家庭でできる乳児疝痛の観察と対処法
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乳児疝痛(にゅうじせんつう、colic)は、健康な赤ちゃんが理由もなく激しく泣き続ける状態です。通常は生後2~4週頃から始まり、3~4か月頃に自然に落ち着きます。原因ははっきりしていませんが、おなかの不快感や神経系の未熟さなどが関係していると考えられています。
重要な事実
- 乳児疝痛は湿疹や発熱などの症状がないのに、1日に3時間以上、週に3日以上泣き続けることが特徴です。
- 多くの場合、生後4か月までに自然に治ります。
- 医師が診断する際は、他に病気がないことを確認します。
はい、乳児疝痛はよく見られる状態で、赤ちゃんの約20%が経験すると言われています。
生後2週~4か月までの健康な赤ちゃんに起こります。男の子と女の子の違いはありません。
症状
- 赤ちゃんがぐったりしている、または意識がない
- 呼吸がおかしい、または息をしていない
- 顔色が青白い、または紫色
- けいれんを起こしている
- 39度以上の高熱がある
- おしっこやうんちがまったく出ていない
- 激しい嘔吐や下痢がある
- ⚠泣き方がいつもと違って、ひどく苦しそう
- ⚠ミルクや母乳をまったく受け付けない
- ⚠おなかが腫れている、または触ると痛がる
- ⚠発熱があり、ぐったりしている
- ⚠いつもより泣く時間が長く、家でのケアでも改善しない
一般的な症状
- 理由もなく激しく泣く(特に夕方から夜にかけて)
- 泣くときに顔を真っ赤にして、足を曲げたり、こぶしを握ったりする
- おなかが張っているように見える
- 泣くのをなかなか止められない
子供の症状
- 乳児疝痛は幼児や学童には見られません。もし年長のお子さんに似た症状があれば、別の原因を調べる必要があります。
高齢者の症状
- 乳児疝痛は成人には起こりません。
原因
主な原因
- 正確な原因はわかっていません。いくつかの説があります。
- 消化器系が未熟で、おなかにガスがたまりやすい
- 神経系の発達が未熟で、刺激に過敏に反応する
- 母親の喫煙や授乳中のカフェイン摂取が影響する可能性がある
- 赤ちゃんの気質や環境の変化も関係するかもしれません
リスク要因
- 母親が妊娠中に喫煙していた
- 母親が妊娠中または授乳中にカフェインを多く摂取していた
- 早産で生まれた赤ちゃん
- ミルクを使用している(ただし母乳でも起こる)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合
- 赤ちゃんが12時間以上おしっこをしていない
- 嘔吐が続く、または緑色の吐物がある
定期受診を予約すべき場合:
- 泣き方が気になって心配なとき
- 家でのケア(あやし方、げっぷ、抱っこなど)を試しても改善しない場合
- 体重が増えていない、またはミルクの飲みが悪い
- 便秘や下痢が続く
診断
医師は赤ちゃんの泣き方や症状の経過を聞き、身体的検査を行います。他の病気(感染症、胃食道逆流、腸重積など)がないかを確かめるために、追加の検査が必要になることもあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(泣き方のパターン、期間、症状)
- 身体診察(体重測定、おなかの触診など)
- 必要に応じて尿検査や血液検査
- まれに画像検査(腹部超音波など)
診察で予想されること
診察では、赤ちゃんの様子を医師に見せ、泣いている時間や回数を伝えましょう。医師は泣き方のパターンや全身状態をチェックします。多くの場合、診察だけで疝痛と診断されます。特別な準備は必要ありませんが、赤ちゃんのおむつやミルクを持参すると安心です。
治療
乳児疝痛の治療は、原因をはっきり取り除く方法はありません。主な治療は、赤ちゃんを落ち着かせるためのケアと、親御さんの負担を減らすことです。市販の薬やサプリメントは医師と相談せずに使わないでください。
自宅でのセルフケア
- 赤ちゃんを優しく抱っこしてゆっくり揺らす
- おくるみで包んで安心させる
- ホワイトノイズや子守唄で気をそらす
- げっぷをしっかりさせてガスを出す
- おなかを時計回りに優しくマッサージする
- 授乳の間隔や量を整える(母乳の場合は母親の食事に注意)
- 赤ちゃんを散歩に連れて行く(ベビーカーや抱っこひもで)
- 親自身も休憩し、家族や友人に助けを求める
医療治療
医師は、必要に応じてガス抜き用の薬(整腸剤など)を勧めることがありますが、効果は個人差が大きく、すべての赤ちゃんに効くわけではありません。自己判断で市販薬を決して与えないでください。また、プロバイオティクス(善玉菌)のサプリメントが一部の赤ちゃんに効果を示すという報告もありますが、医師に相談してから使用しましょう。
手術が検討される場合
乳児疝痛だけで手術が必要になることはありません。ただし、別の病気(腸閉塞など)が見つかった場合には手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
乳児疝痛の時期は、親御さんにとってとても大変な時期です。赤ちゃんが泣き続けると、自分は何か悪いことをしているのではないかと不安になることもあるでしょう。でも、これはあなたの育て方のせいではありません。できるだけリラックスして、赤ちゃんが泣いていても安全な場所に置いて一時的に離れるなど、自分自身のケアも大切です。
生活習慣のアドバイス
- 授乳のリズムを一定に保つ(可能なら)
- 家族やパートナーと役割分担して休憩を取る
- 自分の睡眠時間を確保するために、赤ちゃんが寝ている間に休む
- カフェインや刺激物を控える(授乳中の母親)
- ストレスを感じたら、友人や専門家に相談する
食事と運動
授乳中の母親は、カフェインや乳製品、卵、ナッツなどのアレルゲンが多い食品を控えると、赤ちゃんの症状が和らぐことがあります。ただし、極端な食事制限は避け、医師や栄養士に相談しましょう。赤ちゃんには、特に運動の必要はありません。
精神的健康と心の健康
赤ちゃんが泣き続けると、親は疲れ果て、自分を責めてしまったり、うつ状態になることもあります。これは「産後うつ」や「育児ストレス」のリスクを高めます。そう感じるのは自然なことであり、助けを求めることが大切です。必要なら、かかりつけ医や地域の保健師に相談しましょう。
予防
はっきりした予防法はありません。しかし、妊娠中の禁煙や授乳中のカフェイン制限など、リスクを減らす工夫はできるかもしれません。また、適切な授乳方法やげっぷの習慣で、おなかの不快感を和らげることはできます。
ワクチン
乳児疝痛はワクチンで予防できる病気ではありません。ただし、定期予防接種は赤ちゃんを他の感染症から守るために重要です。
検診プログラム
乳児疝痛の特別なスクリーニング検査はありません。健診のたびに、医師が赤ちゃんの泣き方や成長について確認します。
合併症
治療しない場合
- 乳児疝痛自体に直接の健康被害はありません。
- しかし、親のストレスが大きくなり、赤ちゃんへの対応に影響が出ることがあります。
- まれに、別の病気(胃食道逆流症やミルクアレルギーなど)が隠れている場合があります。
長期的な見通し
ほとんどの赤ちゃんは生後3~4か月までに疝痛が自然に治り、その後は元気に成長します。この時期を乗り越えると、赤ちゃんの泣き方のパターンも落ち着き、親子の絆も強まります。適切なサポートを受けながら、焦らずにかかわっていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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