osteoporosis blood test explained
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。血中(けっちゅう)のカルシウムやビタミンDなどの値(あたい)を調べる血液検査(けつえきけんさ)は、骨粗鬆症の診断(しんだん)や治療(ちりょう)の効果(こうか)をみるために行います。
重要な事実
- 血液検査だけで骨粗鬆症と診断できるわけではありません。骨密度(こつみつど)検査(DXA法)と組み合わせて評価(ひょうか)します。
- 血液検査では、カルシウム、リン、ビタミンD、副甲状腺(ふくこうじょうせん)ホルモン(PTH)、骨代謝(こつたいしゃ)マーカーなどを測定(そくてい)します。
- 骨粗鬆症は初期(しょき)には症状(しょうじょう)がほとんどありません。骨折(こっせつ)して初めて気づくことが多いです。
骨粗鬆症は日本でも非常に多く、特に高齢女性(こうれいじょせい)に多い病気です。厚生労働省(こうせいろうどうしょう)の調査(ちょうさ)では、65歳以上の女性の約3人に1人、男性の約5人に1人が骨粗鬆症またはその予備軍(よびぐん)と考えられています。
閉経後(へいけいご)の女性、高齢者(こうれいしゃ)、カルシウムやビタミンDが不足している人、運動不足(うんどうぶそく)の人、喫煙(きつえん)や過度(かど)の飲酒(いんしゅ)をする人、特定の薬(ステロイドなど)を長期間(ちょうきかん)使っている人に起こりやすいです。
症状
- 転んだり軽い衝撃を受けた後に、背中や腰が激しく痛み、動けなくなった → 119番に連絡(れんらく)してください。
- 骨折が疑われ、骨が変な形になっている、または傷(きず)から骨が見える → すぐに救急車(きゅうきゅうしゃ)を呼んでください。
- ⚠数日間続く強い背中や腰の痛みがあり、安静(あんせい)にしてもよくならない → 同じ日または翌日(よくじつ)に整形外科(せいけいげか)を受診(じゅしん)しましょう。
- ⚠骨折したかもしれないが、緊急(きんきゅう)ではない程度の痛み → 翌日中に医療機関(いりょうきかん)を受診してください。
一般的な症状
- 初期には自覚症状(じかくしょうじょう)がほとんどありません。
- 背中(せなか)や腰(こし)の慢性的(まんせいてき)な痛み
- 身長(しんちょう)が縮(ちぢ)む
- 猫背(ねこぜ)になる
- 軽い衝撃(しょうげき)でも骨折する(例:手をついただけで手首の骨折、くしゃみで背骨の骨折)
子供の症状
- 小児(しょうに)の骨粗鬆症はまれですが、成長期(せいちょうき)の骨の健康(けんこう)には注意が必要です。血液検査でカルシウムやビタミンDの不足がわかることがあります。
高齢者の症状
- 骨折のリスクが高まります。特に大腿骨(だいたいこつ)近位部(きんいぶ)骨折、脊椎(せきつい)骨折、手首(てくび)骨折が多いです。
- 背骨の圧迫骨折(あっぱくこっせつ)による急性(きゅうせい)の強い痛み
- 身長の減少(げんしょう)や姿勢(しせい)の変化
原因
主な原因
- 加齢(かれい)による骨の新陳代謝(しんちんたいしゃ)のバランスの崩れ
- 閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)の減少(げんしょう)
- カルシウムやビタミンDの慢性的(まんせいてき)な不足
- 特定の病気(甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、腎臓病など)や薬の影響(ステロイド薬の長期使用など)
リスク要因
- 年齢(ねんれい):特に65歳以上の女性、70歳以上の男性
- 低体重(たいじゅう):BMIが18.5未満
- 家族歴(かぞくれき):両親が骨粗鬆症で骨折したことがある
- 喫煙(きつえん)
- 過度の飲酒(1日アルコール20g以上)
- 運動不足(特に体重をかける運動の不足)
- 特定の薬(ステロイド、抗てんかん薬、がん治療薬など)の長期使用
- 食事(しょくじ)でのカルシウムやビタミンDの不足
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 転んだり軽い衝撃で強い痛みがあり、骨折の可能性がある
- 背中や腰が急に激しく痛み、身長が縮んだように感じる
- 意識(いしき)を失うような転倒(てんとう)があった
定期受診を予約すべき場合:
- 閉経後で骨粗鬆症が心配な方(定期検診(ていきけんしん)で血液検査や骨密度検査を勧められます)
- ステロイド薬を3か月以上使用している方
- 虚弱(きょじゃく)な体質(たいしつ)で骨折しやすいと感じる方
- 家族に骨粗鬆症や骨折の人がいる方で、自分のリスクを知りたい方
診断
骨粗鬆症の診断は、主に骨密度検査(DXA法)で行います。血液検査はその補助(ほじょ)として、骨の代謝(たいしゃ)状態やビタミン・ミネラルの不足、他の病気の有無(うむ)を調べるために行います。医師はこれらの結果を総合(そうごう)的に判断(はんだん)します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査:カルシウム、リン、マグネシウム、ビタミンD、副甲状腺ホルモン(PTH)、骨形成(こつけいせい)マーカー(P1NPなど)、骨吸収(こつきゅうしゅう)マーカー(NTXなど)、甲状腺機能(こうじょうせんきのう)、腎機能(じんきのう)、肝機能(かんきのう)を調べます。
- 骨密度検査(DXA法):腰椎(ようつい)や大腿骨の骨密度を測定します。これが診断の基準(きじゅん)となります。
- 必要に応じて、レントゲン検査やCT、MRIを行うこともあります。
診察で予想されること
血液検査は腕(うで)の静脈(じょうみゃく)から数ミリリットル採血(さいけつ)します。所要時間(しょようじかん)は5分程度で、痛みはほとんどありません。結果が出るまで数日~1週間程度かかることがあります。医師から結果の説明(せつめい)と、今後の検査や治療の提案(ていあん)があります。
治療
骨粗鬆症の治療(ちりょう)は、骨を強くして骨折を予防(よぼう)することが目的です。治療には、生活習慣(せいかつしゅうかん)の改善(かいぜん)と薬物療法(やくぶつりょうほう)の両方があります。血液検査の結果は、治療法の選択(せんたく)や効果判定(こうかはんてい)に役立ちます。
自宅でのセルフケア
- カルシウムを多く含む食品(牛乳、ヨーグルト、小魚、豆腐、青菜)を毎日十分に摂る(成人で1日700~800mgが目安)。
- ビタミンDが豊富な食品(鮭、サンマ、きのこ類、卵黄)を摂り、適度に日光浴(にっこうよく)する(1日15分程度)。
- 体重をかける運動(ウォーキング、階段のぼり、スクワット)を週3回以上行う。
- 転倒(てんとう)を防ぐための環境整備(かんきょうせいび):家の中の段差(だんさ)をなくす、スリッパを履かない、手すりをつける。
- 禁煙(きんえん)と節酒(せっしゅ)(アルコールは1日20g未満)。
医療治療
医師は、骨粗鬆症の進行(しんこう)を抑える薬(ビスホスホネート系、SERM、抗RANKL抗体など)や、骨を強くする薬(副甲状腺ホルモン薬、抗スクレロスチン抗体など)を処方(しょほう)することがあります。また、カルシウムやビタミンDのサプリメントが推奨(すいしょう)されることもあります。治療は数年にわたることが多く、定期的(ていきてき)に血液検査や骨密度検査で効果を確認(かくにん)します。薬の種類や期間は医師が患者さんの状態に合わせて決めます。
手術が検討される場合
骨粗鬆症自体に対する手術(しゅじゅつ)は原則(げんそく)ありません。しかし、骨折を起こした場合、骨折の部位(ぶい)によって手術が必要になることがあります(例:大腿骨近位部骨折に対する人工骨頭置換術(じんこうこっとうちかんじゅつ)や内固定術(ないこていじゅつ)など)。手術後も骨粗鬆症の治療を続けることが重要です。
この病気と共に生きる
骨粗鬆症と診断されても、適切(てきせつ)な治療と生活習慣の改善(かいぜん)で日常生活(にちじょうせいかつ)をほぼ普通(ふつう)に送ることができます。骨折を予防(よぼう)するための注意(ちゅうい)を日常(にちじょう)に取り入れることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 転倒防止(てんとうぼうし):家の中は整理整頓(せいりせいとん)し、コード類はまとめる。夜間は足元を照らす明かりをつける。
- 適度な運動(うんどう):無理(むり)のない範囲(はんい)で続ける。痛みがあるときは休む。
- 栄養(えいよう)バランスの良い食事(しょくじ)を心がける。
- 定期的(ていきてき)に血液検査や骨密度検査を受けて、治療効果を確認する。
食事と運動
骨の健康(けんこう)には、カルシウム・ビタミンD・ビタミンK・マグネシウムなどの栄養素(えいようそ)が重要です。牛乳や乳製品(にゅうせいひん)、小魚、大豆製品(だいずせいひん)、緑黄色野菜(りょくおうしょくやさい)を積極的(せっきょくてき)に摂りましょう。運動は、骨に適度(てきど)な刺激(しげき)を与える体重負荷(たいじゅうふか)運動(ウォーキング、ジョギング、ダンス)と、筋肉(きんにく)を鍛えバランスを良くする運動(筋トレ(きんトレ)、ヨガ、太極拳(たいきょくけん))を組み合わせると効果的です。
精神的健康と心の健康
骨粗鬆症と診断されると、「いつ骨折するかわからない」という不安(ふあん)や、将来(しょうらい)への心配(しんぱい)を感じることがあります。また、身長(しんちょう)が縮(ちぢ)んだり姿勢(しせい)が悪くなることで、見た目の変化に悩む方もいます。こうした気持ちは自然(しぜん)なことです。医師や家族、友人に相談(そうだん)したり、同じ病気の人と情報交換(じょうほうこうかん)できる場(ば)を探(さが)すと心強い(こころづよい)です。必要なら、カウンセリングを受けることも検討(けんとう)しましょう。気分(きぶん)が落ち込んだり、不安が強いときは、一人で抱え込(かかえこ)まずに助けを求めてください。
予防
骨粗鬆症は完全(かんぜん)に予防(よぼう)できるわけではありませんが、リスクを大きく減らすことは可能(かのう)です。若いうちから骨を強くする生活習慣(せいかつしゅうかん)を心がけることが大切です。すでに骨密度が低下(ていか)している場合でも、治療(ちりょう)と生活改善(かいぜん)で骨折のリスクを下げられます。
検診プログラム
日本では、骨粗鬆症のスクリーニング(検診(けんしん))は、特定(とくてい)の健康診断(けんこうしんだん)のオプションとして行われることがあります。閉経後の女性や、骨折のリスクが高い人は、かかりつけ医に相談して骨密度検査や血液検査を受けることを検討(けんとう)してもよいでしょう。厚生労働省の「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン」では、65歳以上の女性と70歳以上の男性に骨密度検査を推奨(すいしょう)しています。
合併症
治療しない場合
- 骨折(こっせつ)のリスクが非常に高まる(特に大腿骨、脊椎、手首)。
- 脊椎の圧迫骨折(あっぱくこっせつ)による慢性的(まんせいてき)な腰痛(ようつう)や身長低下(しんちょうていか)。
- 大腿骨骨折(だいたいこつこっせつ)後の寝たきり(ねたきり)や要介護(ようかいご)状態(じょうたい)のリスク。
- 社会生活(しゃかいせいかつ)の制限(せいげん)や、うつ症状(うつしょうじょう)のリスク増加。
長期的な見通し
骨粗鬆症は、早期(そうき)に発見(はっけん)して適切(てきせつ)な治療(ちりょう)を始めれば、骨折(こっせつ)を予防(よぼう)し、元気(げんき)で活動的(かつどうてき)な生活(せいかつ)を長く続けることができます。血液検査(けつえきけんさ)は、経過(けいか)をみるのに役立ちます。治療法(ちりょうほう)も進歩(しんぽ)しており、自分(じぶん)に合った方法(ほうほう)を見つければ、多くの人が安定(あんてい)した状態(じょうたい)を保てます。希望(きぼう)を持って、医師と一緒に取り組んでいきましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月19日
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