耳鳴りのMRI検査:知っておきたい流れと受け方のポイント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
耳鳴りとは、周囲に音がないのに耳や頭の中で音が聞こえる状態です。MRI検査は、磁気と電波を使って体内の様子を画像で調べる検査で、耳鳴りの原因となる病気を詳しく調べたいときに、耳鼻いんこう科の医師が必要に応じて行います。
重要な事実
- 耳鳴りは多くの人に起こるありふれた症状で、命に関わることはほとんどありません。
- MRI検査は痛みを伴わない安全な検査で、時間は30分から1時間程度です。
- MRIだけで耳鳴りの原因が必ず分かるわけではなく、難聴やめまいなどほかの症状もあわせて総合的に診断されます。
耳鳴りはとてもよく見られる症状です。日本でも、強い耳鳴りに悩む方は少なくありません。厚生労働省の情報でも、気になる症状があれば一度医療機関に相談することがすすめられています。
耳鳴りはどの年齢でも起こりますが、加齢による聴力の変化や、大きな音での仕事・趣味(コンサート、ヘッドホンなど)との関係が深く、特に高齢者や難聴のある方に多く見られます。
症状
- 突然片側の耳が聞こえなくなる(急な難聴)とともに耳鳴りを感じるときは、すぐに119番(救急)へ連絡してください。
- 顔のゆがみ、ろれつが回らない、手足のしびれ、激しい頭痛など、脳卒中の可能性がある症状に耳鳴りが伴うときは、すぐに119番(救急)へ連絡してください。
- 転倒や事故などで頭を強く打ったあとに耳鳴りやめまいが続くときは、すぐに119番(救急)へ連絡してください。
- ⚠片耳だけに耳鳴りがあり、聞こえ方に左右差を感じる場合
- ⚠脈拍に合わせて「ドクンドクン」と音がする場合(拍動性耳鳴り)
- ⚠耳鳴りのために眠れない、食事がとれない、日常生活に支障が出る場合
- ⚠頭部を打った後や、めまいが続く場合
一般的な症状
- 「キーン」「ジー」「プー」など、高い音または低い音が絶えず聞こえる
- 音が強くなったり弱くなったりする
- 静かな場所、夜間、布団に入ったときに音が気になりやすい
- 耳の詰まった感じ、聞こえにくさ、めまいなどを伴うこともある
子供の症状
- 子どもは「耳の中で音がする」と上手に説明できないことがあります。
- 耳を触る、耳をふさぐ、テレビの音が小さいと訴える、集中力が続かないなどのサインが見られることがあります。
- 症状が続くときは、小児科または耳鼻いんこう科に相談しましょう。
高齢者の症状
- 加齢による難聴に伴って耳鳴りを感じる方が多くいます。
- 高い音の「キーン」という耳鳴りが代表的な症状です。
- 持病の治療薬の影響で耳鳴りが出る可能性もあるため、薬の変更や調整は医師に相談してください。
原因
主な原因
- 加齢による聴力の低下
- 大きな音に長くさらされることによる難聴
- 耳あかや異物が外耳道をふさぐこと
- 中耳炎やメニエール病など耳や内耳の病気
- 頭や首、あごのけが
- 貧血、高血圧、血行不良など血流や血管の問題
- 内耳や神経に影響する一部の薬の副作用(医師・薬剤師に確認しましょう)
リスク要因
- 大音量の音楽の聴きすぎ、騒音の大きい職場での就労
- 高血圧、糖尿病などの生活習慣病
- 日々のストレス、睡眠不足、疲労
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然、耳の聞こえが悪くなった場合は、早めに耳鼻いんこう科を受診しましょう。
- 耳鳴りとともにめまい、吐き気、歩行のふらつきがある場合
- 耳鳴りの音が急に強くなり、生活に支障がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 耳鳴りが数日以上続く場合
- 耳鳴りのために睡眠の質が低下している場合
- 片側だけに耳鳴りを感じる場合
- 音が脈拍と同期している場合
- 以前からある耳鳴りの音が変わった、または大きくなった場合
診断
耳鼻いんこう科では、まず症状や生活状況を伺い、聴力検査や耳の診察を行います。難聴や他の神経症状を伴う場合、まれに脳や聴神経に腫瘍や血管の異常が見つかることがあるため、それを詳しく調べるためにMRIが行われることがあります。MRIは放射線を使わず、磁気と電波で画像を得る検査で、体への負担も少ないことが特徴です。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状が出始めた時期、音の種類、聞こえ方、生活環境など)
- 耳の形と鼓膜の観察(耳鏡、顕微鏡)
- 聴力検査
- ティンパノメトリー(中耳の状態を調べる検査)
- 血液検査、血圧測定(必要に応じて)
- MRI検査(必要に応じて)
診察で予想されること
MRI検査は、専用の個室にご案内し、着替えをして金属類を外していただきます。検査台に横になり、体を動かさない状態で、筒状の装置が体の一部を囲みます。検査中は「ゴーッ」と大きな音がしますが、耳あてやヘッドホンを使用し、音楽をかけてもらえます。途中で気分が悪くなった場合は、手の中にある呼び出しボタンを押して知らせることができます。閉所が苦手な方は事前に伝えると、鎮静剤などについても相談にのってもらえます(市販薬ではなく医師の判断で使用されます)。所要時間は30〜60分程度で、検査後にすぐ日常の活動に戻れます。
治療
耳鳴りの治療は、原因となる病気の治療と、耳鳴りそのものへの対処に大きく分けられます。まずは耳鼻いんこう科で詳しい検査を受け、あなたの症状に合った治療法を選ぶことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 耳を大きな音から守る(耳栓・耳あて・音量をおさえる)
- ストレスをためず、十分な睡眠をとる
- 寝る前にリラックスする時間をつくり、静かすぎる環境を避ける
- 気になる音を打ち消すため、自然音や時計の音などを小さめに流してみる
- カフェイン(コーヒー、エナジードリンクなど)やアルコールのとりすぎを避ける
医療治療
耳鳴りそのものを消す特効薬はありませんが、難聴の程度や症状に応じて、補聴器、音響療法(音を聴いて耳鳴りに慣れさせる治療)、認知行動療法(耳鳴りへの感じ方を整える心理療法)、ストレスの緩和や睡眠の改善を目的とした薬物治療などが検討されます。薬を処方された場合は、医師の指示に従って服用し、自己判断で市販薬や他人の薬を併用しないようにしましょう。
手術が検討される場合
耳鳴り自体に対する手術は、ほとんど行われません。たとえば脳の血管と神経が接触する「血管圧迫症候群」が原因として特定された場合など、ごくまれに手術が治療の選択肢となることがあります。手術の必要性は、専門的な検査に基づいて、担当医とじっくり相談して決めることが大切です。
この病気と共に生きる
耳鳴りは、音そのものをなくそうとするよりも、「音があっても生活できる」ことを目指すと気持ちが楽になります。静かな場所ほど気になるため、生活音や音楽をうまく取り入れて、耳鳴りが意識に入りすぎない環境づくりをしましょう。
生活習慣のアドバイス
- ヘッドホンやイヤホンの音量は、周囲の音が聞こえる程度に調整する
- コンサートや工事現場では耳栓を使用する
- ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を習慣にする
- 喫煙や飲酒の量を減らす
- 血圧や血糖など、持病の管理を続ける
食事と運動
耳鳴りに特別な食事療法はありませんが、バランスのよい食事と適度な運動は血流を良くし、耳の健康を保つ土台になります。塩分のとりすぎは高血圧につながるため、血圧が高い方は控えめに。毎日無理なく続けられる運動として、ウォーキングや水中歩行などもよいでしょう。
精神的健康と心の健康
耳鳴りは周囲に理解されにくく、不安や孤独感を伴いやすい症状です。眠れない、気分が落ち込む、いらいらするなどの症状が続く場合は、がまんせず医療機関や相談機関に助けを求めましょう。もし今、自分を傷つけたくなるほどの強い気持ちがある場合は、ひとりで抱えず、すぐに日本では救急(119番)または心の健康相談窓口(自治体や保健所など)へ連絡してください。
予防
耳鳴りの原因によって予防方法は異なりますが、最も大切なのは「大きな音から耳を守ること」です。ヘッドホンを使うときは音量を控えめにし、騒音の多い場所では耳栓や耳あてを活用しましょう。また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を治療・管理することや、ストレスをためないことも、耳鳴りの発症・悪化の予防に役立ちます。
ワクチン
耳鳴りそのものを予防するワクチンはありません。ただし、インフルエンザや肺炎などの感染症が原因で難聴や炎症が起こり、耳鳴りにつながる場合もあるため、該当する年齢や体の状態に応じて、定められた予防接種を検討してもよいでしょう。接種の可否は主治医に相談してください。
検診プログラム
耳鳴りへの特別なスクリーニング検査はありませんが、耳鼻いんこう科で聴力検査や問診を受けることで、難聴や他の病気の早期発見につながります。大きな音の多い職場で働く方は、定期的な聴力検診を受けることがすすめられています。
合併症
治療しない場合
- 慢性的な耳鳴りから、睡眠不足、集中力の低下、いらいらが続くことがある
- 生活の質が下がり、不安や抑うつが強くなることがある
- 原因となる病気(聴神経腫瘍など)がある場合は、放置すると聴力低下やめまいが進行する可能性がある
長期的な見通し
耳鳴りは、多くの場合、時間とともに脳が音に慣れていき、気になる程度が減っていきます。原因がはっきりした場合は、その病気の治療をすることで改善することもあります。MRI検査を受けることは、病気の可能性を確認し、安心して治療や生活の工夫に取り組むための第一歩です。専門家と一緒に、あなたのペースで対処法を見つけていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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