尿路感染症(UTI)とX線検査:その役割と流れ
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
尿路感染症(UTI)は、膀胱や腎臓などの尿路に細菌が入って炎症を起こす病気です。通常は尿検査で診断しますが、X線検査は、腎臓や尿管に石や狭窄(きょうさく:狭くなっているところ)がないかを調べるために使われることがあります。これは複雑なUTIやくり返す感染症の原因を探るために行われる検査です。
重要な事実
- X線検査はUTIの最初の検査ではありません。まず尿検査を行います。
- X線では腎臓、尿管、膀胱の形や石の有無を見ます。
- 検査中の放射線量はごくわずかで、医師が必要と判断した場合にのみ行われます。
UTIはとても一般的な感染症ですが、X線検査が行われるのはその一部、特に複雑なケースやくり返す感染症の場合です。
主に女性に多く見られますが、男性や子どもにも起こります。特に、尿管に石がある方、カテーテル(管)を使っている方、免疫力が低下している方でX線が必要になることがあります。
症状
- 高熱(38度以上)と激しい寒気
- 腰やわき腹の激しい痛み
- 吐き気や嘔吐が止まらない
- 意識がもうろうとする
- ⚠血が混じった尿
- ⚠排尿が全くできない
- ⚠症状がどんどん悪くなる
一般的な症状
- 排尿時の痛みや焼ける感じ
- いつもより頻繁に尿が出る
- 尿が濁っていたり、強いにおいがする
- 下腹部の圧迫感や痛み
子供の症状
- 原因不明の発熱
- 機嫌が悪い、ぐずる
- おしっこを我慢するような仕草
- おむつかぶれが治りにくい
高齢者の症状
- 意識がぼんやりする、混乱する
- 急に体調が悪くなる
- 熱がないのに寒気がする
- 食欲がなくなる
原因
主な原因
- 細菌(多くは大腸菌)が尿道から入り込む
- 尿の流れが滞る(石や前立腺の腫れなど)
- カテーテルなどの医療器具の使用
リスク要因
- 女性の解剖学的特徴
- 閉経後のホルモン変化
- 糖尿病や免疫力の低下
- 尿路の異常や結石
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱や背中の痛みがある
- 血尿が出た
- 排尿ができない
- 妊娠中に症状がある
定期受診を予約すべき場合:
- 排尿時の痛みや頻尿が数日続く
- 何度もUTIをくり返す
- 高齢者で理由なく体調が悪くなった
診断
まず医師が症状を聞き、尿検査(尿の中の細菌や白血球を調べる)を行います。X線検査は、必要に応じて追加で行われることがあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(尿の成分を調べる)
- 尿培養(細菌の種類や薬の効き方を調べる)
- 腹部X線(KUB:腎臓・尿管・膀胱のX線写真)
- 場合によってはCT検査やエコー(超音波)
診察で予想されること
X線検査は、放射線技師が行います。専用の台の上に仰向けになり、数秒間動かずに息を止めます。痛みはなく、準備も特にいりません。結果は数日以内に医師から説明されます。
治療
UTIの治療は、原因となる細菌をやっつける薬(抗菌薬)が中心です。X線で石や異常が見つかった場合は、その治療も必要です。
自宅でのセルフケア
- 水をたくさん飲む(1日1.5~2リットル程度)
- 排尿を我慢せず、こまめにトイレに行く
- 温かい湯たんぽやカイロで下腹部を温める
- 刺激の強い飲み物(コーヒーやアルコール)は控える
医療治療
医師が細菌の種類に合わせた抗菌薬を処方します。必ず処方された期間は飲みきってください。症状が改善しても自己判断でやめないようにしましょう。石がある場合や尿の流れを妨げる原因がある場合は、それに対する治療(体外衝撃波や内視鏡を使った処置など)が行われることがあります。
手術が検討される場合
大きな石や尿の通り道をふさぐ異常がある場合、手術が必要になることがあります。医師が詳しく説明します。
この病気と共に生きる
UTIをくり返す方は、日常生活で予防を心がけることが大切です。治療中は十分に休息を取り、水分をしっかり摂りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 排尿後は前から後ろへ拭く(女性の場合)
- 性行為の前後は排尿する
- 通気性の良い下着を選ぶ
- 便秘を防ぐ(便秘はUTIのリスクを高めます)
食事と運動
特に制限はありませんが、クランベリージュースなどの一部の食品が予防に役立つという研究もあります。ただし、それだけで治療はできません。バランスの良い食事と適度な運動が免疫力を保ちます。
精神的健康と心の健康
くり返す感染症や痛みは心に負担をかけることがあります。不安を感じたら医師や家族に話しましょう。
予防
完全には防げませんが、生活習慣でリスクを下げることはできます。水分を多く取ること、排尿を我慢しないこと、適切な衛生習慣が大切です。
ワクチン
現在、日本で一般的に使われているUTIのワクチンはありませんが、研究が進められています。
検診プログラム
特に定期的な検査は必要ありませんが、症状があれば早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 腎盂腎炎(じんうじんえん:腎臓の感染症)
- 腎臓の周りに膿(うみ)がたまる
- 敗血症(はいけつしょう:全身に細菌が回る重い状態)
- 特に高齢者や免疫力が弱い方では危険です
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、ほとんどのUTIは1週間以内に改善します。くり返す場合でも、原因を調べて対処することで、多くはコントロール可能です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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