腱のMRI検査—受ける前に知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腱(けん)は、筋肉と骨をつなぐ、ゴムのように丈夫な組織です。腱のMRI検査は、この腱の状態を、強い磁気と電波を使って画像にする検査です。エックス線(レントゲン)とは違い、放射線を使わないため、体への負担が少ないとされています。
重要な事実
- MRIは、腱が切れている・炎症を起こしている・すり減っているなど、細かい状態を確認できます。
- 検査中はベッドに横になってじっとするだけで、痛みはありません。
- 検査時間は、準備を含めて15分から60分ほどかかることが多いです。
MRI検査は、日本では整形外科や病院の画像検査として広く行われています。腱のけがや痛みの原因を調べるために、医師がすすめることがある一般的な検査です。
スポーツをする人や、手や足をよく使う仕事をしている人、年齢とともに腱が弱くなった高齢者など、幅広い人が対象になります。腱に違和感や痛みがある人なら、どの年齢でも検査を受ける可能性があります。
症状
- 突然の強い痛みで体重をかけられない、または手足をまったく動かせない
- 変形や骨折が疑われる、傷口から骨や腱が見える
- 手足の指先が真っ白になった、しびれが強い、冷たい
- これらの場合、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。
- ⚠痛みや腫れが急に強くなった
- ⚠発熱をともなう痛みや腫れがある
- ⚠自分で歩くのが難しい、または物を持ち上げられない
- ⚠痛みで夜眠れない
一般的な症状
- 動かすと出る痛みや、押すと痛む場所がある
- 腫れや熱っぽさがある
- 力が入りにくい、または関節が動かしにくい
- けがの後に、腱が切れたような感覚(ポキッとなるなど)があった
子供の症状
- 成長期の子どもでは、骨の成長にともなって腱のまわりに痛みが出ることがあります。
- 痛みが長く続く場合や、脚をかばうように歩く場合は、早めに受診しましょう。
高齢者の症状
- 加齢で腱に水分が減り、もろくなることがあります。
- 少しの動作で切れてしまうこともあるため、急な痛みや腫れにも注意が必要です。
原因
主な原因
- スポーツや仕事での使いすぎ(繰り返し負担がかかる)
- 転んだり、ぶつけたりするなどのケガ
- 加齢による腱の変化
- 関節の使い方が偏るなど、体のバランスの問題
リスク要因
- ランニングやバレーボールなど、走る・跳ぶ動作が多いスポーツ
- 同じ姿勢での作業や、手首・膝をよく使う仕事
- 年齢を重ねること
- 糖尿病など、腱の健康に影響を与える持病がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- ケガの直後から強い痛みが続く
- 足首などが腫れて歩けない
- 指や手足を動かせない、力が入らない
- 痛みが数日続き、日常の動作がしづらい
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い痛みや違和感があるが、時間がたってもよくならない
- スポーツ中の痛みが気になる
- 痛みの原因を知りたい、または再発を予防したい
診断
まず医師が、いつから・どんなときに痛むのか、ケガの心当たりなどを聞き、実際に体を動かして確認します。そのうえで、必要があればMRI検査がすすめられます。MRIは、診察やエックス線ではわかりにくい腱の細かい状態を確認するために使われます。
行われる可能性のある検査
- 問診と診察(痛みの場所や動きを確認)
- エックス線検査(骨に問題がないか確認)
- 超音波検査(体の外から腱の動きをみる)
- MRI検査(腱やまわりの組織を立体的にみる)
診察で予想されること
MRI検査では、金属のない検査着に着替え、ベッドに横になります。機械の中はトンネルのような形をしていて、体を動かさないようにして撮影します。ゴーという音がしますが、耳栓を用意してくれる施設がほとんどです。静脈から造影剤(えいぞうざい)という、血管や組織を写りやすくする薬を注射することもありますが、医師が必要と判断した場合に限られます。ペースメーカーなど体内に金属がある人は、MRIを受けられない場合があります。必ず医師に伝えてください。検査後は、とくに安静の必要はなく、普段の生活にもどれます。不安なことや閉所が苦手なことは、検査前に医師や技師に伝えましょう。もし不安なことや知りたいことがあれば、遠慮せずに聞いてください。厚生労働省も、患者さんへの丁寧な説明を大切にしています。
治療
治療は、腱の状態や痛みの原因によって異なります。多くの場合は、休養・リハビリ・装具(そうぐ)などを使って、体に負担をかけすぎないようにしながら回復を目指します。MRIの結果をもとに、医師が一人ひとりに合った治療方針を立てます。
自宅でのセルフケア
- 痛みのある間は、無理に動かしすぎない
- 痛みや腫れが強い患部を、医師の指示にそって冷やす
- 安静にしつつも、医師や理学療法士の指示にそって軽く動かす
- 睡眠をしっかりとり、体をいたわる
医療治療
医療機関では、痛みや炎症を和らげる治療、サポーターなどの装具を使った固定、理学療法(りがくりょうほう)による運動療法などが行われます。腱の状態に合わせて、注射や内服薬などの治療法を医師が選択します。薬の名前や量は、必ず医師から説明を受け、指示どおりに使いましょう。
手術が検討される場合
腱が完全に切れている場合や、リハビリだけでは改善が難しい場合は、手術が検討されることがあります。手術が必要かどうかは、年齢や普段の活動量、腱の損傷の程度をふまえて、医師と相談しながら決めます。
この病気と共に生きる
腱のトラブルは、急いで治そうとせず、体の声を聞きながら付き合うことが大切です。痛みが強い日は無理をせず、痛みが落ち着いてきたら少しずつ動かす、というリズムを心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 運動の前後に、軽いストレッチやクールダウンを取り入れる
- 痛みがあるときは、無理に我慢して続けない
- 靴や道具が体に合っているか確認する
- こまめに休憩をとり、同じ姿勢を続けない
食事と運動
特定の食品だけで腱が強くなるわけではありませんが、バランスのよい食事と、適度な運動は回復の助けになります。筋肉をきたえすぎず、関節にやさしい運動(歩く・水中歩行など)を、医師や理学療法士と相談して行いましょう。
精神的健康と心の健康
痛みが長引くと、気分が落ち込んだり、イライラしたりすることもあります。それは自然な感情です。「焦ってもいい」と自分に言い聞かせ、できることを少しずつ続けることが大切です。つらい気持ちが続くときは、医師や家族に話すだけでも気持ちが楽になることがあります。
予防
すべての腱のトラブルを防ぐことはできませんが、リスクを減らすことはできます。急に運動の量を増やさず、体を慣らしながら動かすことが大切です。
ワクチン
腱のけがや痛みを直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
腱のトラブルをみつける一般的な検診はありません。気になる症状があれば早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 痛みが長引き、慢性化することがある
- 腱がさらに傷み、切れてしまうことがある
- 動かさない期間が長くなり、まわりの筋肉や関節の動きにも影響が出る
- ケガの程度によっては、治療に時間がかかる
長期的な見通し
腱のトラブルは、正しい診断と適切なケアを行えば、多くの人が元の力や動きを取り戻せます。回復には時間がかかることもありますが、焦らず一歩ずつ進むことが、よりよい結果につながります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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