかさぶた(鱗屑)ができる慢性の炎症性疾患です。免疫システムが関係し、皮膚の細胞が過剰に増えることで起こります。診断は主に皮膚の見た目と問診で行われます。X線検査は乾癬そのものの診断には使いませんが、関節にも炎症が起きる乾癬性関節炎の有無や骨・関節の変化を調べるために行われることがあります。
重要な事実
- 乾癬はうつる病気ではありません。
- X線検査は乾癬の診断には使われず、関節の変化を見るために使われます。
- 乾癬は慢性ですが、治療で症状をコントロールできます。
- 診断や治療は皮膚科の医師が行います。
乾癬は比較的多く見られる皮膚の病気で、日本にも多くの患者さんがいます。決して珍しい病気ではありません。
どの年齢でも発症し得ますが、20代から30代、または50代から60代に多く見られます。男女比はやや男性に多い傾向があります。
症状
- 全身の皮膚が急に広範囲に赤くなり、痛みや発熱を伴う場合は救急対応が必要です。
- 呼吸が苦しい、意識がぼんやりするなどの重い症状がある場合は、すぐに119番へ連絡してください。
- ⚠関節の急な腫れや激しい痛みがある場合。
- ⚠皮疹が急に悪化し、発熱や強い倦怠感がある場合。
- ⚠全身の皮膚が赤くなる紅皮症の症状が見られる場合は、同じ日または翌日には医療機関を受診してください。
一般的な症状
- 皮膚に赤い盛り上がった皮疹と、その上に銀白色の鱗屑(うろこ状の皮膚)ができます。
- かゆみや痛みを伴うことがあります。
- 肘や膝、頭皮、腰などにできやすいですが、全身どこにでもできます。
- 爪に小さなへこみや変形が見られることがあります。
子供の症状
- 子どもでは診断が難しいこともありますが、同様の皮疹が見られます。
- かゆみが強く、掻いてしまうこともあります。
高齢者の症状
- 高齢者では皮疹が広範囲に及ぶこともあります。
- 関節の痛みやこわばりを伴うこともあります。
原因
主な原因
- 免疫システムの異常が関係しています。
- 遺伝的な要因があります。
- ストレスや感染症、特定の薬剤、皮膚への刺激がきっかけになることがあります。
リスク要因
- 家族に乾癬の人がいる。
- 喫煙や過度の飲酒。
- 長期間のストレス。
- 皮膚の乾燥や外傷。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 関節の腫れや痛みが強く、動かしにくい場合。
- 皮疹が急に広がり、発熱や倦怠感がある場合。
- 全身の皮膚が赤くなる場合。
定期受診を予約すべき場合:
- 皮疹がなかなか治らない、または増えてきた場合。
- かゆみや痛みがひどい場合。
- 爪に変化がある場合。
診断
乾癬の診断は、主に皮膚の見た目と問診で行われます。必要に応じて皮膚の一部を採取する生検(せいけん)が行われることもあります。X線検査は乾癬性関節炎の可能性がある場合や、関節の骨の変化を確認するために行われます。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の経過や家族歴など)
- 皮膚の視診および触診
- 皮膚生検(必要に応じて)
- 関節エックス線検査(関節症状がある場合)
- 血液検査(炎症の程度や他の病気の除外のため)
診察で予想されること
医療機関では、まず皮膚の状態を詳しく診てもらいます。関節の症状がある場合は、X線検査や血液検査が勧められることがあります。検査自体は痛みもなく、数分で終わります。
治療
治療は症状の程度や範囲に応じて、外用薬(塗り薬)、光線療法、内服薬や注射薬などが考えられます。どの治療を選ぶかは、医師と相談して決めます。
自宅でのセルフケア
- 皮膚を清潔に保ち、保湿を心がける。
- かゆみがあるときは冷やして対処する。
- 爪を短く切り、掻き傷を防ぐ。
- ストレスをためない生活を心がける。
医療治療
塗り薬については、ステロイド外用薬やビタミンD3外用薬などが使われることがありますが、必ず医師の処方で使用します。光線療法は医療機関で行う紫外線治療です。症状が強い場合には、内服薬や注射薬(生物学的製剤など)が選択されることもあります。どの治療も医師との相談のうえで行われます。
手術が検討される場合
乾癬そのものに手術は通常行いません。乾癬性関節炎で関節の変形が進んだ場合、整形外科で手術を検討することはありますが、まずは薬物療法が中心です。
この病気と共に生きる
乾癬は長く付き合っていく病気です。症状の波はありますが、適切な治療で皮膚の状態を良好に保つことができます。日々のスキンケアと通院を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- バランスの取れた食事を心がける。
- 十分な睡眠をとる。
- 適度な運動をする。
- 禁煙・節酒を検討する。
食事と運動
特定の食品が乾癬をよくするという科学的根拠は十分ではありませんが、野菜や果物、魚を中心としたバランスの良い食事が勧められます。運動はストレス解消や体重管理に役立ちます。
精神的健康と心の健康
見た目に症状が現れるため、心理的なストレスを感じることがあります。必要に応じて、医師や看護師、カウンセラーに相談しましょう。ひとりで悩まず、信頼できる人に話すことも大切です。
予防
乾癬そのものを完全に予防する方法はまだわかっていません。しかし、誘因となるストレスや感染症、皮膚への刺激を避け、規則正しい生活を送ることで、症状の悪化を防ぐことができます。
ワクチン
乾癬の治療によって免疫力が変化する場合があります。ワクチン接種の時期や種類については、医師に相談してください。
検診プログラム
乾癬の症状に気づいたら、早めに皮膚科を受診してください。関節症状がある場合は、関節の検査も受けられます。
合併症
治療しない場合
- 関節炎(乾癬性関節炎)が進行し、関節の変形や動きの制限が残ることがあります。
- 全身の皮膚が赤くなる紅皮症や、膿疱(のうほう)ができる汎発性膿疱性乾癬など、重症の状態になることがあります。
- 乾癬は動脈硬化や心血管疾患のリスクを高める可能性があるとされています。
長期的な見通し
乾癬は治らない病気ですが、現代の治療で症状をうまくコントロールすることが可能です。皮膚の状態は改善し、日常生活を大きく制限されずに送ることができます。医師と相談しながら、自分に合った治療を見つけていきましょう。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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