脳卒中後のMRI検査:回復の過程で知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脳卒中(のうそっちゅう)は、脳の血管が詰まったり破けたりして、脳の細胞が傷つく病気です。MRI(磁気共鳴画像法)は、強い磁石と電波を使って、体の中を詳しく画像にする検査です。脳卒中からの回復の過程でMRIを行うと、脳のダメージの状態や回復の具合を詳しく確認できます。
重要な事実
- MRIは放射線を使わないので、体に被ばくの心配がほとんどありません。
- 脳卒中後のMRIは、脳のどの部分が傷ついているかを詳しく確認するために使われます。
- MRI検査は痛みをともないませんが、検査中は大きな音がします。
- 検査時間は通常15分から30分程度です。
脳卒中は日本でもよくある病気で、毎年多くの人が発症しています。回復の過程でMRIを撮ることも、一般的な診察の流れの一部です。
脳卒中は高齢の方に多いですが、若い方や子どもでも起こることがあります。高血圧や糖尿病、喫煙などの生活習慣が影響することがわかっています。
症状
- 突然、顔、手足、特に体の片側に力が入らない、またはしびれがある
- 突然、言葉が話せない、または相手の言葉が理解できない
- 突然、視力が失われる、物が二重に見える
- 突然、歩けない、立っていられない、ふらつく
- 突然、経験したことのない激しい頭痛が起こる
- ⚠脳卒中の症状が数分で消えた場合も、すぐに医療機関を受診してください
- ⚠言葉がもつれたり、手足の力が抜けたりする発作が短時間だけあった場合
- ⚠MRIで異常を指摘されたが、症状がない場合でも、医師の指示に従ってください
一般的な症状
- 顔の片側がゆがむ
- 片方の手足に力が入らない、またはしびれる
- 言葉が話しにくい、相手の言葉が理解できない
- 激しい頭痛が突然起こる
- 片方の目が見えない、または物が二重に見える
- ふらついて立っていられない
子供の症状
- けいれん(ひきつけ)を起こす
- 突然ぐったりする
- 行動や性格が急に変わる
- 片側の手足がうまく動かない
- 言葉が急に不明瞭になる
高齢者の症状
- 突然ぼんやりして意識がもうろうとする
- 急に転びやすくなる、歩き方が変わる
- 言葉が一時的に出てこない、反応が遅い
- 片側のしびれやまひが突然現れる
- 原因不明のふらつきやめまい
原因
主な原因
- 脳の血管が血栓(血の塊)で詰まる脳梗塞(のうこうそく)
- 脳の血管が破れて出血する脳出血(のうしゅっけつ)
- くも膜と脳の隙間に出血するくも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)
- 症状が一時的で短時間で治まる一過性脳虚血発作(TIA)
リスク要因
- 高血圧(こうけつあつ)
- 糖尿病(とうにょうびょう)
- 高コレステロール血症
- 心房細動(しんぼうさいどう)などの心臓の不整脈
- 運動不足
- 家族に脳卒中を起こした人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 脳卒中が疑われる症状が突然現れた場合は、ためらわずに119番へ連絡してください
- 症状が短時間で消えた場合も、そのままにせず緊急の検査を受けてください
定期受診を予約すべき場合:
- 脳卒中後の回復中に、新しい症状や不安な変化がある場合は、担当医に相談してください
- 頭痛やめまい、物忘れなどが続く場合も、定期受診の際に伝えましょう
診断
医師はまず問診と神経診察(体の動きや感覚、言葉の状態を確認する)を行います。その上で、CTやMRIなどの画像検査を組み合わせて脳の状態を調べます。MRIは特に、脳の細かな傷や血流の状態をとらえるのに役立ちます。
行われる可能性のある検査
- MRI検査(磁気を使った詳しい画像)
- CT検査(X線を使った画像)
- 血液検査(血糖やコレステロール、血液の固まりやすさなどを調べる)
- 心電図(心臓のリズムをチェックする)
- 超音波検査(首の血管や心臓の血流を見る)
診察で予想されること
MRI検査では、ベッドの上に横になり、筒のような装置の中に体が入ります。痛みはありませんが、ゴンゴンという大きな音がします。スタッフとマイクで話せるので、不安なときは知らせてください。検査時間は20〜30分程度で、血管を詳しく見るために静脈から造影剤(色のつく薬)を注射することもあります。金属の入った体内機器(ペースメーカーなど)がある人は事前に伝えてください。妊娠している場合や腎臓の病気がある場合も、医師に知らせる必要があります。
治療
脳卒中の治療は、詰まった血管を再開通させたり、出血を止めたりする急性期治療と、その後の機能を回復させるリハビリテーションに大きく分かれます。回復期のMRIは、治療の効果や脳の変化を評価するために使われます。
自宅でのセルフケア
- リハビリの計画は、医師や理学療法士、作業療法士の指示に従って無理なく続ける
- 毎日できることを少しずつ増やし、達成感を大切にする
- 体を動かす前後の体調変化に注意し、気になる症状があればすぐにスタッフに伝える
- 喫煙や過度な飲酒は避ける
- 睡眠をしっかりとり、疲れをためない
医療治療
脳卒中の急性期には、脳の血管を詰まらせている血の塊を溶かしたり取り除いたりする治療が行われることがあります。また、出血がある場合は止血や血圧のコントロールを優先します。回復期には、将来の再発を防ぐために、高血圧や脂質異常症、糖尿病などを治療する薬が使われます。どの治療も医師が状態に合わせて、必ず安全性と効果を確認しながら行います。薬の名前や量は処方された通りに服用してください。
手術が検討される場合
脳卒中の中には、血管の一部を手術で修復することが必要な場合があります。例えば、首の血管が狭くなっていれば、詰まりを取り除く手術が検討されることがあります。出血を起こした血腫を取り除く手術が必要になることもありますが、すべての患者さんに手術が適応されるわけではなく、担当医が状態を総合的に判断します。
この病気と共に生きる
脳卒中後の生活は、一人ひとり回復の速度が異なります。リハビリを楽しみながら、できなかった動作ができるようになっていく過程を大切にしましょう。家の中での転倒を防ぐため、手すりをつける、段差をなくす、整理整頓をするなどの環境整備も役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 毎日決まった時間に起きて食事をとるなど、規則正しい生活を心がける
- 血圧を測り、記録をつける
- ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす
- ストレスをためないように、好きなことや趣味の時間を大切にする
- 通院や服薬の管理を自分だけで抱え込まず、家族や医療者と共有する
食事と運動
栄養バランスのよい食事を心がけ、塩分や脂肪のとりすぎに注意しましょう。特に高血圧や糖尿病がある場合、医師や管理栄養士のアドバイスを受けると安心です。運動は、リハビリの一環として理学療法士の指導のもと行うのが安全です。
精神的健康と心の健康
脳卒中後は、悲しみや不安、イライラを感じることがあります。これは脳のダメージや生活の変化に関係する、よくある反応です。つらい気持ちを一人で抱え込まず、家族や専門家に話しましょう。気分の落ち込みが長く続くときは、医師に相談することも重要です。
予防
脳卒中は、生活習慣の改善と持病の管理によって、多くの場合予防できる可能性があります。特に高血圧の治療、禁煙、適切な運動、バランスのよい食事が大切です。
ワクチン
脳卒中そのものを予防するワクチンはありませんが、肺炎やインフルエンザなどの感染症にかかると体への負担が大きくなるため、医師と相談の上で予防接種を検討することができます。
検診プログラム
定期的な健康診断で血圧や血糖、コレステロール値をチェックすることが、脳卒中予防の第一歩です。心臓の不整脈も、心電図検査で見つけることができます。
合併症
治療しない場合
- 障害が永久に残り、日常生活に大きな影響をおよぼすことがある
- 言葉や記憶の障害が続くことがある
- うつ状態になり、回復が遅れることがある
- 再発のリスクが高まり、命にかかわることがある
長期的な見通し
脳卒中の回復は時間がかかりますが、多くの方がリハビリを通して日常生活の機能を取り戻しています。たとえ障害が残っても、適切な支援とあきらめない気持ちで、自分らしい生活を築くことは十分に可能です。急性期の速やかな治療と、その後の継続したケアが、回復の大きなカギを握ります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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