外傷尿検査(尿でけがの状態を調べる検査)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
外傷尿検査は、交通事故や転落など大きなけがをしたあとに、尿(おしっこ)の中に血(血液)が混じっていないか、たんぱく質が増えていないかなどを調べる検査です。この検査で、腎臓(じんぞう)や膀胱(ぼうこう)、尿道(にょうどう)などの尿路(尿の通り道)にけががないかを確認します。
重要な事実
- 尿の中に血液が少しでも混じると、色が赤や茶色になることがあります。
- 外傷尿検査は、体の外からはわからない内臓のけがを見つけるのに役立ちます。
- 検査は特別な準備は必要なく、出した尿を少量容器にとるだけです。
交通事故や高い所からの転落など、大きなけがの後に必要になることがあります。比較的よく行われる検査の一つです。
腹部や腰、背中に強い衝撃を受けた方、特に交通事故やスポーツ外傷、高所からの転落を経験した方に行われます。子どもから高齢者まで、年齢に関係なく検査対象になります。
症状
- 尿に大量の血が混じっていて、痛みが強い
- 意識がもうろうとしている、または意識を失った
- 血圧が下がって顔色が青白い
- 外傷後に尿がまったく出ない
- ⚠尿の色がいつもと違うが痛みは軽い
- ⚠腰や背中を打ったあとに排尿時に痛みがある
- ⚠少しの出血があるが全身状態は安定している
一般的な症状
- 尿の色が赤い、ピンク、茶色、コーラ色などいつもと違う
- 排尿(おしっこをすること)のときの痛みや違和感
- 腰や背中、おなかの強い痛みや張り
子供の症状
- おしっこの色がおかしいと子どもが自分で言う
- おなかを痛がる、泣く、ぐずる
- 排尿の回数が極端に少ない、またはまったく出ない
高齢者の症状
- 尿の色の変化に気づきにくいことがあるので、家族や介護者が注意する
- 意識がぼんやりする、ぼうっとする(脱水や出血の可能性)
- 転倒後に腰や背中を打った場合の痛み
原因
主な原因
- 交通事故による腹部や腰への強い衝撃
- 高い場所からの転落
- スポーツ中の衝突や転倒
- 鈍器(どうき)や刃物による腹部のけが
- 腎臓や膀胱への直接の打撃
リスク要因
- 交通事故や転落の危険の高い職種(建設業、交通運転手など)
- 高齢による転倒リスク
- スポーツ(ラグビー、柔道、サッカーなど接触の多い競技)
- 血液をさらさらにする薬(抗凝固薬)を服用している(医師の指示で使用中)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 尿に明らかな血が混じっている
- 排尿ができない、または排尿時に激しい痛みがある
- 腰やおなかを強く打った後、尿の色がおかしい
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い打撲で尿の色に少し変化を感じたが、痛みは少ない
- けがから数日たってから尿の色が気になる
診断
外傷尿検査は、けがをした後、病院で尿を採取して調べます。医師が症状とけがの状況を確認し、必要に応じて尿検査を指示します。
行われる可能性のある検査
- 尿試験紙(しけんし)を使った簡単な尿検査(尿中血液の有無、たんぱく質の量を調べる)
- 顕微鏡で尿の中の赤血球や白血球の数を調べる尿沈渣(ちんさ)検査
- 必要に応じて、腹部のCT検査や超音波(エコー)検査で臓器のけがを詳しく調べる
診察で予想されること
検査はとても簡単です。専用の紙コップに尿を少量(20〜30ミリリットル程度)とり、提出するだけ。痛みはありません。結果は数分から数十分でわかることが多く、血液の有無やたんぱく質の量がわかります。
治療
外傷尿検査の結果に基づいて、けがの程度に合わせた治療が行われます。尿に血が混じっている場合でも、軽い打撲や粘膜の傷であれば特別な治療は必要なく、安静にすることで自然に治ることがほとんどです。
自宅でのセルフケア
- 安静にして、体を動かしすぎない
- 水分をしっかりとる(脱水を防ぐ)
- 痛みがある場合は無理に動かさず、冷却などで様子を見る
- 排尿の状態(色や量)を観察し、変化があれば医師に伝える
医療治療
治療はけがの種類と程度によります。軽度の場合は経過観察のみで、数日間の安静と水分摂取が勧められます。中等度以上の腎臓や膀胱の損傷では、入院して安静を保ちながら、止血を促す薬(内服や点滴)の使用や、尿道カテーテル(管)を入れて尿の流れを確保することがあります。これらの治療は医師が個別の状況に合わせて判断します。
手術が検討される場合
まれに、腎臓や膀胱の大きな裂傷(れっしょう)や、出血が止まらない場合、尿道が完全に切れてしまった場合など、手術が必要になることがあります。しかし、多くの外傷性血尿は手術なしで回復します。
この病気と共に生きる
外傷尿検査の結果が異常なければ、日常生活に制限はありません。もし異常があっても、医師の指示に従って安静を守り、定期的に尿検査を受けることで経過を見ます。
生活習慣のアドバイス
- けがの回復までは激しい運動や重い物を持たない
- 排便時のいきみを避ける(便秘対策をする)
- お酒や刺激物(香辛料など)は一時的に控えるとよい場合もある
- 十分な睡眠と栄養をとって体の回復を助ける
食事と運動
特に制限はありませんが、バランスのよい食事で体力を回復しましょう。水分は十分にとる(1日1.5〜2リットル程度が目安)ことが大切です。医師の許可が出たら、軽いウォーキングから始めて徐々に運動を再開します。
精神的健康と心の健康
けがの後は、特に出血を見ると不安になることがあります。多くの外傷性血尿は時間とともに改善します。不安や気分の落ち込みが続く場合は、遠慮なく医師やカウンセラーに相談してください。
予防
交通事故や転落など外傷そのものを完全に防ぐことは難しいですが、安全対策をとることでリスクを減らせます。シートベルトの着用、ヘルメットの着用、転倒防止のための手すりの設置などが役立ちます。
合併症
治療しない場合
- 放置すると腎臓や膀胱の損傷が悪化し、出血が続く
- 尿の通り道がふさがって腎臓に水がたまる(水腎症)
- 感染症を起こしやすくなる(尿路感染症)
- 慢性的な腎機能低下につながる可能性もある
長期的な見通し
多くの場合、外傷尿検査で異常が見つかっても、適切な安静と治療により完全に回復します。内臓のけがが重くても、早期に発見して治療すれば予後は良好です。あなたの体は回復する力を持っています。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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