尿酸の血液検査
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
尿酸値(にょうさんち)を測る血液検査です。尿酸は体内でできる老廃物で、値が高くなると痛風(つうふう)や腎臓結石(じんぞうけっせき)の原因になります。この検査で尿酸の量を調べ、健康状態を確認します。
重要な事実
- 検査は腕から少量の血液を採るだけで、痛みはほとんどありません。
- 食事や飲酒、薬の影響で値が変わるため、指示された条件で受けることが大切です。
- 高尿酸血症(こうにょうさんけつしょう)を放置すると、関節や腎臓に問題が起こることがあります。
日本では尿酸値が高い人は多く、特に男性に多い傾向があります。健康診断で指摘されることもよくあります。
30~50歳の男性、閉経後の女性、肥満の方、アルコールをよく飲む方、高血圧や糖尿病の方に多く見られます。
症状
- 突然の激しい関節痛(特に足の親指)で動けなくなる。
- 関節の腫れとともに高熱が出る。
- 排尿がまったくできず、激しい腰痛がある。
- これらの症状があれば、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- ⚠関節の痛みや腫れが続く、または悪化する。
- ⚠尿に血が混じっている。
- ⚠痛みが強く、日常生活に支障が出ている。
- ⚠早めに医療機関(内科、泌尿器科、整形外科など)を受診しましょう。
一般的な症状
- 高尿酸血症自体は症状がないこともあります。
- 痛風発作:足の親指の関節などが急に赤く腫れて激しく痛む。
- 腎臓結石:腰や背中が痛む、血尿が出る、排尿が痛い。
子供の症状
- 小児ではまれですが、遺伝性の病気や白血病の治療後などに起こることがあります。
- 症状は大人と似ており、関節の痛みや腫れが見られることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では関節の変形や腎機能の低下に注意が必要です。
- 症状がはっきり出ず、疲れやすいなど非典型的なこともあります。
原因
主な原因
- 体内で尿酸が過剰に作られる(遺伝、食事、肥満など)。
- 尿酸が尿として十分に排出されない(腎臓の機能低下、薬の影響など)。
- 食事:プリン体(プリンたい)を多く含む食品(レバー、魚卵、干物、ビールなど)や、アルコールの摂りすぎ。
リスク要因
- 男性であること。
- 肥満(特に内臓脂肪が多い)。
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病。
- アルコール(特にビールや日本酒)を多く飲む。
- プリン体の多い食品をよく食べる。
- 利尿薬(りにょうやく)など特定の薬を使っている。
- 腎臓の病気や遺伝的な要因。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 関節が急に激しく痛んで腫れ、熱がある。
- 排尿できないほどの激しい腰痛がある。
- 血尿が出た。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で尿酸値が高い(7.0mg/dL以上)と指摘された。
- 痛風発作を繰り返している。
- 腎臓結石の既往がある、または家族に尿酸が高い人がいる。
- 尿酸値を下げる治療中で、定期的なチェックが必要。
診断
尿酸値の血液検査で診断します。通常は朝の空腹時に採血し、血清尿酸値を測ります。必要に応じて尿検査や画像検査も行います。
行われる可能性のある検査
- 血清尿酸値(けっせいにょうさんち):血液中の尿酸の量を調べます。
- 尿中尿酸排泄量(にょうちゅうにょうさんはいせつりょう):尿に出る尿酸の量を測り、原因を調べます。
- 腎機能検査(じんきのうけんさ):クレアチニンなどで腎臓の働きを確認します。
- 関節液検査:痛風発作が疑われるとき、関節の液を調べて尿酸の結晶がないか確認します。
- 画像検査:エコー(超音波)やCTで尿酸の結晶や結石を調べます。
診察で予想されること
腕の静脈から採血します。痛みはほとんどなく、数分で終わります。結果は通常数日でわかります。検査前は医師の指示に従い、食事や飲酒を控えることがあります。
治療
高尿酸血症の治療は、まず生活習慣の改善が基本です。それでも値が高い場合や、痛風発作がある場合には薬物療法を行います。目標は尿酸値を正常範囲(7.0mg/dL未満)に保ち、痛風発作や腎臓の障害を防ぐことです。
自宅でのセルフケア
- 水分をしっかりとる(1日2リットル程度)。
- アルコールを控える(特にビール、日本酒)。
- プリン体の多い食品(レバー、白子、干物、魚卵など)を減らす。
- 適切な体重を維持する(急なダイエットはかえって尿酸を上げることがあるので注意)。
- 適度な運動(ウォーキングなど軽い有酸素運動)を習慣にする。
- ストレスをためすぎない。
- 痛風発作が起きたら、安静にして患部を冷やす。
医療治療
医師が処方する薬には、尿酸の生成を抑える薬(尿酸生成抑制薬)と、尿酸の排出を促す薬(尿酸排泄促進薬)があります。痛風発作の急性期には炎症を抑える薬(非ステロイド性抗炎症薬など)が使われます。必ず医師の指示に従い、自己判断で薬を変えたりやめたりしないでください。
手術が検討される場合
通常、手術はほとんど必要ありません。ただし、大きな痛風結節(つうふうけっせつ)が機能障害や感染を起こす場合、手術で摘出することがあります。
この病気と共に生きる
尿酸値が高いだけでは日常生活に大きな制限はありません。定期的に血液検査を受け、医師の指示に従いましょう。痛風発作が起きたら安静にし、早めに医療機関を受診してください。急な激痛に備え、医師から処方された痛み止めを常備しておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 適度な運動(激しい運動はかえって尿酸を上げるため、ウォーキングや軽いジョギングなど)。
- ストレス管理(リラックスする時間を作る)。
- 十分な睡眠をとる。
- 禁煙する(喫煙は尿酸値を上げる可能性があります)。
- アルコールは控えめに(特に発作時は禁酒)。
食事と運動
プリン体の多い食品(レバー、白子、いわしの干物、魚卵、ビールなど)を控え、野菜、乳製品、全粒穀物を積極的に摂りましょう。果物は適量なら問題ありませんが、果糖の摂りすぎは尿酸を上げる可能性があります。水分を多くとり、尿量を増やすことが大切です。運動は週に3~5回、30分程度の有酸素運動がおすすめです。
精神的健康と心の健康
痛風発作の激しい痛みや、長期間の治療が必要なことでストレスや不安を感じることがあります。また、食事制限や運動の継続が負担になることもあります。必要なら医師や専門家に相談し、無理のない目標を立てましょう。
予防
完全に防ぐことはできませんが、健康的な生活習慣でリスクを大きく減らせます。適正体重の維持、バランスの良い食事、適度な運動、アルコール節制、十分な水分摂取が効果的です。
検診プログラム
定期的な健康診断で尿酸値をチェックすることをおすすめします。特にリスクの高い方(肥満、高血圧、糖尿病など)は年に1回は検査を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 痛風発作の繰り返し(関節が徐々に傷む)。
- 痛風結節(関節や耳たぶなどに尿酸の塊ができる)。
- 腎臓結石(何度もできると腎臓に負担がかかる)。
- 尿酸腎症(にょうさんじんしょう)という腎臓の障害。
- 関節の変形や機能障害。
長期的な見通し
適切な治療と生活習慣の改善で、多くの方は尿酸値を正常範囲に保ち、合併症を防ぐことができます。痛風発作も薬でコントロール可能です。早期に気づき、医師と一緒に取り組めば、普通の日常生活を送ることが十分可能です。希望を持って前向きに取り組みましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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