下肢静脈瘤(静脈瘤)の診断とX線検査について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは、足の静脈が伸びてねじれ、血管が青く浮き出て見える状態です。本来、静脈の中の血液は心臓へ戻るための逆流防止弁がありますが、その弁がうまく働かなくなることで血液がたまり、血管が膨らみます。X線を使った静脈造影(じょうみゃくぞうえい)検査は、昔はよく使われましたが、今は痛みがなく正確な超音波検査が主に行われます。
重要な事実
- 30~50代の女性に多く見られます
- 約4人に1人が生涯に経験するといわれています
- 多くの場合は命に関わる病気ではありません
- 適切なケアで症状を改善できます
はい、非常に一般的な病気です。日本人の約10~20%にみられると報告されています。
主に大人、特に50歳以上、妊娠中の女性、立ち仕事や座り仕事が多い人、家族に静脈瘤の人がいる方に多くみられます。
症状
- 静脈瘤の部分から突然、大量に出血し、止血が難しい
- 足全体が急に腫れ上がり、痛みや赤みがある
- 突然の息苦しさや胸の痛みがある(肺塞栓症の可能性)
- ⚠足の皮膚が黒ずんできた、または潰瘍(皮膚がえぐれた状態)ができた
- ⚠静脈瘤の部分が赤く腫れて触ると熱っぽい
- ⚠痛みが強くなり、歩くのが困難になった
一般的な症状
- 足の血管が青く浮き出る、またはでこぼこに膨らむ
- 足が重だるく感じる、むくむ
- 夜間に足がつる(こむら返り)
- 足の皮膚がかゆくなる、または色が変わってくる
子供の症状
- 小児ではまれですが、生まれつきの血管の異常がある場合があります
- 痛みや腫れがないか注意が必要です
高齢者の症状
- 皮膚が薄くなり、静脈瘤から出血しやすくなることがあります
- 潰瘍(かいよう:皮膚がただれてえぐれた状態)ができやすくなります
- 歩行時の痛みや重だるさが強くなることがあります
原因
主な原因
- 静脈の中にある逆流防止弁がうまく閉じなくなること
- 静脈の壁が弱くなり、伸びやすくなること
- 長時間立ったまま、または座ったままでいることで血液の流れが滞ること
リスク要因
- 年齢(加齢により静脈の壁や弁が弱くなる)
- 女性ホルモンの影響(妊娠や更年期)
- 家族に静脈瘤の人がいる(遺伝的要因)
- 立ち仕事やデスクワークなど、長時間同じ姿勢を続ける職業
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 足の急激な腫れや痛みがある場合
- 静脈瘤からの出血が止まらない場合
- 足の色が青紫に変わった場合
定期受診を予約すべき場合:
- 足のむくみやだるさが続く
- 見た目の変化が気になる
- 市販の弾性ストッキングを試しても改善しない
診断
診断は、まず医師が足の外観を確認し、触診(触って調べること)を行います。次に、超音波検査(血管エコー)で血液の流れや逆流の有無を調べます。X線を使った静脈造影(造影剤を注射して血管をX線で撮影)は、現在は特別な場合にしか行われません。超音波検査が標準的で、痛みもなく安全です。
行われる可能性のある検査
- 視診・触診:医師が足の状態を目で見て、手で触って診ます
- 超音波検査(エコー):音波を使って血管の状態を画像で確認します。痛みがなく、すぐに結果がわかります
- 静脈造影(X線検査):造影剤(えいぞうざい)を血管に入れてX線で撮影します。特殊なケースでのみ行われます
診察で予想されること
超音波検査は痛みがなく、約15~30分で終わります。静脈造影の場合は、造影剤を注射する際に少し温かさを感じることがありますが、通常は問題ありません。検査後は通常の生活に戻れます。
治療
治療は症状の程度や生活への影響によって選びます。軽い場合は生活習慣の改善で様子を見ます。症状が強い場合は、圧迫療法や医療機関での治療が行われます。
自宅でのセルフケア
- 弾性ストッキング(医療用の圧迫ソックス)を毎日履く
- 足を心臓より高く上げて休む(一日数回、15分ほど)
- 長時間立ちっぱなしや座りっぱなしを避け、こまめに足を動かす
- ウォーキングや水泳など、ふくらはぎの筋肉を使う運動をする
医療治療
医療機関では、血管に薬剤を注入して静脈瘤を縮める硬化療法、レーザーや高周波を使って血管を閉鎖する治療、または小さな切開で静脈瘤を取り除く手術などがあります。治療法は症状や血管の太さ・場所によって選ばれます。詳しくは医師と相談してください。
手術が検討される場合
症状が重く、ほかの治療で改善しない場合や、皮膚に潰瘍(かいよう)ができた場合などには、手術(静脈ストリッピング手術など)が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
静脈瘤と上手に付き合うには、日常的に足の血流を良くすることが大切です。仕事中もこまめに歩いたり、足を動かしたりしましょう。弾性ストッキングは朝起きてすぐに履き、夜寝る前に脱ぐと効果的です。
生活習慣のアドバイス
- 適度な運動を習慣にする(ウォーキング、水泳、サイクリングなど)
- 長時間同じ姿勢を続けない(1時間に1回は立ち上がる、足を動かす)
- 体重を適正に保つ
- 足に負担のかかるきつい服や靴を避ける
- 飛行機や長距離運転の際は、こまめに水分をとり、足を動かす
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、塩分を控えめにすることでむくみを防ぎます。食物繊維を多くとると便秘予防になり、腹部の圧迫が減って静脈への負担が少なくなります。ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、ふくらはぎの筋肉ポンプを刺激し、血液の流れを改善します。
精神的健康と心の健康
見た目が気になって人前に出るのが恥ずかしい、痛みでイライラするなど、精神的な負担を感じることがあります。しかし、適切な治療やケアで改善することが多いので、一人で悩まずに医師や家族に相談しましょう。
予防
完全に予防することはできませんが、リスクを減らすことは可能です。定期的な運動、体重管理、長時間の立ち仕事や座り仕事の際のこまめな休憩、足を高くして休むことなどが効果的です。
検診プログラム
静脈瘤の定期的な検診は特に推奨されていませんが、家族に静脈瘤の人がいる場合や症状が気になる場合は、健康診断の際などに医師に相談するとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 皮膚炎や色素沈着(皮膚が黒ずむこと)
- 潰瘍(かいよう:皮膚がえぐれて治りにくい傷)
- 血栓性静脈炎(血管内に血の塊ができて炎症を起こす)
- 出血(静脈瘤が破れて出血することがある)
- まれに深部静脈血栓症(深いところの血管に血の塊ができる)を合併することがある
長期的な見通し
静脈瘤は適切にケアすれば、症状をコントロールし、合併症を防ぐことができます。治療によって見た目も改善し、生活の質を大きく向上させることができます。ほとんどは生命に関わる病気ではありません。医師と相談しながら、自分に合った方法で管理していきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月29日
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